映画:MW -ムウ-
●ストーリー(ネタバレあり)
16年前、沖之真船島で、一夜にして島民全員が虐殺されるという事件が発生する。ところが奇跡的に助かった少年、2人がいた。そしてこの事件はある大物政治家によって闇に葬られ、真相を追っていた新聞記者は交通事故で死亡してしまっていた。
そして現代、タイで日本の建設会社の役員・岡﨑(中村育二)の娘が何ものかに誘拐される事件が発生する。日本との友好関係を築きたいタイの警察はこの事件を全力で捜査する。日本からも沢木刑事(石橋凌)らが応援に駆けつけた。彼らの必死の捜査にもかかわらず、犯人は見事逃げだし、身代金1億を奪っていった。
犯人に出し抜かれた沢木はバンコク警察に戻るが、そこで出会ったのは一億の身代金を提供したというLA新世紀銀行の結城(玉木宏)だった。結城は紙幣の番号を控えたリストを手渡すために銀行に訪れたが、沢木は刑事の勘で結城が犯人ではないかとにらむ。
岡﨑は娘が監禁されている現場へと向かうが、そこにいたのは犯人である結城と娘。娘はお金欲しさに結城と共謀していたのだ。しかし結城は娘を殺し、岡﨑にも銃口を向ける。「考えたんだよ。娘の前で父親を殺すのと、父親の前で娘を殺すのとどちらがおもしろいかってね。間違ってなかったよ。」そう言うと結城は父親をも殺害してしまう。東京に戻った結城は教会へと向かう。賀来神父(山田孝之)は結城の犯罪の片棒をかついでいたが、これ以上犯行を続けるのをやめさせたいと思っていた。16年前、賀来と結城は16年前の沖之真船島の生き残りの少年だった。賀来はその時結城に命を救われ、それが原因で毒ガスを吸ってしまいその後遺症に悩まされていたのだ。それを知っている賀来は結城の犯行を止められないでいた。
しかし賀来は結城が寝たのを見計らって彼を殺そうとナイフを手にするもののそれができないでいた。そんな彼は警察に電話をする。それを察知した結城は話を聞きに来た沢木の部下である橘刑事(林康文)を拉致してある仕掛けをする。遅れて橘に話しに来た賀来が体を縛られ口をふさがれた橘を発見する。賀来は橘の口に撒かれたテープを取るとそれが引き金となり橘の頸動脈が切れてしまう。
賀来は結城の犯罪を止めその魂を救おうとするが、毎回結城に翻弄され自らも犯罪に荷担してしまいその度に懺悔を繰り返す。そんな二人は唯一の島の生き残り。固い絆で結ばれていた。
一方、東京中央新聞の記者である牧野(石田ゆり子)はあるスクープをものにしていた。それは今回の被害者である岡﨑が裏金を作っているというのだ。しかし世論は岡﨑に同情を寄せていた。そこにこんな記事を書けば世論からたたかれる可能性があると編集長は判断し、牧野の記事を没にしてしまう。
悔しがる牧野だが、別の殺人事件の被害者と岡﨑の共通点を偶然知ることになる。それは二人とも沖之真船島出身だと言うことだ。この事件には何か裏がある。そうにらんだ牧野は部下の溝畑(山本裕典)と一緒に沖之真船島のことを調べ始める。結城はLA新世紀銀行の東京支社へと出勤する。隣では山下本部長(半海一晃)が電話をしていた。その電話は望月大臣(品川徹)とその秘書(鶴見辰吾)からの電話で、金の無心だと察知した結城は、岡﨑の隠し金を使って記録は消去すれば誰にもわからないと進言する。山下本部長は結城のその提案を呑むことにする。
ある日、結城と賀来の前に牧野が現れる。16年前の事故を調べていたベテラン記者の手帳を見つけた牧野はその手帳に書いてあった二人の少年結城と賀来のことを知ったのだ。そしてその手帳には“MW”という単語が綴られていた。
事件の鍵を握るそのMWとは、某国と日本が開発した化学兵器だった。その兵器は沖之真船島で研究されていたが、16年前それが外に漏れてしまう。情報が外部に漏れることを危惧した政府は島民全員を殺害するという暴挙に出たのだ。それを指示したのが望月大臣だ。結城は島民の虐殺と隠蔽に荷担した人物に復讐していたのだ。
そんなことを知らない牧野は賀来と結城と3人で無人島となった沖之真船島に向かう。その手帳を頼りに今でもMWが保管されているという島の湖に向かう。MWは水に濡れると無毒化するため、もし漏れ出しても水の中ならば安全なのだ。結城は潜ってMWを探すが、容器は空だった。しかもそこには探知機や監視カメラが仕込まれていた。数分後にはヘリが出動し、彼らを追う。牧野はヘリの銃撃に倒れ、賀来と結城は二人ボートで戻る。これ以上の犯行をやめようという賀来を東京湾に落とし一人寄港する結城。結城は手帳から東京基地に今でもMWが眠っていることを突き止め、基地に侵入する。
