映画：2009年初映画は 地球が静止する日

2009年、劇場での第１作目は地球が静止する日でした。と言っても、2008年公開映画ですけどね～。 　ホントは2008年中に観たかったけど、年賀状書きで時間を作れなかったもので。。。

●ストーリー（ネタバレあり）

　1928年、雪山に登山中の男（キアヌ・リーヴス）のテントの近くに光の玉が現れた。調べに行ったその男は、光に飲まれ気を失ってしまう。しばらくして気がついたその男は無事だった。手に傷を負った以外は。
　現代。プリンストン大学で宇宙生物学を研究するヘレン（ジェニファー・コネリー）は仕事を終え、帰宅する。義理の息子であるジェイコブ（ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス）は、父親を失ってから義理の母であるヘレンとの関係もギクシャクしている。この日もテレビゲームをやってばかりだ。ヘレンはどうすれば母と子の関係を築けるのか悩んでいる。
　そんな時、FBIが突然やってくる。国家の危機とだけ告げられ訳もわからないままヘレンは連れて行かれる。車で移動中、FBIに理由を問うが、国家の危機という以外は我々も告げられていないと言われる。ヘレンの乗る車、警備のための白バイ以外の車はいない。ヘレンを連れて行くために道を封鎖したと言われ、ヘレンも事の重大性を認識し始める。
　ヘレンが連れて行かれたのは軍の士官学校。極秘の基地として使われていたこの施設は、カメラや携帯電話の持ち込みは禁止されている。しかしヘレンは残してきたジェイコブのことが気がかりで、こっそり携帯電話を持ち込む。
　多数の科学者が集められ、知らされたのは物体が地球に近づいていると言うこと。当初の計算では他の天体の重力で地球をそれると思われていたが、重力の影響を受けずに秒速3万kmという速さで接近している。このまま行けば数十分後にマンハッタンに衝突する。もしその速度で衝突すれば人類は生き残れない。
　ヘレンはトイレの個室に入り、持ち込んだ携帯電話でジェイコブに電話をする。「今夜大きな嵐が来るの。地下室に避難してね。」少しでも愛するジェイコブの声を聞いていたいヘレンだが、ジェイコブは食事中で上の空。ヘレンが電話を終え個室から出てくると、底には軍人が立っていた。「携帯電話ですか？」ヘレンは小さな声で「はい」と答えると、「お願いです。貸してください。」と泣きながら頼まれる。

　人類は遊撃もできないままその時間を向かえる。ところが衝突の衝撃は起こらない。ヘレンらが窓から覗くと、その物体は速度を落とし、公園に着陸をした。ヘレンらもそこに向かい、防護服を着てその光の物体に近づく。武装した兵らはその物体を包囲をする。その時、その光の玉から宇宙人らしい生物が出てきた。その時、１人の兵士が発砲。宇宙人は倒れてしまう。
　すると光の玉から巨大ロボット“ゴート”が出現。超音波のようなものを発すると、人々は苦しみはじめ、兵器は無力化されてしまう。そんな時、ヘレンが倒れた宇宙人に近寄り、救護を求める。宇宙人は軍の施設へ運ばれすぐに手術が施された。
　外皮以外は人類と似ている。皮膚、筋肉、血管、骨に至るまで。訳がわからないまま手術は続けられる。手術が終わる頃には外皮は自然とはがれていた。科学者はこれは一種のバイオスーツなのではないかと考える。
　やがて宇宙人は意識を取り戻す。すっかり人間と区別がつかなくなった彼はクラトゥ（キアヌ・リーヴス）と名乗った。
　早速クラトゥは尋問を受けるが、ヘレンの手助けと能力を使って逃げ出す。クラトゥは連れて行って欲しい場所があるとヘレンに依頼する。ヘレンはジェイコブを連れその場所に向かうと、そこはマクドナルドだった。そこには青年が老人を連れてきており、その老人に用があったのだ。クラトゥは70年も前に地球の調査にやってきた仲間であるその老人から調査報告を聞く。
　その老人は、人間は破壊的な生物で変わることもできない生物だと告げる。この言葉はクラトゥにある決心をさせた。しかし老人はこう付け加える。矛盾するようだが人間が好きだという。この地球に送られてきたことは不幸だと思ったが、もうここが自分の故郷だという。

