映画:余命1ヶ月の花嫁



 公開直後くらいまでは大感動と評判の余命1ヶ月の花嫁を観てきました。


●ストーリー(ネタバレあり)
 2007年4月5日、都内で一組のカップルが結婚式を挙げた。一見するとどこにでもいるような幸せそうな新郎と新婦だった。

 あるイベントでやきもきする赤須太郎。手配したコンパニオンが来ないのだ。上司の奥野(田口トモロヲ)から、白地に赤い線が入ったコンパニオンを捜してくるように言われ、探しに出かける。そこに現れたのはイベントコンパニオンの長島千恵(榮倉奈々々)だ。「原稿は覚えてきた?」という太郎に千恵は「はい。」と答える。早速リハーサルを行うが、奥野は「なんかおかしくねぇか?いや、おかしいだろ!」そう、そのコンパニオンは違う会社のコンパニオンだったのだ。太郎は奥野から怒られるが、隣で同じように遅刻して怒られている千恵を見て、クスッと笑う。
 なんとかイベントも終わり太郎が帰ろうとすると、帰りのバスで千恵と一緒になる。それがきっかけで二人は何度かデートを重ねた。そして太郎は意を決して交際を申し込む。悩んだ末、千恵は断るが、「そうか、俺一人で舞い上がっていたんだね。」と言うが、千恵も太郎のことが好きだった。千恵は乳がんと診断されていたからだ。一度は断ったものの、交際をスタートし始める。
 二人は一緒に暮らし始めるが、ある朝、太郎が千恵の髪が抜けていることに気がつく。「薬の所為よ。」と答える千恵。それがきっかけとなり、千恵は太郎に自分の病気のことを告白する。胸を切除しなければならないことも。そして一方的に別れを告げると家を飛び出していった。

 納得のいかない太郎は千恵の実家に向かう。しかし父親の貞士(柄本明)は、探さないでやって欲しいと言う。太郎は自分の父親の敏郎(大杉漣)や母親からも「かわいそうだからつきあうのか?千恵さんを傷つけるだけだ」と反対される。
 しかし太郎はどうしても千恵のことが忘れられないでいた。二人で話した屋久島のことを思い出し、太郎は千恵を探しに屋久島に向かった。千恵は手術も成功し、一人屋久島の自然を満喫し、太郎が好きだという首折れ鯖を味わっていた。そんな時、自分を探しに来た太郎と再会する。
 「オッパイのない彼女でいいの?」と自分の胸を見せる千恵。「胸がなくても髪がなくても、千恵が千恵であればいい」と答える太郎。「じゃあ、私も変わらないように頑張る。」太郎の愛が本物であることを知った千恵。二人は再びつきあうことにする。

 しかし数ヶ月後、つらい事実が明らかになる。千恵のガンが再発したのだ。激しい痛みと闘いながら、治ると信じて治療に励む千恵。献身的に看病する貞士や千恵の叔母の加代子(手塚理美)、そして病院で寝泊まりして看病する太郎。そして励ましに来る千恵の友人の花子(安田美沙子)たち。
 一方、千恵は花子らに頼んでテレビ局に取材してもらうように手配した。「自分のことをさらけ出すことになる。あることないこと言われるんだぞ!」と千恵の決断に納得できない太郎。しかし、「もっと早く体の異変に気がついて診察を受けていればこんなことにならなかったかも知れないんだよ。若い人の乳がんの情報ってほとんどないんだよ。自分のことを知って、他の人が乳がんに対する理解をするようになればいい。」と千恵も本気だ。その言葉に動かされて太郎も協力することになる。
 テレビ局のディレクターの岡田(津田寛治)から手渡されたビデオカメラを持って太郎は千恵を撮る。「昼間は何しているの?」「う~~ん。生きてる。」そう答える千恵。「生きてるのって奇跡だよね。いろんな人に支えられて生きてるんだよね。
私これで元気になれたらすごい人間になれると思う」「こんな都会の空気でも、風って気持ちいいの。知ってる?」千恵の言葉が記録されていく。

 献身的な看病の甲斐なく千恵の病状は重くなる一方。そして主治医からは「覚悟していて下さい。」と言われる。その意味にうすうす気がつきながらも貞士は「どういう意味ですか?私たちにわかるように言ってください。」と詰め寄る。「千恵さんのガンはすでに胸膜、肺そして骨にまで転移しています。持ってあと1ヶ月です。」泣き崩れる3人。貞士は、太郎に「千恵には内緒にしておきたい。」と頼む。
 その翌日、いつものようにビデオを持って千恵を撮る太郎。「今日は体調いいみたいだね。」「うん。抗がん剤を休んでいる所為かな。」抗がん剤の投与はやめられ、代わりにモルヒネが投与され始めたからだ。

 太郎は花子にあるお願いを言う。「千恵にウェディングドレスを着せてやりたいんだ。」「ありがとう。それ千恵の一番の願い事だったんだよ。」花子は式場をあたり太郎に報告する。「一ヶ月後にとれたよ。」しかし太郎は答える。「それじゃ間に合わないんだ。」花子は千恵に残された時間がないことを知らされた。千恵は都内の式場を片っ端から当たりなおし、ちょうどキャンセルのあった青山の教会を手配する。

 当日、ウェディングドレスをまとい、太郎と写真を撮る千恵。「まだ泣いちゃダメだよ。お化粧が台無しになっちゃう。」という花子に対して、「いいよ。もう写真も撮ったし。」と答える千恵。しかし本番はこれからだった。千恵には内緒で写真だけでなく結婚式も準備してくれていたのだ。反対していた太郎の両親の姿もそこにはあった。
 貞士と一緒にバージンロードをゆっくりだけど力強く歩く千恵。それを待つ太郎。太郎が準備してくれた指輪は、千恵と太郎との初めてのデートで千恵が見とれていた指輪だった。「覚えてくれていたんだ。」と喜ぶ千恵。

