映画:252-生存者あり-
今年、77本目です。これが2008年のトリかなぁ?あと3本行きたいけど、それはきっと無理でしょうが、あと1本くらいは観たいです。でも年賀状書かなきゃ・・・。(汗) |
●ストーリー(ネタバレあり)
世界で自然災害に対してもっとも危険な都市と言われる東京。その東京で震度5の地震が発生した。数日たって、首都圏は平穏を取り戻していた。
もとハイパーレスキューの篠原祐司(伊藤英明)の一家にもその平穏は訪れていた。もうすぐ耳が不自由な娘・しおり(大森絢音)の7歳の誕生日なのだ。「何か不思議なものが欲しい」と祐司におねだりするしおり。それを温かい目で見守る妻・由美(桜井幸子)。
ところが、東京から南に約1,000km。小笠原近海では大量のメタンハイドレートが噴き出す。これが原因で海温が急上昇。このままでは史上最大規模の台風が発生する。そう予想していたのは気象庁の海野(香椎由宇)は課長(西村雅彦)は、もっと正確な予測をしろと言い残して外出する。翌日、しおりの誕生日プレゼントを買うために祐司は銀座のデパートに向かう。その後、しおりと由美と待ち合わせをして食事をするためだ。祐司が買い物を終えてデパートから出てくると、空模様がおかしい。すると突然ゴルフボール級の雹(ひょう) が降り始めた。その雹はデパートの窓ガラスを破壊し、無惨にも通行人にも降り注いできた。人々は建物の中に、そして地下鉄の駅に避難する。
さらに災害は襲う。東京湾から押し寄せた高潮が銀座を襲う。
由美としおりのいる地下鉄新橋駅にもその高潮が押し寄せてきた。パニックに巻き込まれた由美としおりは離ればなれになってしまう。祐司は由美の電話で新橋に向かう。そして地下鉄の中からしおりがホームに1人うずくまっているのを見つける。地下鉄を降りた祐司はしおりを捜すが、次の瞬間、轟音と共に新橋駅は崩壊してしまう。由美はなんとか避難することができたが、しおりや祐司は鉄砲水と崩落に巻き込まれてしまう。
意識を取り戻した祐司は生存者を捜す。1人の男性が生存していた。彼の名は重村(山田孝之)文句を言いながらも一緒に生存者を捜す。そして祐司はしおりと彼女を助けてくれた韓国人ホステスのキム・スミン(MIMJI)を発見する。しかしスミンは血を流し、意識を失っている。祐司は骨折した腕に添え木をするなど応急処置をするが、内臓も損傷している。
新橋駅の入口は完全に崩壊。祐司たちはトンネルを通って出口を探すことにする。トンネルを歩いていると轟音が鳴り響く。祐司が後ろを振り向くと2度目の鉄砲水が押し寄せてきた。祐司は側道の扉を開けると、大阪で中小企業を経営する藤井(木村祐一)が出てきた。「よかったぁ」と叫ぶ藤井の声を遮り、中に避難する一行。祐司が鉄砲水の押し寄せる方を向くと、他の生存者が走って逃げてくる。「急げ!振り返るな!」と叫ぶ祐司だが、彼らの走る速さよりも鉄砲水の方が断然速い。祐司はなくなく扉を閉める。
祐司がブレーカーを入れるとあたりは明るくなった。そこには古い地下鉄が一両放置されていた。藤井が壁の文字を読む。「橋新?」ここは昔使われていたが今は使われなくなった旧新橋駅。
祐司は鉄パイプを拾って柱を叩くように指示する。2回、5回、2回。“252”それは「生存者あり」のサインだ。手がボロボロになりながらも来るかわからない救助隊に向かってサインを送り続ける藤井。しかしスミンの容体が悪化。急いで輸血が必要だ。
藤井の会社は家庭用水槽の浄化装置を開発していた。大事そうに持っている鞄には3千万円の開発費を投じた試作品が入っている。その中にはキレート剤が入っていた。EDTAは抗凝固剤として使える。輸血ができる。重村は研修医だった。しかし、開業医として一生懸命働いてきた父親は訴えられてしまった。ここでは応急処置しかできないからあとで大きな病院に行くようにと伝えた患者はそのまま放置し、それが原因で死亡したのだ。父親は訴えられたことにショックを受け、鬱状態になってしまった。それが原因で重村は医者として働くことに疑問を持ち、研修医をやめてしまったのだ。