　次に向かったのは森の中。マンハッタンに舞い降りた光の玉の小さいものがあるのだ。その玉にクラトゥが近づくとあらゆる生物がその玉に向かって集まってきた。人間を除いて。この光の玉は世界各国に散らばっていた。
　クラトゥはヘレンに地球を救いに来たと告げる。そう、人類を滅ぼして地球を救うという意味だ。
　警察に見つかった一行は、ノーベル賞受賞者のバーンハート博士（ジョン・クリーズ）のもとに向かう。
　ここでバーンハート博士はクラトゥと話をする。クラトゥたちは自分たちの星が汚染されて住めなくなってからそれに対応できるように進化したという。人類も今このままではいけない時がついたばかり。これから変わっていけると彼を説得しようとする。クラトゥもそれに耳を傾け始めた。そしてクラトゥはかかっていたバッハの音色の美しさに感動する。
　しかしその時３機のヘリがこちらに向かってくるのが見えた。怖くなったジェイコブが通報したのだ。森の中を逃げるクラトゥ、ヘレン、ジェイコブだが、ヘレンはヘリに連れ去られてしまう。ジェイコブはクラトゥを恐れながらも、彼と話すうちに徐々に心を開いていく。

　一方、マンハッタンでは、例の光の玉とゴートを軍が攻撃していた。ところがゴートがその攻撃をすべて跳ね返していた。考えた軍は攻撃を辞め、ゴートを捕まえることにした。そして秘密施設に連れて行き分析を始める。シリコン骨格をしたそのロボットは、ダイヤモンドより硬く、機械と生物の中間のようなもの。人類の技術を遙かに超えていた。
　ゴートは次第に分裂し、無数の虫のようなものに変身していく。その虫は施設を抜け出し、砂嵐のように町を、人を襲う。

　軍の施設に連れて行かれたヘレンはレジーナ・ジャクソン国防長官（キャシー・ベイツ）に会う。彼女はクラトゥの目的を話し、唯一生き残る道はクラトゥを説得することだと告げる。国防長官はヘレンにクラトゥの説得を依頼する一方、私は大統領の決定に従うとヘレンに告げる。
　ヘレンは科学者仲間のイケル・グレイニア博士（ジョン・ハム）と共にクラトゥのもとに向かうが、ゴートが変身した虫たちはマンハッタンの街の破壊を始めていた。。。

●感想、思ったこと（ネタバレなし）

　何ともコメントしづらい映画です。これだけ派手に宣伝して観る人の期待を高めておきながら、えっ？こんなモン？っていう映画でした。
　原作は環境問題ではなく核の問題だったようですが、時代の流れか、リメイクの本作は環境問題に話は変わっています。それはそれで良いんですが、それだと“ドラえもん”の“さらばキー坊”というエピソードとかなり酷似。裏山の開発が加速し、せめて小さな木だけでも助けたいと植物自動化液を使うと、その木は動けるように。一方植物型宇宙人が地球の植物が絶滅するのを見ていられないと地球の植物を自分たちの星に移民させようとする。キー坊がその宇宙人を説得し、100年後さらに自然破壊されていたらもう一度やってくると猶予をもらう。このキー坊の言った言葉が、この映画のバーンハート博士の言葉とほとんど同じ。地球人はこのままではいけないと気がついたばかり。これから変われるんだと。
　マンガ一話とハリウッド映画とが同じ？？？！！！ちょっと許せませんね。
　最後のオチもあれだけ？と拍子抜けしたのは僕だけではないはず。

　ストーリーも考えてみるとよくわからないんです。1928年に現れたあの球体は何しに来たの？世界中に散らばっていた動物を集めるための球体だったのか？それともクラトゥのDNAを取りに来たのか？あのおじいさんは70年間人間と暮らしていたと言っていたので、クラトゥのDNAをもとに人間型宇宙人（あの老人）を作って10年後の1938年にやってきたと言うことでしょうか。まだ、人類の運命をジャッジしていないのに動物を集める球体を配置しなくても。。。もったいない。そもそもクラトゥもゴートも人間型になる必要はないのでは？
　で、２番の疑問点ですが、クラトゥたちは動物は球体に集めていたけど植物はどうするつもりだったんだろうか？

