美術館:ルーブル美術館展 @ 国立西洋美術館




 昨年行われていた巨匠ピカソ展(その時の記事はこちら。)に行って以来、ちょっと美術館巡りが楽しくなったよしなです。今回は上野の国立西洋美術館でやっているルーブル美術館展に行ってきました。

 見に行った日はとても天気も良く、温かく・・・。桜は終盤であまり咲いてはいませんでしたが、上野公園ではまだ花見をしている人たちも多かったですし、国立博物館でやっている大恐竜展をはじめ多くの企画展がやっていたり上野動物園なども込んでいて、上野全体がかなりの人、人、人。ルーブル美術館展もチケットを買うのに並んで、入るのにも並ぶ始末。今回は事前にチケットを買っていたのでチケット購入のためには並びませんでしたが。。。
 入るのに約10分並んで、ようやく中に入ると、これまた人、人、人。巨匠ピカソ展の時は一般公開日ではない日に行ったので比較的すいていましたが、フェルメール展(その時の記事はこちら。)の時は満員電車の中で鑑賞しているかのような状態。今回のルーブル美術館展も同じような状態です。

 71点前作品リストはこちらです。


 ルーブル美術館の作品の来日は過去何度かありますが、今回は規模が違うそうです。今回71点のうち、60点が初来日。しかもそのうち30点は初めてルーブル美術館から外に貸し出された作品だそうです。右上のチラシに使われているフェルメールの“レースを編む女”も初来日なんだそうです。

 71点の展示は時代や国別、あるいは作者別で区切るのではなく、17世紀を「黄金の世紀」とその影の領域旅行と「科学革命」「聖人の世紀」、古代の継承者?という3つのテーマに分けて展示しています。美術鑑賞素人の僕としてはテーマは同じでも、描き方や筆タッチなどの全く違う作品が隣同士に並べられるとちょっと見づらい印象でしたが。



2) フランス・プルビュス(子)
《マリー・ド・メディシスの肖像》
 入ってまず最初に目につくのがNo.2の右の作品。(No1.の“川から救われるモーセ”は、進行方向の左にあるので、まず最初に目につくのは進行方向真っ正面のこの作品なんです。)ルイ13世の母ですが、絵なのにホントに宝石がちりばめられているかのような輝きを放っています。息子であるルイ13世と政治的な確執で戦争状態になり、後に一時的に和解した時の絵だそうで、それ故、タイトルが“明暗”なんですね。
 ところで作者に“(子)”と書かれているのは何なんでしょう?父親と同じ名前なんですかね?



4) ピエール・ミニャール
《ド・ブロワ嬢と推定される少女の肖像》
 少女の右下の犬がとても愛らしい表情。もちろん今にも動き出しそうな感じ。
 この作品で気になるのがタイトル。タイトルって作者がつけているのかと思ったのですが、“推定される”ってタイトルに入っていると言うことは、作者本人がつけているというわけではないんでしょうか。後に誰かがつけているんですかね?



15) ル・ナン兄弟
《農民の家族》
 家族そろっているのに、みんな表情が暗いんです。悲しいことがあったのかなぁ。と想像させられる一枚でした。
 解説はこちら



20) 17世紀フランドル派
《襲撃》
 一件明るくのどかな森の絵かと思いきや、タイトルを見ると“襲撃”となっています。よく見ると右下に山賊?に襲われている人たちがいるんです。どうしてこういう絵を描こうと思ったんだろうか。

21) ペドロ・ヌーニェス・デ・ビリャビセンシオ
《ムール貝を食べる少年たち》
 二人の少年が港(?)でムール貝をむしゃむしゃ食べている絵。ムール貝って生で食べると貝毒にあたるんじゃなかったっけ?



24) ヤン・ステーン
《家族の陽気な食事》
 タイトルどおりみんなが陽気に食事をしている絵。左下の犬の毛並みもとても絵とは思えないくらい。温かみのある良い絵だと思っていたら、右下で母乳をあげているお母さんにちょっかいを出す男性が!なんか、雰囲気壊している感じで、最悪。。。

45) ヘリット・ダウ
《歯を抜く男》
 タイトルどおり、歯を抜く男と、歯を抜かれる男の絵です。絵がどうのこうのと言うより、何でこんな場面を書こうと思ったのか作者の意図が知りたいと思った1枚。





52, 53) カルロ・ドルチ
《受胎告知 天使》《受胎告知 聖母》
 受胎告知とはキリスト教の聖典に書かれたエピソードの1つで、処女マリアに天使・ガブリエルが精霊によってイエスを身ごもったことを告げる出来事だそうです。と言うことは左がガブリエルで右がマリアなんでしょうか。ちなみに青はマリアの省庁の色なんですって(隣で見ていた男性が彼女に教えていました。)
 この2枚は今回の1番のお気に入りで、絵はがきを買っちゃいました。



57) ヘンドリック・ファン・ステーンウェイク
《聖堂の内部》
 とても緻密な絵です。この絵自体もすばらしいのですが、絵に描かれた絵がまたおもしろい。聖堂を描いてからその上に人物を描いたのか、人物が幽霊のように透き通っているのが気になる。。。



59) バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
《6人の人物の前に現れる無原罪の聖母》
 これもお気に入りの1枚。絵はがきを買おうとしたのですが、絵はがきになると急に迫力がなくてつまらない絵に見えてしまったので買うのはやめました。
 解説はこちら


 約2時間の芸術の世界。名画と言われる作品は、絵画についてよくわからない素人の僕でも、うまく表現できませんが何か引きつけられるものがありますね~。
 にしても、今回の展示はフェルメール展や巨匠ピカソ展に比べて作品の解説がほとんどないので、例えば71) ペドロの涙 にしてもなぜ涙を流しているのかとか、なぜ頭蓋骨を描く作品が多いのかとか、素人にはわからないことだらけ。不親切な展示だったと思います。作品集を買えということなのかも知れませんが。。。(なぜ涙を流しているのかは、公式ページに解説がありました。こちら。)

 やっぱり日常ではこういった作品を観る機会というのがないので、たまには良いですね~。

p.s.
 今回の展示の半券で、常設展も鑑賞できます。僕は疲れてしまったので行きませんでしたが。国立西洋美術館の常設展も、かなり見応えがある作品が多いそうなので、またの機会に行こうかと思います。










この記事へのコメント

2009年04月12日 23:42
こんばんは。TBありがとうございます。
ルーヴル美術館展というと、必ず行ってしまいます。ルーヴルは何回となく行っているのですが(フランスが好きなもんで)、いつも有名な作品をめぐるだけで終わってしまうので、テーマを決めて展覧会をやってくれるのは大変ありがたいのです。
今回は、「レースを編む女」目当てで行ったのですが、17世紀という切り口がおもしろかったです。新の方でやってるルーヴル展も是非行きたいです。
2009年04月14日 02:19
nocciさん、コメントありがとうございます。
へぇ~、本家ルーブル美術館に何回も行かれているんですか。いいですね~。うらやましいです。
ルーブル美術館は作品数が膨大なので確かに全部見ることはできないので、焦点を絞って展示していると見やすいのかもしれませんね。
僕がルーブルに行くのはもう少し勉強してからかな。

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