映画:ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない



 なんでも友達の弟の会社がブラック会社っぽいらしい。そんなわけで見るつもりはなかったのですが、身近にそう言う人がいるんだと思うとちょっと気になり、ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれないを観てきました。


●ストーリー(ネタバレあり)
 有楽町前、1人の男性が横断歩道で倒れる。名前は大根田真男(小池徹平)、26歳。「・・・もう、限界だ。」
 何とか家に帰り着いた彼は、Bちゃんねるという掲示板に書込をはじめる。名前:マ男。スレタイ(スレッドのタイトル)は「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」。「この職業、マジやばすぎる。」早速興味を持った人たちが掲示板に現れる。通称マ男は、事の真相を綴りはじめる。

 今勤めている会社「黒井システム」。いじめで高校中退、8年間のニート生活。そんな彼を優しく見守ってくれたのは、母・佳子(朝加真由美)だった。「私たちが死んだあとどうするの?」という母の言葉に、マ男は「死ぬまでには働くよ!」と声を荒げる。母は真男がいつでも就職活動をはじめられるようにスーツを新調し、定期的にクリーニングにも出していた。この日も母はクリーニング屋からスーツを受け取り、帰って来る途中、交通事故にあって他界してしまう。
 母との約束を守れなかったマ男は亡き母を安心させるため、就職活動をはじめる。しかし中卒、ニートには社会は厳しかった。何十という会社に面接に行くが、すべて断られる。そんな時であった会社がこの黒井システムだ。社長(森本レオ)は真男の話を聞くと、「家で面倒をみよう。今日は帰ってお母さんに報告しておいで。」と優しく言う。
 ようやく就職できた真男が次の日出社すると、社長、リーダー役の阿部(品川祐)、井出(池田鉄洋)、藤田(田辺誠一)、そしてちょっとおかしな上原(中村靖日)、そして経理の瀬古(千葉雅子)らだった。社長がメールに“真男”と書くところを“マ男”と書いてしまったため、真男のあだ名はマ男に決定。みんな優しそうでこれならやっていけそうと思ったのもつかの間、社長が去った途端、みんなの態度が豹変。
 リーダーの阿部は「これを14時までに納品してこい!」しかし14時まで十数分しかない。「もう、時間ありませんよ。」と答えるマ男に阿部は「だったらさっさと言って来いやバカ!」と叱責。タクシーを飛ばしてなんとか間に合ったが、取引先からは「さっき、阿部さんからメールでいただきましたよ。」と言われる。帰ってきたマ男がタクシーの領収書を瀬古に渡すと、「こんなものは落ちませんよ。」とシュレッダーに入れられてしまう。
 しかも阿部は何も教えずOJT(On-the-Job Training)だと言っていきなり仕事を任せる。途方に暮れるマ男が、井出に助けを求めるとガンダムの台詞を引用し、意味のわからない返事。さらに阿部からは「井出の仕事の邪魔をするな、バカ!バカ!」と怒られる。上原は挙動不審な行動をとっている。瀬古は社長の愛人だという噂もある。定時で帰ろうとすると「定時なんてものはな、都市伝説だ!」と怒られる。「なんなんだ、この会社?!」
 唯一まともなのが藤田だった。藤田はマ男を優しく助ける。いろいろ彼に教えられてシステムを作っていくマ男だが、システムエラーが。デバッグしていくと阿部が作った部分だ。マ男はそれを報告すると、上原に責任を押しつける。次にやってきたのは井出がやる予定だったバッチができていない。すると「なければ、てめぇでやれ、バカ!」と怒られる。しかも阿部と井出は商談だと言って仕事も終わっていないのでキャバクラへと行ってしまう。
 自分でやるしかないと思ったマ男は納期の2週間、ほぼ徹夜状態で自分一人で仕上げてしまう。それが評価されて社長から次のリーダーをやるように言われる。マ男がリーダーになった途端、井出はマ男にごまをするようになった。当然おもしろくないのは阿部だ。阿部のいじめがエスカレートしそうなのを藤田が機転を利かせて回避。
 そんな時、派遣社員の中西(マイコ)がやって来た。そんな中西は藤田に惚れてしまう。しかもその恋は一直線過ぎるほど。藤田のことをいろいろ聞かれるマ男。
 そう言えば、人格も完璧で仕事もこなせる藤田さんがなんでこんな会社にいるんだろう?不思議に思い始めるマ男。

