イベント:海洋研究開発機構(JAMSTEC)横浜研究所 一般公開



 海洋研究開発機構(JAMSTEC)・横浜研究所の一般公開に行ってきました。3年前に横須賀本部の見学会に行ってきました(その時の記事はこちら。)が、横浜研究所は初めてです。
 JRの新杉田駅を降りて15分歩きます。地図を印刷しなくてもiPhoneがあるのでGPSと地図で難なくたどり着きます。所々右の写真のようにプラカードを持った方が案内もしてくれます。


 これがJAMSTECの横浜研究所。


 中に入ると、思っていたよりも多くの人が!家族連れも多くて、子供向けのイベントなんかもたくさん用意されています。写真はクイズの会場。問題兼解答用紙が渡され、会場にある様々な研究発表のパネルの中にその答えがあるというもの。僕もチャレンジしてみました。


 これは永久凍土の実験。シベリアではここ25年、降雨、降雪量が増えたり、地球の平均気温の上昇幅と2倍程度気温が上がっているそうで、永久凍土が減っているそうです。これにより凍土融解による地盤沈下などが起こっているそうです。今後100年で地球の平均気温は3℃上昇すると考えられているがシベリアを含む北極圏は5℃上昇するとシミュレートされているそうです。
 すでに河川の水が異常に増えたり、ヤクーツク地域内の湖沼の面積が2000年からの7年間で3.5倍になったり、土壌が湿潤になりすぎてカラマツが枯れるなどの影響が出ているそうです。
 前置きが長くなりましたが、この実験では表面に草が生えているかどうか、雨で土が濡れているかどうかで、地中のドライアイスで人工的に作った凍土の温度がどうなるかを実際に計測しているところです。草があって、凍土の上の土は乾いている場合は凍土の温度上昇が少ないことを期待しているのですが、上部の影響だけでなく、小さいので横からの温度の影響が大きく、実験はうまくいってなさそうでした。


 ミサイルのように見えるこの装置は、アルゴ計画に使われる装置。
エルニーニョは太平洋の海面水温が数度上昇する現象ですが、ご存じの通り異常気象をもたらしています。例えば日本は長梅雨・冷夏で米などの農産物がとれなくなったり・・・。そんなわけで海洋の状態を調べることは長期気象予報にも役立つのです。
 そこで世界中の海にアルゴフロートというのをばらまきます。アルゴフロートは通常水深1,000mのところに漂っていますが、10日に1度、水深2,000mまで潜って深さ、水温、塩分濃度を数メートルから数十メートル間隔で観測しながらゆっくり浮上します。水面に到達すると人工衛星にデータを送信してまた1,000mまで潜ります。このアルゴフロートが2007年時点で世界に3,000機ありますが、内蔵バッテリで動いているため、3~4年で動かなくなってしまうため、毎年1,000機弱を新たに投下する必要があるそうです。


 JAMSTECが保有するスーパーコンピュータ。マシンルームに入れる探検ツアーもあるんですがそれは抽選。僕の前に並んでいた子どもは当選したようですが僕は落選。なので見学窓からの見学。広大に拡がるコンピュータのように見えますが、実際に稼働しているのは左側5列のみ。右側は2009年3月まで使用していた古いものだけれど、撤去するだけで億単位の費用がかかるので撤去できないんですって。使っていないノードは有料もしくは無料で貸し出しているらしいんですが、古い方も貸し出せばいいのに。。。ちなみに1時間4,000円弱(1ノード)です。


 他にも公開セミナーやサイエンスカフェなどもやっていました。公開セミナーは「深海から生物多様性を探究する」を聴講。
 サイエンスカフェは「海中ロボットのテクノロジー」「宇宙と地球環境の不思議な関係」に参加。普通のセミナーが講演者がばーーっと説明した後に質疑応答を行うスタイルなのに対し、サイエンスカフェとは一応講演用のプレゼン資料を用意しますが、わからないことなどがあったらその場で質問したり議論するスタイル。カフェとつくのは堅苦しいスタイルではなく、ざっくばらんにという意味を込めて、飲み物を片手にという意味です。
 海中ロボットのテクノロジーでは、子どもから大人まで多くの年齢層がいたため質問もいろいろ。海中探査はしんかい6500のように人が乗って操縦するタイプ、ワイヤーでつながった無人探査船を船から操縦するタイプ、そして完全に自立で動く自動の無人探査船。
 どうして自動の無人探査船が必要なのか、そしてさらに自動で動くために高密度バッテリの開発、高精度自律航法装置の開発などを説明してくれました。実際は他に2つの技術の説明もあったのですが、質問が多くて2つしか説明できる時間がなかった。
 写真のMR-X1にそれらの装置を載せて2010年8月相模湾で外部からの操作なしでマーカーフラグを任意の位置に設置するという世界初の実験に成功したそうです。


 海洋研究は正直、地味で素人には何をやっているのかわからない、それどころか何の目的でやっているのかすらよくわからない研究も多いですし、すぐに人類の役に立つわけではない研究も多い。だから事業仕分けに対象になりやすいんでしょうが。その点、自由に質問が出来るとサイエンスカフェはおもしろかった。
 普段使わない頭を使うといい刺激になりますね。














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