節水型シャワーヘッド (アリアミスト) の効果は如何に?
エコグッズ売り場に行くと必ずと言って良いほどおいてある節水型のシャワーヘッド。東急ハンズに行くとものすごい数の製品があります。1,000円台で買えるものから2万円を超す高機能なものまで。機能で言うと、持つところに水を出したり止めたりするスイッチがあって、無駄流しをなくすだけのものから、塩素を取るというものや、マッサージ機能があるもの、マイクロバルブを発生させてボディソープがいらないというものまで。自分のシャワーにつくのかという心配もすると、何を買って良いのかさっぱりわからないというのが正直なところ。 そんな時、年末に東急ハンズでエコグッズの特集をやっていて、特にこの田中金属製作所のアリアミストはポイントが通常よりもつくということで、これを買ってみました。ちなみにパッケージには“有限会社”と書いてあったのですが、ネットで検索すると“株式会社”になっていました。調べてみると株式会社になったのは平成19年。最近なんですね。アリアミストが発売されたのは平成17年なので、それ以降パッケージを変更していないんですね。 アリアミストの特徴は、水の中に空気を取り入れることによって節水効果と地肌へのマッサージ効果そしてマイナスイオンを発生させることだそうです。 ちなみに、このアリアミストって、特許を取得しているんです。広告に「特許技術!」なんて大きく出しているところって、調べてみると特許出願しただけで特許を取得していない技術って言うのも多いんです。例えるなら、東京大学を受験しただけで、「俺は東大生だぜ!」と言っているようなもの。きちんと採点されて、合格して、入学金と授業料を払って初めて大学生になれるのと同様、特許庁の審査官に審査されて、登録査定という合格通知をもらって、登録料という入学金を払って初めて特許技術なんです。政治家がこれをやると学歴詐称で大変なことになるのに、商品、特に通販の商品には多いんですよね~。 で、このアリアミストの特許はきちんと特許を取得した本物。ただ、メインの技術は、空気を取り入れるシャワーヘッドなのではなく、シャワーを止めた時に空気を取り入れるところから水が漏れないようにするための技術でした。確かに止めたつもりでもぽたぽた水が垂れていたらホントに止めたのか気になりますが、空気を取り入れたシャワーヘッドというのは昔から存在していたようです。 |
ここで見てもらいたいのが、水の出る角度です。従来のシャワーヘッドに比べて下に出ています。購入する前は気にもしなかったのですが、壁に取り付けてシャワーを浴びようとした時に、壁に近寄らないとシャワーを浴びられないんです。これがまず不便に思った点、その1です。もちろんこの角度の違いは手に持って使っている時にも感じることですが、こちらはなれてくるとそれほど違和感は感じませんでした。 次に、一番の謳い文句である節水効果を見ることに。本来なら水圧と流量をきちんとグラフにするべきなのでしょうが、水圧計なんてありません。蛇口を一定に開いて7リットルの桶に溜まるのに何秒かかるかを測定しました。と、同時に節水効果があってもシャワーを浴びている感じが損なわれたら意味がないので、ジップロックに入れた重量計に10cm離れたところからシャワーを浴びさせてどのくらいの圧力がかかるかを測定してみました。ちなみに、最近のシャワーヘッドは最初から節水型がついている場合もあるので、比較としてシャワーヘッドを取り外してホースの状態でも測定してみました。 |
蛇口の開き具合 | シャワーヘッド | 流量 | 圧力 |
小 | なし | 52秒 | 16g |
従来 | 52秒 | 32g | |
アリアミスト | 52秒 | 27g | |
大 | なし | 23秒 | 23g |
従来 | 23秒 | 67g | |
アリアミスト | 25秒 | 84g |
※流量は約7Lの桶に溜まる時間です
※圧力は重量計が示した値です。(だから圧力というのは間違いですが)
※蛇口:小・・・シャワーとして浴びるにはイライラするくらい流量が少ない程度です。
※蛇口:大・・・シャワーとして浴びるには強すぎて痛いくらいの流量です。
この結果を見ると、メーカーが公表しているデータとは全く違う結果です。メーカーの結果では同じ水圧(つまり同じ蛇口の開き具合)ならば、従来のシャワーヘッドに比べて30~50%の節水効果があるとしていますが、水圧が低い場合にはまったく節水効果が得られず、しかも従来のシャワーヘッドに比べて圧力も下がっているという最悪の結果でした。