 ある日、大手システム会社から木村(田中圭)が転職してきた。なんであんな大手から、こんなピラミッドの底辺に弱小会社へ?みんなが不思議に思っていたが、木村はマ男にその胸の内を告白した。25歳の彼は30歳までに起業していたいと思っていた。しかしそれよりは弱小会社の頂点に立った方が近道だと考えたのだ。
 権力に取り憑かれた木村はプロジェクトリーダー見習いを引き受けるが、阿部を差し置いて商談をさっさと進めてしまう。納期は2週間。今までも納期が厳しい状況はたくさんあったが、今までになく厳しい。さすがの阿部もこれは無理だと良い、みんなから反感を買う木村。「ピラミッドの底辺である弱小会社は、客の要望が絶対です。」と阿部の言葉を引用する。
 そんな時、マ男の父親・真次(北見敏行)がガンで倒れる。しかも藤田がこのプロジェクトが終わったら黒井システムをやめるという。藤田はプログラマだった昔の恋人が過労で死んでしまった。司法試験を目指す藤田はそんな彼女のことを気にかけてやれなかったのが原因だと、彼女が置かれていた状況に自分の身を投じたのだ。しかし彼女の両親から弁護士事務所を紹介されたというのだ。そんな過去があったことを知らない藤田は、忙しさ、職場の仲間、そして彼がいたからこそやってこれたその藤田がいなくなること・・・。「・・・もう、限界だ。」
 そんな間男の怒りとやりきれない感情が爆発してしまい、会社に来なくなってしまう。

 それでも納期は刻一刻と近づき・・・。




●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 テンポよく進むストーリーで、飽きさせる部分もなくラストまで進んでいきますが、見終わったあとちょっと物足りない。ギャグ映画なのかシリアスなのかのコントラストがないんですね。ずっとギャグチックに描かれていて、最後にちょっとシリアスという描き方がベストだと思うんですが、ラストが物足りないですね。もったいない。
 この映画の佐藤祐市監督の以前の作品、キサラギは、ず~~っとギャグで来ていて、ラストでシリアスではないですが涙をそそるような完璧な展開(さらにその後に蛇足を付け足しのが惜しいのですが。)だっただけに、本作品はホントに惜しい。
 もう一つ惜しい点は、限界になったトリガーはなんだったのかに固執しすぎていること。実際の2ちゃんねるの書き込みはそこに焦点が当てられていたのかも知れませんが、この映画を見ている人は別にそこにこだわっていない(こだわりたがるような見せ方になっていない)んです。だから藤田の過去を知っても「ふ~ん」で終わってしまう。
 佐藤祐市だけに期待していたのですが、調味料1つ入れ忘れた感じで、ほんのちょっと物足りない映画でした。

 ちなみにうちの会社は残業が出来ない仕組みになっています。退室記録が残業時間よりも一定時間以上遅いと次の日怒られるんです。残業してはいけない日とかもあります。だから残業時間はそれほど多くないんですが、残業時間が減っても仕事量が減るわけではありません。残業時間が減る前に比べて肉体的疲労は少ないんですが、納期に間に合わせないと!という精神的疲労が増えました。。。



観て良かった度:●●●●○ 4点 最低1点、最高5点






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この記事へのコメント

masya
2009年12月27日 08:07
この作品の監督が実は自分と同じ高校を卒業し、しかも隣のクラスにいたことを知ったのは「キサラギ」のエンドロールに見覚えのある名前を見つけてチョッと探してみたときです。TVの番組制作をしているとは聞いてたのですが、大変びっくりしました。
この作品、2時間枠のドラマでなら面白かったかもしれません。正直、自分には面白さが感じられませんでした。
対比に無理があるかもしれませんが、チョッと前にやった劇団ひとりの原作映画のほうが面白かったです。「電車男」の二番煎じを狙ったのかなあ?
2009年12月28日 01:04
masyaさん、こんばんは。
へぇ~。隣のクラスとはすごい奇遇ですね。ビックリです。確かに2時間ドラマで充分な感じですね。ヒットするとそれと同じようなのが出てきて、それがあんまりおもしろくないというパターンが多いですが悪い風潮ですよね~。
2010年12月13日 20:57
TB有難うございました。
デスマーチなんて分かる人は共感できます。
IT業界で毎日泣きながら働いていますが
こんなの常識です・・・痛いほど分かります。

今度訪れた際には、ブログ記事の冒頭に、
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☆が5つ並んでいますが、その☆の1つ目~5つ目の
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