映画:放送禁止 劇場版 観てきました。
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●ストーリー(ネタバレもろあり)
テレビ局には、制作したものの何らかの事情で放送できなくなったテープがある。今回、関係者に特別に許可をもらい放送することができた。
某高校、生徒が偶然撮影した教師の飛び降り自殺のシーンから始まる。番組スタッフはこの自殺を調べるうちに1つのインターネットサイトの存在を知る。そのサイトの名前は“シエロ”。料金を払えば復讐を代行するという闇サイトだ。料金に応じてグレードがあり、50万円+実費の最高グレードEグレードは、死による復讐。
ディレクターは鞄にカメラを忍ばせ、“シエロ”の管理者である七川ノラムに接触を試みる。あるビルの一室に入るディレクター。出てきたのは仮面の女だ。
もともと法律は復讐のためのものだった。復讐を繰り返しているとその民族が滅びるまで復讐の連鎖が続く。これを防ぐために受けたこと以上の報復を禁じ、国家が被害者の代わりに復讐をするのが法律の始まりという。でもその国家が、司法が機能していなかったとしたら・・・。腐った国に変わって私が代行するという。
そして彼女の口からは信じられない言葉が。「見てみたいと思いませんか?人間が復讐される瞬間を」彼女の提案で、密着取材を行うことに。
最初のターゲットは、ホステス。彼女はお客に結婚を匂わせ、多額の金を搾り取る結婚詐欺だ。鞄にカメラを忍ばせ彼女に近づくスタッフ。「せっかく来てくれたのにあんまりお話しできなかったね。好きな人が来てくれているのに、好きじゃないお客のところにも行かなきゃいけないなんてつらいよ。今ね、お店やめられないの。お父さんが入院しちゃってお店からお金借りているの。500万。お店やめられたら結婚できるね。あと200なの。」「200ならなんとか用意できるよ。」「ホント?そしたら結婚できるね。」
翌日、ホテルの前で「今日さ、200振り込んでいおいたから。だから休んでいかないか。」「ごめん。今日お母さんが来てるの。待ってるから今日は帰らなきゃ。」急に笑い出す男。「ハハハ。実は俺何でも知っているんだ。お父さんは入院していることも、お母さんが来ていないことも。じゃあ、俺の仕事ここまでだから。お疲れちゃん。」そう言って去っていく男。何が掟の仮回できないそのホステスは、3人の男に拉致された。
ディレクターの携帯にメールが届く。1時間後、江東区の廃屋に来て。ディレクターが向かうと、ホステスが縛られていた。その横にはノラムが。彼女は「テストに失敗しました。復讐を執行します。」そう言うと彼女の顔をずたずたに切り刻んだ。次のターゲットは男性医師。彼は医療ミスを起こたが、病院も医者も謝罪しないという。家族のインタビューでは、娘が「肺炎だから数日入院すればすぐに良くなるといい、点滴を始めたら急に苦しんだんです。あっという間でした。」そう答えていた。
ノラムに連れられて病院に向かうと、ある女性が刃物をその医者に向けてきた。しかし警備員らに取り押さえられ事なきを得た。「今回は失敗したようだな。」ディレクターはノラムに言うが、「あの人はシエロとは関係ありません。他の人もねらっているようです。急がねば。」
ディレクターはこんなことに我慢できなくなり、ビデオを公表するように言うが、ノラムは「死を持って沈黙するか、我々の仲間になるかどちらかよ。」そうディレクターを脅迫する。
ディレクターは、ノラムの指示に従ってあるマンションに向かう。そこにいる女性と夫婦を演じるのだ。しかし普通の夫婦と違うのは、ドメスティックバイオレンス(DV)の夫を演じると言うこと。何が目的かわからないまま夫を演じるディレクター。そんなことが数日続いた。実はこの部屋には隠しカメラが設置されている。やらせを平気で行うジャーナリストの古茂田がDVの取材と称し、やらせの取材を行っていたのだ。古茂田の筋書きは、DVで悩む女が復讐代行に夫の復讐を頼むという筋書き。今回のターゲットはこの古茂田なのだ。
【以下ねたバレのため、反転してね】
ディレクターが調べるとこの古茂田は過去にいじめの実態の取材でもやらせをやっていたのではないかという疑いがあった。女子高生神野留麻は同級生の江口来美を代表とするクラスのみんなにいじめられていた。ある日古茂田のやらせで江口は神野にガソリンをかけ、焼死させたのだ。その時、自分にも火が降りかかり江口も大やけどを負った。病院に運ばれた彼女は病院から逃げ出しそのまま行方不明となっていた。
ディレクターは妻を演じた女性を取材する。「ノラムの正体ですか?わかりませんか?ホームページをじっくり見てみてください。」そう言い残すと女性は去ってしまった。彼女が忘れていったHi8は、画像が劣化しほとんど見ることができなかった。手がかりがなくなったディレクターは、シエロのページを眺めていた。「シエロ、シエロ、シエロ」「江口」。ノラムの正体は江口だ!そう確信するディレクター。
ディレクターは、医療ミスを起こした医師への復讐を見届けるため、医師が恋人と旅行に行っている沖縄へと向かった。恋人とカフェテラスでジュースを飲むと医師は急に気分が悪くなった。恋人はノラムに雇われた女性だったのだ。彼女は医師を車に乗せ人気のないビーチへと向かった。そこに現れたのはノラム。彼女の持つ解毒剤を打たなければこの男は死んでしまう。
ノラムは迷っていた。ホステスへの復讐をした際にディレクターに言われた言葉を思い出したからだ。「復讐してもその連鎖は止まらない。」ノラムは解毒剤を医師に注射しようとする。しかし!
