映画：20世紀少年＜最終章＞ぼくらの旗

3部作もいよいよ佳境。遅くなっちゃいましたが20世紀少年＜最終章＞ぼくらの旗を観てきました。 第1章の記事はこちら。 第2章の記事はこちら。

●ストーリー（ネタバレそこそこあり）

　ともだち歴3年(西暦2017年)、“ともだち”は世界大統領として君臨していた。
　西暦2015年、スーツケースを持ったサラリーマンがウイルスを世界中にまき散らし、それ以降東京はそびえ立つ壁によって隔離されていた。壁の内側の東京では夜間の外出は禁止され、庶民の暮らしはまるで昭和40年代であった。
　そんな中、ともだちは8月20日、人類は宇宙人による未知のウイルスによって滅ばされる。私を信じる者だけが救われると説いていた。
　一方、反政府組織“ゲンジ一派”を率いるヨシツネ（香川照之）のもとから独立したカンナ（平愛梨）は、より過激な武装集団“氷の女王一派”を組織していた。カンナらは放送終了後のテレビを電波ジャックし、8月20日の武装蜂起を歓喜していた。
　海ほたる刑務所から脱獄したショーグンことオッチョ（豊川悦司）は地球防衛軍に追われているところを、磯野サナエ（福田麻由子）と弟のカツオに救われる。サナエたちの親はともだちのことを怪しいと発言したため地球防衛軍に拉致されてしまったのだ。オッチョはサナエの家でカンナが氷の女王として組織を率いており、武装蜂起を呼びかけていることを知る。彼女のみを案じたオッチョはカンナのもとへと向かう。
　カンナに会ったオッチョは、ケンヂ（唐沢寿明）が生きているかも知れないと告げるが信じないカンナに、ラジオで流れるケンヂの曲を聴かせる。

　国民的歌手である春波夫（古田新太）のマネージャーであるマルオ（石塚英彦）は、行方不明となっていたケンヂの姉・キリコ（黒木瞳）の消息を突き止める。彼女は同窓会以降失踪していたケロヨン（宮迫博之）と東村山市にいたのだ。彼女は8月20日にともだちがばらまくウイルスのワクチンを開発しようとしていた。マルオが駆けつけた時にはそのワクチンはほぼ完成。キリコは人体での効果を確認するためそのワクチンを自分に打ち、恐ろしいウイルスを吸い込んでいた。このウイルスの潜伏期間は12時間。「12時間後に私が死ねばともだちの勝ち。私が生きれば人類の勝ち。」と言う。激しい副作用に見舞われながらも12時間後、キリコは生き抜いた。
　その頃、東京に入るための関所を超えようとしていた男がいる。矢吹丈と名乗る男は「俺は会いに行く、カンナに。」と言う。“死のおおみそか”以降、あの大爆発で記憶を失っていたケンヂだ。ケンヂは蝶野（藤木直人）の言うことを聞かず、漫画家に偽造手形を作らせ東京へと入っていく。
　そんな時、ともだちはある声明を出す。8月20日、殺人ウイルスを撒くのは宇宙人ではなく自分であると。人々はともだちが人類の味方なのか、それとも敵なのか困惑する。
　氷の女王であるカンナが地球防衛軍に捕まる。カンナはともだちのもとへと連れて行かれるが、隙を見てともだちに拳銃を突き付けたカンナは絶好を言い渡される。実の娘なのに。カンナはともだちから逃げ出すが、友達が言っていた、万博会場は守るという言葉を思い出し、ともだちは万博会場にはウイルスを撒かないのではないかと考え、みんなを万博会場に集める策を考える。その頃、都民にはケンジの歌が流行っていた。カンナはそれを利用して音楽フェスティバルを開く計画を思いつく。
　いよいよ8月20日。フェスティバル会場には多くの民衆が押し寄せた。しかし、万博会場に集まらなかった人々は、ともだちが作らせた２機の円盤がばらまくウイルスによって殺されていった。一機はオッチョが打ち落とすが、２機目は13番（ARATA）が、ヘリで突っ込み破壊する。しかし中性子爆弾を載せた二足歩行のロボットは新宿へと向かう。それに侵入したのはあのケンジだ。ケンジはロボットのバランスを崩して行く手を止めることに成功する。ロボットから脱出した検事の前に現れたのはともだちだった。今、ともだちの正体が明らかになる。