そんな重村はこんな状態での輸血は無理だと主張。ここで事故があったとしても誰にも責められない。ここでやらなければ彼女は死んでしまう。重村はみんなに説得され、輸血を行う。地上では、祐司の兄、静間(内野聖陽)が率いるハイパーレスキュー隊が救出捜査活動を行っていた。しかし海野と同じく気象庁の津田沼(温水洋一)は、史上最大規模の台風が上陸することを予報し、ホテルで指揮をとっているハイパーレスキューの詰め所に、今すぐ捜索を打ち切るように直談判に来た。ハイパーレスキューの捜索は打ち切られた。このホテルに避難してきた由美は絶望に駆られる。
ハイパーレスキューの隊員からも、救助を待っている人がいるのにここで捜索を打ち切って良いのか。疑問の声が漏れる。「それは、おまえには家族がいないからだ。」「じゃあ、家族が救助を求めていても打ち切れますか?!」そんな会話が聞こえてくるところに静間が戻ってくる。自分の弟が行方不明なのに救助に向かえない静間。彼はかつて、火事の現場で仲間を置き去りにして逃げてきた。そうしなければ自分たちの命もなかった。そんな苦しい過去を持つ静間たちは、部下の命も守らなければならないと考えていた。由美も、救助に向かう夫を心配し、祐司がハイパーレスキューをやめた時には喜んでいた由美も、今はあなたたちを頼るしかないの。と泣いて静間に訴える。
そんな時、ハイパーレスキューの若手隊員・青木(松田悟志)が、1人音響探査機を持って捜索に出かける。トンネルはいつ崩壊してもおかしくない状況の中を。そんな時、音響探査機に反応があった。「短音2、短音5、短音2」“2,5,2…”と繰り返される信号だ。祐司たちが生きている!無線でその事が伝えられた。ホテルの本部では「252!生存者あり!」静間の声が響き渡る。しかしその瞬間、トンネルが崩壊。かろうじて逃げ出した隊員だが、旧新橋駅に通じる道は完全に閉ざされた。
旧新橋駅では、この崩落で天井が崩落。しおりが巻き込まれてしまった。しおりを失った祐司は我を失う。「しおり~~!」自分を責める祐司。
祐司が力尽き、静かになると何か音が聞こえる。「カンカン カンカンカンカンカン カンカン」しおりは生きている。「わいらのことを見て、おぼえたんやな。ほんま賢い子や~」涙ながらに藤井が言う。みんなで瓦礫をどかしてしおりを助ける。しおりは瓦礫の隙間に入り、奇跡的に無事だった。地上では祐司たちをどう助けるかの作戦が立てられていた。「爆薬の使用許可をお願いします。」そう言う静間だが、真柴本部長(杉本哲太)は、ゆるんだ地盤に爆薬を使用することなど許可できないという。建築の専門家も持ちこたえられないと進言する。しかし、ゆるんだ地盤の中を穴を掘るわけにも行かない。「可能性はゼロではないはずです。」引き下がらない静間。しかし穴が空いたところで、どうやって引き上げるのか。
「ヘリを使って引き上げたらどうですか?」海野が言う。「こんな暴風雨ヘリなんか飛ばせるか!」「とばせます。直に風は収まります。台風の目に入ります。」台風の目に入ればヘリを飛ばすことも可能だ。「どのくらい風はやむ?」「18分です。それが過ぎればすぐに激しい吹き返しが起こります。」もし吹き返しが起きればまず地盤は持ちこたえられない。
静間たちは急いで爆薬をセットする。「時間がない!一気に行くぞ!」静間の合図で爆薬が点火する。計画通りに旧新橋駅までの穴が空く。