一方、なんとか陸まで泳いで戻った賀来は警察に電話をし、一部始終を告白する。ところがすでにその頃には結城は教会に併設される養護施設の子ども達と世話をしている美香(山下リオ)を人質に基地に侵入し、MWを奪っていた。
結城は自分を、親を、島民を殺害したMWを奪って飛行機で逃亡を図る。一方その飛行機には警察の協力で賀来が忍び込んでいた。結城を説得しようとする賀来だが、結城はMWを国外に売りさばこうとしていた。
見かねた賀来はMWを抱きしめ飛行機から飛び降りてしまう。それを確認した某国の攻撃機がその飛行機を爆撃してしまう。
数日後、沢木刑事のもとに結城から電話が入ってくる。。。
●感想、思ったこと(ネタバレあり)
結構評判の良い映画ですが、ちょっと微妙。ストーリーはとてもおもしろく釘付けなんですが、どうも映画としてみるとしっくり来ません。
まず、結城と沢木との捕り物劇ですが、それまで公衆電話や携帯電話を駆使して警察を欺いたりと念入りに計画しているのに、リネンシュートから金の入った鞄を落として素直にリネン室に犯人が現れるわけないじゃん。って思っていたら案の定・・・。それまでの部分もスリルがないんですよね。
山田孝之は好きな俳優の一人ですが、彼の魅力を全然引き出し切れていない。賀来神父の苦悩や葛藤などが全然伝わってこない。
無駄に長い追いかけっこを見せられるより、生き残った子ども二人が生きていくのって苦労していると思うんです。だからこそ二人の絆が築かれたんだと思うんです。そう言うのを見せてくれないと二人の絆に感情移入しませんって。
基地への侵入だって、結城一人ならともかく子ども達を連れてどうやって侵入するって言うんだ。某国の基地、警備薄すぎ。最後のシーンだってパラシュートで脱出したらそれは将軍じゃなくて普通は犯人って考えると思うのだが。。。
湖に潜るのにあんなレギュレーターを用意しているのにフィンも用意していないって不自然ですし、その他にも詰めが甘い部分とかもたくさんあります。
ストーリー的には良かったですが、脚本や監督が力不足だったかなぁという気がします。ネットでの評判はかなり良いのですが、僕的にはちょっと期待したほどではなかったという印象で、残念でした。
観て良かった度:●●●○○ 3点 最低1点、最高5点 |
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- MW -ムウ-公式サイト
- MW‐ムウ‐DVD(2009/11/06発売予定)
- MW -ムウ- 第0章 ~悪)魔のゲーム~DVD(2009/10/23発売予定)
- 手塚治虫(原作)
- MW (文庫)
- MW (コミック)
- オリジナル・サウンドトラック「MW(ムウ)」
- 岩本仁志(監督)
- 玉木宏(結城美智雄 役)
- 山田孝之(賀来神父 役)
- 石田ゆり子(新聞記者・牧野 役)
- 石橋凌(沢木刑事 役)
- 山本裕典(新聞記者・溝畑 役)
- 風間トオル(新聞記者・三田 役)
- 品川徹(望月大臣 役)
- 鶴見辰吾(松尾 望月大臣秘書 役)
- 山下リオ(美香(教会の少女) 役)
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この記事へのコメント
ホモセクシャルな雰囲気プンプンの原作と比べて何か中途半端な、説得力に欠ける映画になってしまったなあと感じました。
公開日前にTV版も観ましたが、自分は劇場版より夢中になりましたよ。
全体的にテンポが今ひとつで、ちょっと疲れて劇場を後にしました。
期待度が高かっただけに、残念。(ベンジャミン・バトンと同じくらい気落ちしました。)☆、2つかな。
テレビ版(?)は観てないんですよ。最近テレビはほとんど見ていません。最近の若い人は僕以上にテレビを観ていないという話ですし、2011年にデジタル化されても2021年にはテレビ放送自体があるかが危ういんじゃないかと考えてしまいます。
MWが公開される前からmasyaさんはMWを楽しみにしているコメントをいただいていたと思いますが、ちょっと期待はずれだったみたいで残念でしたね。