映画:カイジ ~人生逆転ゲーム~
と言うわけで、今年60本目の映画はカイジ ~人生逆転ゲーム~でした。 |
●ストーリー(ネタバレあり)
26歳の伊藤カイジ(藤原竜也)は定職にも就かず、コンビニのバイトを適当にして、その日暮らしをしている若者だ。ある日、前から歩いてくるカップルの女性が「あの人、私の胸を見てる。きも~い。」と言い、高級車に乗って去っていく。苛立ちを隠せないカイジは駐車場に止めてあった高級車を蹴って憂さを晴らす。しかし、そのうちの1台には人が乗っており、カイジはそのまま連れて行かれる。
連れて行かれた先は、消費者金融。そこの社長の遠藤凛子(天海祐希)に、カイジが保証人になった友人が借金の返済をせずに逃げ出したというのだ。その借金の額は利子がふくらみ、200万円以上に。「払いませんよ。」というカイジに、甘ったれるな!と渇を入れる凛子。
その日暮らしのカイジがじたばた抵抗をしていると凛子は「一夜にして借金をチャラにするどころか、大金を手にするチャンスがある。」という。人生をやり直せるチャンスだと説得され、カイジは凛子に感謝するようにすらなってしまう。
数時間後指定された船に向かうカイジ。その船の名は「エスポワール号」。日本語で「希望」という名の船だ。
船に乗ると、カイジのように借金を抱えた男たちがたくさん乗っていた。負け組のオーラで包まれる船内。そんな時、帝愛グループの幹部の利根川(香川照之)が入ってきた。彼の言葉によるとここでゲームをすると言う。ゲームに参加するのに必要な星3つを300万円で買う。金のない者は1分1%の複利でゲーム主催者が貸すという。30分後に星は同じ値段で主催者が買い戻す。参加者はグー・チョキ・パーの書かれた合計12枚のカードを使ってじゃんけんをする。勝てば相手から星をもらえ、負ければ相手に星を渡さなければならない。使ったカードは回収される。30分後に手元のカードを使い切って星を3つ以上残していることが条件。星がなくなったものはその場でドロップアウトとなり恐怖の別室へと連れて行かれる。
負けたらどうなるんだ?の質問に利根川は「お前たちは人生の負け組だ。ここでも負けるような奴は俺は知らん!」と答える。そしてゲームは有無を言わさず開始される。
たった数分で別室に連れて行かれる人もいる中、カイジはどうすればよいのか途方にくれる。そんな時、船井(山本太郎)と名乗る男が名案があるとカイジに持ちかける。それは12枚、全部あいこにすればよいのだ。なるほどと感心するカイジは船井とじゃんけんを始める。同じカードを出してあいこを繰り返す二人だが、10回目で船井が勝ってしまう。「ごめんごめん。まちがえてもうた。次はこれな。」という船井だが、次も船井が勝ってしまう。カイジは残りのカードが1枚。しかも残りのカードは船井にばらされてしまう。「こいつのカードはチョキやで。」しかし、周りの人は「俺たちをはめようとしているだろ!」と船井のことを信用しない。それどころか、誰もが自分のカードが周りの人に見られていると疑心暗鬼になってしまう。そこで船井は「みんなのカードをシャッフルしよう!」と言い出す。
一方、残りのカードをトイレに捨てようとした男性がいた。彼の名は石田(光石研)。カイジは船井を倒すために石田と共謀する。
カイジは船井を倒すことに成功し、星を奪い返した。あとは石田のカードをカイジが半分もらい、お互いにあいこにして無事にカードを使い果たせば終わりのはずだった。ところが石田のポケットにもう1枚カードが残っていた。石田は別室に連れて行かれようとする時、「そのカードは二人のカードだ!」とカイジもまた別室に連れて行かれることを選択する。
別室に連れて行かれた者たちは、借金を返すために何十年もの間の強制労働が待ち構えていた。カイジもそこで穴掘りをさせられるが、給料は帝愛グループが作ろうとするユートピアでしか使えない紙幣だった。しかもここで怪我や病気になるとこのお金で薬を買うしかない。働けなくなった者はまたどこかに連れて行かれてしまう。
ここで知り合った佐原(松山ケンイチ)も肺をやられて働けなくなってしまう。カイジは佐原と一緒にまたどこかへと連れて行かれる。目隠しをされた一行はエレベーターで上に連れて行かれていることを知り、外に出られると期待する。しかし目隠しがはずされたそこは、高層ビルの屋上だった。利根川によれば、幅10cm程度の鉄骨を隣のビルまで渡りきれば、1000万円の賞金を出すという。知能も体力もないお前らが大金を手に入れるためには命を犠牲にするしかないだろという利根川にみんなは反発するが、カイジは挑戦するという。それに感化されてみんなも挑戦することにする。
しかし途中雨も降り始め、一人ひとり落ちていく。残ったのはカイジと佐原と石田のオッサンの3人。石田はカイジに自分の話をする。自分の作った借金のせいで子供や妻は出ていき、娘もパチンコ屋でアルバイトする生活。何とか借金を返して娘にこの金を渡したい。でも、もう一歩も動けないと、カイジに1000万円の引き替えチケットを託す。「自分で手渡せよ。」と言うカイジが後ろを振り向くと、もうすでに石田の姿はなかった。カイジに動揺を与えまいと声一つ出さずに落ちていったのだ。