ヘリで隊員たちが降下し、スミンが、そしてしおりが、そして藤井と重村が救助されていく。その時、風の向きが変わった。吹き返しだ。次の瞬間崩落が始まり、祐司と隊員が生き埋めになってしまう。
「パパ~!」しゃべれないはずのしおりが懸命に叫ぶ。
翌日、台風が通り過ぎ、捜索が再開される。そして・・・。
●感想、思ったこと(ネタバレなし)
1日2作品観ました。1作目はWALL・E/ウォーリーだったのですが、終了時刻は21:30。そして本作が始まる時間が21:30。ウォーリーが終わって走って入口に向かって252のチケットを切ってもらって、トイレによって、2階にあがって走って252のシアターに。1日に複数観る日もありますが、こんなタイトなスケジュールで観たのは初めてでした。そして2作品ともおもしろかったのは久しぶり。この日はラッキーでしたね。
ところでこの作品、観る前日に観た友人から「誰と誰が生き残るか言ってもいい?」と言われました。もちろん断りましたが・・・。でも、そう言うって事は誰かが死ぬって事なんだろうなと思っていました。だから、しおりが崩落にあった時、まさかしおりちゃんが死ぬの?最後はやっぱり祐司が死んじゃうの?なんて感じで観てました。名もなきエキストラ級の人たちは死んじゃいますが、結局主役級の人たちは死ななかったんですね。まさかそんな展開になるとは。友人もおもしろい演出をやってくれましたね。
しかし、よく銀座や新橋を再現しましたねぇ~。中学が銀座で新橋駅から通っていたので、通い慣れたあの場所が無惨にも崩れていくのはちょっと寂しいですね。とは言え、もうだいぶ昔のことなので、全然雰囲気は違いますけどね~。
旧新橋駅は交渉人 真下正義でも題材にされていましたね。一般人はもちろん入れませんが、旧新橋駅は今でも新橋駅の会議室とか仮眠室としてそして車庫としても使われているらしいです。と言うことは、あの扉だけふさいでも鉄砲水は入ってくるのでは?しかも祐司が他に出口はない!と断言していましたが、扉の他に少なくとも電車が出入りする場所があるのだから、探す価値はあるのではないでしょうか。それを頭から否定しなくても。
それにランプが光っている消火栓があったので、あれには非常電話がついているはず。ランプがついているなら使える可能性もあったのに試してみる価値はあると思います。
ちなみに、新橋が2つあるのは日本で最初に地下鉄を作った東京地下鉄道の新橋駅。そこに乗り入れようとした東京高速鉄道だが、東京地下鉄道がそれを認めなかった。そこで東京高速鉄道は新たに新橋駅を作らなくてはならなくなり、1939年1月から9月まで2つの新橋駅が稼働していた。その後、東京高速鉄道の五島社長が東京地下鉄道の株を大量に買い占めたおかげで解決。旧新橋駅は1年も使われずにその役目を終えたのだそうです。
話を戻しますが、他にも色々と自分ならこうするのに・・・というヵ所がありますよね。だって別に2・5・2って合図しなくても良くないですか?生きているのが伝えられれば良いんだから、手が痛くならないようにもう少し間隔を開けても良いし、人工的であることが伝えればいいので一定間隔でもいいし・・・。痛くならないようにと言えば、自分ならハンカチとかネクタイとか手に巻いて手をガードしながら叩くと思います。
しっかし、原作の小森陽一はすごいですね。水槽の試作機が出てきた時には、僕でもキレート剤があれば輸血に使える!と思ったけれど、でも小森陽一さんは、話を作る時に、よくそれをくっつけようと思いつきましたね~。やはり小説家なり、漫画家なり、っていう人たちは発想がすごいです。
EDTAは実際に大学でも使うことがあるのでわかりますが、医療に関してはあまり知識がありません。重村の動脈とスミンの静脈をチューブで直結してもダメなんでしょうかね?やっぱり抗凝固剤がなければ固まっちゃうのかなぁ?