　１番の疑問は、地球静止しないじゃん！もし人類や都市が壊滅されても地球は静止しないですよね。そもそも静止したらそれこそ地球は生物が住める惑星じゃなくなっちゃうし。。。
　ところで地球の自転がもしホントに静止したら？地球の赤道の円周は約4万キロ。24時間かけて自転しているので時速1670km。もし時点が止まると慣性の法則で赤道上の物体は東に1670km/hの速さで飛んでいきます。東京でも1,350km/hの速さ。それも地平線に沿ってではなく、やや上空に向かって。もしそうなったら何が起こったのかわからないままみんな空を飛ぶんですね。それはそれですごい！

　なんか全然映画の感想じゃなくなってしまいましたね。それだけ感想が難しい映画だったと言うことで。l

観て良かった度：●●○○○　２点

• 地球が静止する日公式サイト
  
• 地球の静止する日(DVD)(本作ではなく、本作と似た名前の1951年の映画です) Blu-ray版はこちら
  
• 地球が静止する日 ノベライズ文庫
  
• 地球が静止する日 サウンドトラックCD(2008/01/21発売予定)
  
• スコット・デリクソン (監督)
  
• エドマンド・H・ノース(原案)
  
• キアヌ・リーヴス(クラトゥ 役)
  
• ジェニファー・コネリー(ヘレン 役)
  
• ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス(ジェイコブ 役)
  
• ジョン・クリーズ(バーンハート博士 役)
  
• ジョン・ハム(マイケル・グレイニア博士 役)
  
• キャシー・ベイツ(国防長官・レジーナ・ジャクソン 役)
  
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Comments

[K]

今年最初の映画がこれですかー。
私はキアヌ様舞台挨拶付きじゃなかったら見なかったかも？的な映画です。何が言いたいのか全然わかりませんでした。
> １番の疑問は、地球静止しないじゃん！
原題が「THE DAY THE EARTH STOOD STILL」なので、実際は「静止する」んじゃなくて「静止状態になる日」（＜＝「状態」なのであくまでも人間から見た状態）ということです。だからこれは邦題が紛らわしいのかも？？？？　いずれにしても私には理解困難な映画でした。
私の今年最初の映画は『永遠のこどもたち』。次は『ラース』と『ファニーゲーム』を観るつもりです！！

[inuneko]

物理的に静止する可能性に言及してる感想は他に無いように思います。素晴らしい。
惑星規模で自転速度の影響で「ヒトが飛ぶ」については伊藤潤二氏のコミック「妖星レミナ」（小学館）で壮大かつ壮絶に描かれていますので、あるいはご覧になると良いやも知れません。

[よしな]

●Ｋさん、こんばんは。
ザ・コアみたいに止まっちゃうのかと思いました。解説ありがとうございます。
また、試写会とか誘ってくださいね～。今年もよろしくお願いします。

●inunekoさん、コメントありがとうございます。
「地獄星レミナ」でしょうか？ちょっと検索してみたのですが、どのような内容なのかよくわからないけど、評判はいいようですね。機会があれば読んでみますね～。ご紹介ありがとうございました。

[jazzyoba0083]

あけましておめでとうございます。いつも楽しいコラムのＴＢ
ありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
それにしても、地球の自転が急停止すると、地表のありとあらゆるものが慣性の法則で時速１６００キロだかで、吹っ飛ぶというのは
面白いですね！　アメリカの息子にニュアンスを聞いたら
stood still というのは「孤独で」「一人ぼっちで」と捉えた
ほうがしっくりくる、と言っていました。では、また！

[よしな]

jazzyoba0083さん、コメントありがとうございます。
時速1600kmだと、飛行機の約２倍ですよね。確実に死にますね。

> 「孤独で」「一人ぼっちで」
ですか。それならば少ししっくり来ますね。いや～、みなさんのコメントって為になりますね。ありがとうございます。
そして今年もよろしくお願いします。

[エビマヨ丼]

新年明けましておめでとうございます。
昨年は沢山ＴＢ頂きましてありがとうございました
今年も宜しくお願いします

私も今年に入って初めての映画がこれです。
旦那と観に行ったのですが　２人とも観終わった後で
う～～～ん　となってしまいました

[よしな]

エビマヨ丼さん、コメントありがとうございます。
こちらこそ昨年はたくさんお世話になりました。ありがとうございます。
地球人にしてみればキアヌは余計なお世話だという感じがします。でも地球を救いに来るというのはある意味宇宙の国連の特使という感じもしないでもありません。と言うことは国連に介入される国が、余計なお世話だと感じる気持ちもなんとなく解るなぁと思いました。