カイジはなんとしても向こうにたどり着かなければならない。雷も鳴る雨の中、カイジと佐原はなんとかもう一つのビルまでたどり着くことができた。扉を開けようとする佐原を違和感を感じたカイジがやめさせようとするが、時すでに遅し。佐原が扉を開けると外とビルの中の気圧の差で突風が吹き、佐原は吹き飛ばされてしまう。
一人部屋の中に入るカイジ。1,000万を手渡そうとする利根川の部下だが、カイジは石田のチケットの分の2,000万円を要求する。しかし死んだ奴のチケットなど知らんという利根川。その代わり、その1,000万をかけて勝負し、増やせばよいと言う。
その勝負はEカード。一方は王様のカード1枚と市民のカード4枚。もう一方は奴隷のカード1枚と市民のカード4枚。市民と奴隷では市民が勝ち、市民と王様では王様の勝ち、しかし奴隷は王様に勝つことができる。奴隷を選んだ者はカードを1枚だし、次に王様を選んだ者がカードを1枚出す。当然王様を選んだ者の方が有利だが、奴隷を選んで勝てばレートは10倍となる。
1,000万を手にしたものの借金分を惹かれたカイジにとって掛け金はごくわずか。カイジが石田の分をあわせた2,000万円を手にするためには奴隷を選ぶしかなかった。
3回戦のこのゲームだが、相手の心が読めるという利根川にカイジは1度も勝つことができなかった。また強制労働に戻されるカイジだったが、自分がカードを出すあいだ利根川はカイジの顔も自分のカードも見ていなかったことばかり気にしていた。そうか、自分に打ち込まれたICチップから脈拍などを読み、勝負に出るかどうか調べていたのか。
はなからいかさまだった勝負に負けたカイジは悔しがるが、遠藤を説得し、彼女から借金をして再度利根川と勝負することにする。カイジは気が狂ったように見せかけ、鏡に自分の頭を打ち続ける。頭から血を流したカイジからもう脈拍など正常に読み取ることはできない。カイジは利根川といかさま無しの勝負に出る。
●感想、思ったこと(ネタバレあり)
原作はおもしろいと聞かされ観に行ってきました。が、映画は微妙ですね。退屈はしない映画ですが、2時間ドラマでいいんじゃない?ラストの天海祐希の行動も読めるし。そもそも負け組でやる気のなかったカイジが船でいきなり良い奴になるのもよくわかりません。船に乗り込む前のカイジはどちらかというと自己中に描かれていたのに、自分の人生を棒に振るかも知れないのに石田のオッサンと一緒に別室に連れて行かれようとするのに。自分も行ったからって救えるわけでもないのに。
キャストで言うと藤原竜也と香川照之の演技は最高ですね~。天海祐希は、良い演技とかダメだったとか判断できるほどの露出じゃないし、そもそもそれほど難しい役じゃないし。総じて、キャストの演技は結構よかったと思いますが、やはり心情の変化などを描き切れていない、そして頭脳戦もライアーゲームほどではないので、おもしろかったぁ!というレベルにはほど遠い映画でした。デスノートでは二人とも頭脳戦でかっこよかったのに、今回は大した頭脳戦でもないしねぇ~。原作がよかったというのできっと脚本がダメなんでしょうかね。おかしいところもたくさんあって、じゃんけんゲームでは「冒頭述べたルールがすべてです。」と言っておきながら、暴力で奪ったらダメとか、カードを捨てちゃダメとか、あとからルールが言われたりしています。そもそも1分1%の利子がつくなら、30分後に404万円になっているはずなので、星を3個残して終わったら104万円分借金が増えてます。それなのに3個残せばいいんだってどっからそんな話になっているんだか。
鉄骨のシーンも、鉄骨に高圧電流が流れていても、手をついても感電しないはずです。電車の電線に鳥が止まっても感電しないのと一緒で、体内にを流れるよりも鉄骨の方が電気抵抗が何千倍も低いので体内を流れる電流はごくわずかだからです。雨が降ってきて表面が濡れたらどうなるかわからないけれど・・・。外とビル内の気圧差だって、佐原が吹き飛ばされたら急に風やんじゃうし。
他局ですが、ライアーゲームのシーズン2も始まりましたし、その序章?っていう感じの映画でしたね~。ライアーゲームも映画版が作られるそうですし、どうなるのか。。。
観て良かった度:●●●○○ 3点 最低1点、最高5点 |
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- 佐藤東弥(監督)
- 福本伸行(原作)
- 藤原竜也(伊藤カイジ 役)
- 天海祐希(遠藤凛子 役)
- 香川照之(利根川幸雄 役)
- 山本太郎(船井譲二 役)
- 光石研(石田光司 役)
- 松尾スズキ(大槻太郎(班長) 役)
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