●感想、思ったこと（ネタバレそこそこあり）

　第２章から原作と変わってきており、本作の３章はどうなるのか。。。原作とは違うあの人がともだちなんですね～。見終わった直後は、それほど原作と違ってないじゃんと思ったのですが、よくよく考えるとカンナの父親も違うと言うことですし、大胆な変更ですね。
　個人的には小泉響子（木南晴夏）ちゃんの出番がほとんどなくって残念でした。原作では後半でもいろいろと活躍してくれるのに、映画ではほとんど台詞がない。もっと日の目を見させてあげてぇ～～！
　ストーリー的に無理があるのがウイルス。前々からあんなに潜伏期間の短いウイルスは意味がないと説明してきましたが、最新のウイルスの潜伏期間は12時間と言っておきながらUFOからまき散らしたウイルスを吸った人々は数秒で血を吐いて死んでしまう。この矛盾はあり得ないです。
　スーダ-ラー♪と歌うエンドロールが終わってからも約10分くらいのストーリーがあります。正直言うとこの10分弱が歯切れの悪い元凶だと思いますが、見ましょうね。
　どうも３部作を通していろいろと解決はしましたが、長いわりに出てこないエピソードも多く、神様やボーリングのエピソードも中途半端で説明不足。エロイムエッサイムズなんて、ライブでしか出てこないので原作を知らない人はまったくわからないでしょうね。どうも歯切れの悪い映画でした。
　キャストはすっごく豪華で一言しか喋らないような脇役に田中律子（UFOから逃げる人）、高嶋政伸、田村淳（両、地球防衛軍）などなど。無駄にキャストが豪華です。ただし、子役の脇役はまだ演技や台詞が不自然ですが。
　まぁ、とりあえず３部作が完結し一息つきました。映画館では見逃したり確認できなかったことも多いので、DVDをレンタルして一気見でもしたいです。

観て良かった度：●●●○○ ３点　最低１点、最高５点

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• 浦沢直樹(原作)
  
• 堤幸彦(監督)
  
• 平愛梨(遠藤カンナ 役)
  
• 木南晴夏(小泉響子 役)
  
• 唐沢寿明(遠藤健児・ケンヂ 役)
  
• 黒木瞳(遠藤貴理子・キリコ 役)
  
• 豊川悦司(落合長治・オッチョ 役)
  
• 常盤貴子(瀬戸口雪路・ユキジ 役)
  
• 香川照之(皆本剛・ヨシツネ 役)
  
• 石塚英彦(丸尾道浩・マルオ 役)
  
• 宇梶剛士(子門真明・モンちゃん 役)
  
• ユースケ・サンタマリア(佐田清志・サダキヨ 役)
  
• 古田新太(春波夫 役)
  
• 小日向文世(山根昭夫・ヤマネ 役)
  
• 佐々木蔵之介(服部哲也・フクベエ 役)
  
• 佐野史郎(ヤン坊・マー坊 役)
  
• 山寺宏一(今野裕一・コンチ 役)
  
• 石橋蓮司(万丈目胤舟 役)
  
• 小池栄子(高須 役)
  
• 森山未來(漫画家 角田 役)
  
• 中村嘉葎雄(神様 役)
  
• 六平直政(仁谷神父 役)
  
• 藤木直人(蝶野 役)
  
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Comments

[masya]

歌唱シーンのある映画は苦手です。「NANA」のようにプロが演じているなら別ですが。
３部作最終章という事で、結構楽しみにしてましたが、長い上映時間の割には「消化不良」の感は否めません。
結論、全て（？）の謎は解け、すっきりするのです。が、一人一人の人物描写が希薄で、物足りないのです。
個人的希望としては、ＴＶシリーズに焼き直して、毎週ドキドキさせて欲しいなと・・・。
それでも、特撮は技術的に文句なく、「日本のレベル」誇ってもいいかと。
科学特捜隊の「流星バッジ」や実在の国民的歌手に著作ってないのでしょうか？
謎の多い映画でした。

それでも、☆印は5個のうち4個は点けてもいいんじゃないでしょうか。

[よしな]

masyaさん、こんばんは。
確かに歌は微妙でしたね(笑)
エキストラの数と昭和時代の東京の上空に近未来型飛行船(?)という異色の取り合わせの特撮とかはすごいですよね～。
あの時代、僕の世代よりもちょっと上なので科学特捜隊とか知らないのですが、春波夫とか磯野カツオとか、リアルなんだけどパロっているところもあるのがおもしろいですね。海外でも人気だそうですが、そう言うところはどう訳されているんでしょうかね。