一方、水圧を高くした場合は、従来のシャワーヘッドに比べて8%の節水効果がありました。それでもメーカーの示す値にはほど遠いですが。しかし圧力は84gと従来のシャワーヘッドの67gに比べて26%も高くなっています。つまりアリアミストを使った時は、もう少し蛇口を閉じてもシャワーを浴びている満足感は従来のシャワーヘッドと同じ感じが得られると言うことでしょう。そうすれば節水効果もありそうです。ただし、弱めすぎると結果が逆転していますので何とも言えません。
つまり、最適な使い方を研究すれば節水効果は得られそうですが、メーカーが言うほど節水効果は期待できないのではないでしょうか。(これだけの実験ではわかりませんけどね。)
結論づけるとすると、節水型シャワーヘッドを使うことによって節水はしやすくなりそう。
でも、
(1)こまめに止める
(2)無駄に流量を多くしない
という、節約の基本を守った方が効果が大きそうです。
最後にマッサージ効果です。このマッサージ効果は肩こり、腰痛といったマッサージではなく、あくまでも皮膚や髪の毛に対しての効果でしょう。ここはかなり個人的な感覚になっちゃいますが、確かに気持ちよいような気もします。しかし、空気を取り込む音がうるさくて、結構それがストレスになります。特に頭を流している時は、シャワーヘッドの空気取り込み口と耳が近いのでうるさいです。それになんとなくスカスカする感じがします。
また、このアリアミストの場合、空気の取り入れ口から水が入ると使い終わったあとに中に溜まる可能性があります。ただの水なら良いのですが、シャンプーやトリートメントなどが中に入って溜まってしまうと、カビや細菌が繁殖する可能性があります。注意が必要ですね。
話は変わりまして、メーカーのアリアミストのページではマッサージ効果を、シャワーを浴びたあとの体温低下の差によって解説しています。しかしこの実験には問題があります。被験者Aさん、Bさんともに、測定前の画像は従来のシャワーヘッドもアリアミストの場合も同じ画像です。つまり実験手順が不明だと言うことです。測定前画像を測定し、従来のシャワーヘッドでシャワーを浴びて測定し、さらにアリアミストで浴びて測定した可能性があります。アリアミスト使用時の画像は2度シャワーを浴びたあとに測定した可能性があると言うことです。これに関しては私の想像の域を出ませんので何とも言えませんけどね。
ということで、シャワーヘッドを購入する時は、以下のことを注意して買いましょう。
(1) ホントに節水効果があるかは、使い方次第 の可能性が高い
(2) 脱塩素効果やマイクロバブルを謳ったものは重くて手が疲れる可能性
(3) 水の吹き出し口の角度
(4) 音がうるさくないか
という感じでしょうか。しかし、実際お店では水の吹き出し口の角度くらいしか確かめられないのが現状です。しかもこの手の商品ってネットで検索しても、ネットショッピングやその謳い文句をコピペしたブログばかり引っかかってきて、本当に使用感が書かれている記事が少ないのが現状です。自分にあったものを探すのは一苦労ですね。
この記事へのコメント
以前、私が2000円で買ったシャワーヘッドも、吐水量計測(旧ヘッドと新ヘッドにて、蛇口を同じ角度だけ回して、バケツを満タンにさせるために必要な秒数の測定。圧は計測していません。)で結果ではほぼ同じ秒数という結果を得ていたので、メーカーの言う「n%低減!」というのは信じがたいと思っていましたが、、、やはりですか。(今後、業界で、基準とするシャワーヘッドを決めるなりなんなりして欲しいですね。)
それに、吐水角度の記述も参考になりました。これもシャワーヘッド交換の時の重要なポイントですよね。ほとんどのメーカーがこれについても記述していないのはどうかと思います。
とにもかくにも、節水は自分の心がけが効果的そうですね。マッサージにくわえ、一時止水機能のあるものを選ぶようにします。ありがとうございました。
吐水角度は、僕もシャワーヘッドを買う前は全く気にしていなかったので、「やられた~!」って感じでした。
最近はホームセンターに行っても以前よりシャワーヘッドのコーナーは大々的にやっていないようですね。
使ったことないですが、節水だけ考えると手元で水を出したり止めたりする機能の物が良いのかなと思います。マッサージの効果はさすがに使ってみないとわからないですものね~。
せいじさんも新しいのを買ったらぜひまたコメントしてください。それでは♪
買ったのはKAKUDAIの止水シャワヘッド(356-701プッシュオフシャワ)。定価2520円が、ケイヨーデイツーで1280円と格安(通常価格のようです)。マッサージなし。よしなさんの意見も参考に、止水をまず導入し、マッサージ機能などは今後じっくりと、と判断しました。(奥さんからは、マッサージはないの?と言われましたが^^;)
