映画：ハート・ロッカー

自称映画ブログなのに、最近は全然映画を観に行っていない。観たい映画がどんどん終わってしまう中、時間を作ってハート・ロッカーを観てきました。

●ストーリー（ネタバレあり）

　2004年夏のイラク・バグダッド郊外。アメリカ軍爆発物処理班は、仕掛けられた爆弾の解体作業を進めている。彼らは直接の戦闘はないものの、いつ爆発するかわからない爆弾を処理するのは死と隣り合わせ。
　ある日、線路の真ん中に爆弾らしきものを発見した彼らはロボットを使って中を確認。解体は危険だと判断した彼らはロボットに爆弾を乗せ、爆発させる作戦を実行する。しかしガレキの多いこの場所ではロボットで爆弾をセットするのは不可能だった。班のリーダーが爆弾を持って処理に当たるが、見物に来たイラク人が携帯電話を使用する。「逃げろ！」それは罠だった。しかし爆発の衝撃はものすごく、処理に当たった隊員は死亡してしまう。
　殉職したリーダーに代わって新しいリーダーとして着任したのはウィリアム・ジェームズ二等兵（ジェレミー・レナー）。着任早々、爆弾処理の仕事が入る。ジェームズ、補佐に着くJ.T.サンボーン軍曹（アンソニー・マッキー）オーウェン・エルドリッジ技術兵（ブライアン・ジェラティ）らと共に出動する。ジェームズは防護服をまとうと一人目的地へ向かう。サポートに当たる軍曹らが怪しい人物を見つけ、無線でジェームズに戻るように指示するが、ジェームズは応答しない。ジェームズは爆弾を仕掛けた奴らが爆破するよりも前に爆弾の解体を終え、戻ってくる。
　まるで死に対する恐怖心がないかのようなジェームズの行動は勇敢なヒーローなのか、それとも無謀なだけなのか。ジェームズはこれまでに多くの爆弾を処理してきており、将軍から真のヒーローだと絶賛されるが、一緒に仕事をするサンボーン軍曹やエルドリッジはジェームズはいつもひやひや。彼への不満と不安をつのらせる。
　ジェームズは基地の近くにDVDを売りに来る老人を手伝ってる少年と仲良くなる。いつもサッカーボールを手にするその少年に「ベッカム」とあだ名をつけ、時折DVDを買ってやる。
　そんな時、怪しい施設を見つけ、その探索を命じられたジェームズら。今日は患者もなく仕事がないいからと、この日はケンブリッジ軍医（クリスチャン・カマルゴ）も同行することになる。ジェームズらが施設の中を調べている間、軍医は外で民間人が近づかないように見張りをしている。ジェームズらが施設に入り中を調べるが、そこはなんと人間の中に爆弾を仕込む、人間爆弾を作る施設だった。そこにはお腹の中に爆弾を仕込まれている最中に死んでしまったベッカム少年の遺体が置かれていた。上からの指示でその爆弾を遺体ごと爆破するように言われたが、ジェームズは遺体ごと爆破をすることが出来ずに、爆弾の解体を行う。一方、外では爆弾魔からの攻撃が始まっており、エルドリッジの目の前で爆発が起こる。エルドリッジが周囲を調べるが軍医の姿はなく彼のヘルメットが転がっているだけだった。
　翌日、DVD売りの老人は現れたが、少年は現れなかった。いてもたってもいられないジェームズは老人にベッカムの家まで案内させるが、数日後少年は再び基地の前に現れ人間爆弾の少年はベッカムではなかったことに気がつく。
　ブラボー中隊の任務完了まであと２日。基地ではもうすぐ帰れるという浮かれ気分の中、また任務が入った。今度は民間人が体に爆弾を仕掛けられ、街中に現れたのだ。彼の爆弾をはずすには４つの鍵を壊さなければならないが、時間は残り少ない。ジェームズとサンボーンらは彼を助けるため時間ぎりぎりまで解体に当たる。しかし残り２分の段階でまだ１つしか鍵を壊せていない。二人は解体をあきらめてその男性を置き去りにする。爆風で飛ばされるジェームズだが、幸い彼にケガはなかった。
　とうとう任務が終わってアメリカに帰る兵士ら。ジェームズも妻の元へと帰るが、どうもしっくり来ない。自分の居場所を見出せないのだ。そしてジェームズは自分の居場所へと戻るため、新しい任務に志願する。

●感想、思ったこと（ネタバレあり）

　中継映像のように始まる序盤。ドキュメンタリーのような感じでハラハラします。イラク人の携帯電話は爆発させるためのものなのか、それともただの民間人なのか。爆発するのかしないのか。ハラハラ、ドキドキ、緊張が走るその横で、「ガサガサ」、「むしゃむしゃ」コンビニ袋からおにぎりをとりだして食べる音が。「ビニール袋の中味を10秒以上探り続ける人」などを劇場から追い出せる「ブロードウェイのうるさい客一掃計画」というのをダニエル・ラドクリフが（冗談で）提唱していますが、全くその通りだと思います。
　で、今度はジェームズが着任し、またも爆弾の解体。ここでも今度はどうなるんだろう？爆発するの？と先ほど以上に緊張が走る、その斜め前で「グー、ガガガー。ZZZ。」今度は巨大ないびきが。耐えかねて後ろから座席を蹴飛ばすと一瞬は静かになるんですが、また数分後に同じことが繰り返される始末。まったく。近年まれにみぬほどストレスがたまる映画です。（映画が悪いんじゃないけれど。）
　で、話を映画に戻しますが、この緊張感はさすがアカデミー賞ものですが、あんまりおもしろくないんです。ストーリーとしては戦争下のストレスにさらされ、異常な精神状態になってしまう兵士らを描いた作品ですが、アメリカを正当化するというか、アメリカが行う戦争を擁護するというか、そんな風にしか見えないんですよね。もうちょっとイラクについても触れて、本当の意味での社会派映画にしてくれればもっとおもしろかったと思うのですが。

観て良かった度：●●●○○ ３点　最低１点、最高５点

• ハート・ロッカー公式サイト
  
• ハート・ロッカー DVD(2010/09/02発売予定)
  
• キャスリン ビグロー（監督）
  
• ジェレミー・レナー(ウィリアム・ジェームズ二等兵 役)
  
• アンソニー・マッキー(J.T.サンボーン軍曹 役)
  
• ブライアン・ジェラティ(オーウェン・エルドリッジ技術兵 役)
  
• レイフ・ファインズ(請負チームリーダー 役)
  
• ガイ・ピアース(マット・トンプソン軍曹 役)
  
• デヴィッド・モース(リード大佐 役)
  
• エヴァンジェリン・リリー(コニー・ジェームズ 役)
  
• ガイ・ピアース(マシュー・トンプソン二等軍曹 役)
  
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Comments

[別冊編集人]

TB恐縮です♪ずいぶん話題になりましたね～受賞作の影響は大きい。

[よしな]

別冊編集人さん、こんばんは。
アカデミー賞を受賞したというのは見た後、ブログを書いている時に知りました。逆にアカデミー賞を受賞したから日本でも上映されたという感じなんですね。