 2007年4月5日、都内で一組のカップルが結婚式を挙げた。一見するとどこにでもいるような幸せそうな新郎と新婦だった。

 そして5月6日、千恵は千恵を愛するみんなに看取られて天に召されていった。





●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 前半は全然感動する場面もなく、これがすごく感動したと評判の映画なのかなぁ?って思っていたのですが、結婚式のシーンではやっぱり感動しちゃいますね。近くにいた方は後半はずっと泣いているようでした。
 ところがgoo映画ではgooユーザーの評価は100点中26点と相当低い。ところがネットでの評判は5点中4.2とかなり高め。他のブロガーの感想を読むとやっぱり開きがある。もちろんどんな映画でも良いという人もいれば駄作という人もいる。しかしこの映画はその差があまりにも大きすぎるんです。
 実はこの映画のモデルとなった長島千恵はAV女優だったとか、ドキュメンタリーを作ったTBSのやらせとか、余命2ヵ月の花嫁のパクリだ!という情報が出回っているからです。このブログの他の記事にもそういう記事のトラックバックがやたらと来たりしています。
 点数の低い人の意見としては「命の尊さを伝えるという建前で、金に群がるハイエナたちが作った映画。(千恵さんからは勇気をいただきました)」とか、やはりそう言う情報を読んだ(読んでしまった)上での感想が多く、またそう言った情報が広まる前に書かれたと思う古いコメントは絶賛する声が多いです。つまりこういった情報にだいぶ左右されてしまった結果なのでしょう。
 映画の中で太郎が、あることないこと言われてマスコミの餌食になることを危惧しているシーンがありましたが、まったくそれが現実になってしまった形となってしまいました。
 個人的には、映画を楽しむ上でノンフィクションかフィクションかはあまり関係ないので、映画を観て楽しければ(あるいは感動できれば)良いので、事実がどうだろうと5段階評価で3点をつけました。満点じゃなかった理由としては、やはり前半ですね。前半がかなり冗長。特に髪の毛が抜けたことで太郎に病気がばれてしまいますが、それまでの千恵の心の中の葛藤が全然描かれてていなかったことです。太郎に告白しようかずっと悩んで苦しんでいたはずなのに・・・。これで-1点。
 そしてもう一つが主役の2人の演技が微妙。特に前半の榮倉奈々は、ちょっとね~~。柄本明の演技だけが光ってました。特に病院で瑛太とケーキを食べるシーンはよかったですね。
 と言うわけで、上述の情報に流されない点数として僕は3点でした。(いい人の点数と悪い人の点数の真ん中をとったわけではありません。)

 千恵さんが小学生4年生の時に母親を卵巣がんで亡くしてると言うことはだいたい35歳前後と言うことですよね。そして千恵さんが23歳(?)の時にガンが出てしまっているので、おそらく千恵さんのガンは遺伝的要因が強い。もちろんガンになりやすい遺伝子を持っていてもそれが発現しなければ発病はしないわけですが、いくら早期発見しても発病してしまったら少なからず覚悟が必要と思われます。ガン患者さんや近くにガン患者を持つ人がこれを読んだら起こるかもしれませんが、統計的に見ると事実のようです。

 このブログには広告を載せていますが、その広告収入(アフィリエイト収入)から3,000円を、がんの知識の普及、啓発や、がん検診によるがん予防運動財団法人 日本対がん協会に寄付いたしました。
 最初は、乳癌の撲滅、検診の早期受診を啓蒙・推進するために行われる世界規模のキャンペーンのピンクリボン運動を日本で展開するJ. POSHに寄付をしようと思ったのですがやめました。と言うのはNPO法人ではあるものの厳しい審査を受けた特定公益増進法人ではなく、会計報告など具体的な活動実績が書かれていなかったので、みなさんの協力で得られました大切なお金を寄付できるほど信用できなかったためです。
 こうした寄付ができるのも当ブログに来ていただいている皆様のおかげです。ありがとうございます。



観て良かった度:●●●○○ 3点 最低1点、最高5点










この記事へのコメント

masya
2009年06月25日 19:56
寄付活動、ごくろうさまです。
人が死んでいく様を淡々と描くドキュメンタリーをもっとわかりやすく、フィクションを交えて演出していくという事だけで、この手の作品は目的を果たしていると評価してあげたいです。
消して不治の病ではない癌。作品の内容より、キャンペーンというより乳癌撲滅の為のキャラバンといってもいいような大々的なプロモーションが印象的です。
「東京タワー」での樹木希林のような癌に苦しむ特上の演技を榮倉奈々に求めるのはチョッとかわいそう。
ドキュメントも観ました。我々はまだまだ、知らない事が多いのだという事ですね。
2009年06月26日 07:42
masyaさん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
今や日本人の3人に1人はがんになる時代ですからね。もし早く検診して早期発見でき、助かる命が少しでも増えるならこうした映画は成功といえるでしょうね。プロモーション的な役割というのでしょうか。
東京タワーは樹木希林がほんとに痛々しかったですよね~。こちらの作品はハイキーな感じで結婚式をきれいに演出していました。
癌を題材にした映画やドラマは多いですが、本作はちょっと場慣れしているというか、こなれているというか、特徴が少なかったように思います。それがちょっと残念でした。

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