止水機能は良好です。内側のボタンを押せば水が止まり、背面から押し返せば水が出ます(軽い力で十分)
突起の位置もちょうど良く、ヘッドを握った親指の周辺にあります。
また、止水中は機器保護のためにチョロ吐水するのですが、そのおかげで、お風呂を出るときに、蛇口本体側での閉め忘れもありません。(チョロ吐水は1分200mlですので、節水に逆行するほど出るわけではなく、止水機能による節水量の方が十分大きいかと。)
吐水角度については、KVKのSTシャワヘッドからの変更ですが、よしなさんと同じように、吐水角が5度ほど下がったでしょうか。買うときも気をつけたのですが、今までより半歩、壁に近寄って浴びています。
シャワーの広がり?もKVKとほぼ同等。これで1280円なら満足です。
マッサージ機能のついた2本目は、夏に向けてこれから探します。いいのが見つかればまたレポしますね。ありがとうございました。
確かに奥様(女性?)はマッサージ機能は欲しがりそうですよね。本文にも書きましたが、マッサージ効果はあるかも知れませんが肩こりが治るとかそう言う機能ではないので、正直効果はわかりづらいかも知れません。もちろん節水効果と同様マッサージ効果というのも商品価値の一つなので否定はしませんが。
角度はちょっと手前に落ちる感じでしょうか。壁に近寄ると洗っている最中に肘を壁にぶつけちゃったりするんですよね~。慣れでしょうけどね。
マッサージ機能のついた、奥様も満足いただけるシャワーヘッドが見つかると良いですね♪その時はぜひまたコメントをいただけると嬉しいです。m(_ _)m
以下環境
水栓 :2バルブ 本体側一時止水付き
ヘッド:普通の
給湯器:20号ふろ給湯器(リンナイ)
ここ10年くらいの各社給湯器には、出湯量を測定する流量センサーが付いています。
リンナイの場合はメンテモニター(温度↓を押しながら運転sw)の04番の項目が出湯量[単位は100ml]なので、それを見ながら実際の出湯量を確認。
以下結果。
1.ヘッド無し 148~150(約15l/分)
2.普通のヘッド 139~142(約14l/分)
3.アリアミスト 101~103(約10l/分)
元のヘッドの状態からすると約73%の出湯量になってます。
水とお湯で違うのか?とも思ったのですが、水でやってもほぼ同様の結果でした。
個人的にはアリアミストのシャワーの使い勝手はネック角度も含めてあまり好きじゃないですが(今はもう慣れましたが)、でも節水効果に関しては期待できるかと思います。水だけじゃなくて、湯にするためのガスや電気代にも効きますし。
最近の給湯器には流量センサーがついているのですか。それは知りませんでした。残念ながらうちはノーリツなのでやり方は違うと思いますが。とおりすがりさんの実験によると、かなりの節水効果がありますね。
情報ありがとうございました。m(_ _)m
節水効果はかなりありました。たしかに音は大きくなりましたが・・・・。 でも水道料金が浮くので、全然OKです。
節水シャワーは水が出る部分が小さいといいますが、よしなごとさんは、前から使っているものも節水タイプだったんじゃないですか?
そう思って元からついているシャワーヘッドを調べたのですが、節水型ではなかったんですよ。この記事を書いてから、アリアミストを使ったら節水になったと言うコメントをいただいたりしています。うちでは残念な結果でしたが、実際に効果があるという方も多いので嬉しく思います。
アリアミスとの節水効果が気になり、実際に装置を作って同時に水を流し比べてみました。
節水ノズルが1・2・3の三種類あったので3番の一番節約効果が高いノズルで検証してみました。
20リットルの水槽に同時にため始めたところ、見事に通常シャワーの半分の量になりましたよ!
水圧などの関係で多少の誤差は出るのでしょうが勢いも弱まらずビックリでした。
1週間ほどで音も気にならなくなり快適に使用しています
古い記事を読んでくださってありがとうございます。
他の方のコメントも読むと、うちは浴室を7年前くらいに作ったのですが、すでにその時のシャワーヘッドが節水型だったのではないかと思えてきました。工務店の人は何も言っていなかったし、作った年代からして節水型だとは夢にも思っていなかったので、ご迷惑をかけてしまった記事になってしまったかも知れません。申し訳ございません。
音は、そうですね。しばらく使っていると慣れてきますが、未だに角度が鋭角過ぎるのは慣れません(汗)