あと、気になったことと言えば、祐司が「しおり」と呼ぶと、下を向いていたしおりちゃんが祐司の顔を見るシーンがあるんです。「聞こえてんじゃん」と思いました。
もう一つ。許せないのが、「予備の衛星動かしておいてください。」予備の衛星が軌道に乗ると通常の衛星よりも正確な台風の軌道計算ができるの。そんなに高性能なら普段から使えばいいのに。予備は予備じゃないの?ここだけは萎えましたね。映画の感想としては、おもしろかったけれど、パニック映画としてはオーソドックスですよね。災害があって、閉じこめられて、閉じこめられた人の中には怪我人だったり体の不自由な人がいる。リーダー格の人間に同調しない人もいる。そしてレスキューのようなプロフェッショナルがいる。全員助けたいが、他の人を助けるために見捨てなければ行けない人がいる。レスキューでは仲間を置き去りにした暗い過去を引きずっている・・・。
全くもってよくあるパターン。デイライトもシルベスター・スタローンが職を奪われた過去を持ち、トンネルに閉じこめられた人を救助に向かう。ところが首の骨を折った警備員を見捨てなければならなかったりしながら逃げ道を探す。古くはポセイドン・アドベンチャーも苦い過去を持つスコット牧師が転覆した豪華客船からの脱出を試みるのもそう。伊藤英明のLIMIT OF LOVE 海猿も、生き残った人たちの中に怪我人と妊婦がいて、閉じこめられたバディを置き去りにし(生きて帰れたけど。)脱出を試みる。
長くなっちゃいましたが、パニックムービーはホントにどれも同じようなストーリーですが、この作品もセオリーにそったストーリーなので安心してみられる作品です。どんでん返しを期待する人には全く向いていませんが、それなりに楽しめる作品だと思います。
話は変わりますが、レスキューものばかり出ていると、それにイメージが固まっちゃうんじゃないかと心配ですもっといろんな役に挑戦した方が良いんじゃないでしょうか。
それと、MIMJIって初めて知りました。いい歌でしたが、韓国の歌手ではリナ・パークが好きです。韓国と言っても、韓国系アメリカ人ですけどね~。日本語の曲も、韓国語の曲も、英語の曲もいいんです。透き通る声で・・・。さっきまでは英語だったのに次の曲は韓国語の響き。蛇足になっちゃいましたね。(汗)
観て良かった度:●●●●● 5点 |
- 252-生存者あり-公式サイト
- 252 生存者あり(Blu-ray版はこちら。)
- 『252 生存者あり episode.ZERO 完全版』DVD
- 252 公式ビジュアルBOOK
- もうひとつの252(新書)
- 「252 生存者あり」オリジナル・サウンドトラックCD(←試聴可)
- 主題歌LOVE ALIVE(CD)(MIMJI)
- 水田伸生(監督・脚本)
- 小森陽一(原作・脚本)
- 伊藤英明(篠原祐司 役)
- 内野聖陽(篠原静馬 役)
- 山田孝之(重村誠 役)
- 香椎由宇(海野咲 役)
- 木村祐一(藤井圭介 役)
- MIMJI(キム・スミン 役)
- 桜井幸子(篠原由美 役)
- 杉本哲太(真柴哲司 役)
- 西村雅彦(小暮秋雄課長 役)
- 温水洋一(津田沼晴男 役)
- 松田悟志(青木一平 役)
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で。
- 楽天市場のポイントもたまる
楽天ブックスもどうぞ。
この記事へのコメント
今年一年お世話になりました。
また来年もよろしくお願いします。
こちらこそ一年お世話になりました。masalaさんも良い年をお迎えください。そして来年もよろしくお願いいたします。
どう期待を裏切ってどうフォローするのか、このあたりがわずかな差なのですが、基本的にセオリーどおりのパニック映画は、私もどれも好きです(^^)
今年もお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
この手の映画はよっぽどのことがない限り失敗しないですものね。
それでは、来年もよろしくお願いします。