その瞬間ディレクターが解毒剤と注射器を取り上げ浜に捨ててしまう。そして彼がとりだしたのはナイフだ。「シエロ、おまえの正体は江口だな。やけどのあとをその覆面で隠しているんだな。よくも、留麻を!」ディレクターはノラムにナイフを突き立てる。崩れたノラムの仮面がはずれる。しかし彼女の顔にはやけどのあとはなかった。泣き崩れるディレクターの姿が。
そして修復されたHi8のテープが再生される。そのテープにはガソリンをかけ、火をつける少女の姿が。そう焼死したのは、江口だったのだ。
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●感想、思ったこと(ネタバレあり)
B級映画の臭いがぷんぷんしましたが、よく行く映画館では「シネマソムリエが選ぶコダワリの映画」と位置づけていたため、見に行くことに。「シネマソムリエが選ぶコダワリの映画」って、単に単館系の映画を推薦しているようにも思えるのですが、前回観たフロンティアもコダワリ映画マークがついていて、まぁおもしろかったし。
ドキュメンタリー番組チックに始まるこの作品、ホントの出来事?なんてちょっと勘違いしてしまいそうです。でも、鞄に入っているはずのカメラなのに、ズームしていったり、音声がステレオだったりと不自然きわまりない。手前の人の会話は聞こえないのに目標のホステスと男性の会話はよく聞こえたりと不自然なので、やっぱりドキュメンタリーではなく映画なのねと思えてしまいます。
でも、飛び降り自殺のシーンはすごいね。最初生徒が持っていたというビデオにはグラウンドが移っていたけどもちろんマットは映っていない。飛び降りたあとも映像は途切れず1カットで撮っているにもかかわらず、地面に先生が横たわっていた。と言うことはあの短い時間で、マットを準備し、飛び降りて、マットをかたづけるってことをやったのでしょうか。現場は大忙しですね。
そんなつまらないことを考えながら見ていました。そう言えば、この作品の解説には「事実は彼を思いもよらぬ真実へ向かわせるのだった…。」と書かれているのを思い出しました。っていうことは、見ている者があっと驚くストーリー展開があるんだな。と考えながら見るじゃないですか。
焼死した女子高生の話が出てきた時に、ノラムの正体は江口かと思いましたので、主人公(?)のディレクターよりだいぶ早く気がついたわけですが、そんな単純なオチじゃないよなぁ~と思い、その後もいろいろ考えたのですが、まさかあんなオチとは。
【ネタバレ反転】だって、もしディレクターがルマの兄で、ノラムがルマなら、兄だって気がついているだろうけど、もし兄だったらそんな復讐劇に兄を巻き込むかなぁ。それに死んだのが実は江口って、死体の確認ってそんないい加減なものなの?って疑問です。
まぁ、言いたいこともあるけど、なかなか楽しめる作品でした。でも、まぁ、映画館じゃなくてテレビでもいいかな。内容的にも、予算的にも。。。
ちなみにこの映画で一番印象に残ったのは、エンドロールの短さ。関係しているスタッフが少ないと言うことでしょうか。つまり予算が少ない。俳優の演技もあまり・・・。この予算なら、ホントにテレビの2時間ドラマで良かったんじゃ?
観て良かった度:●●●●○ 4点 |
この記事へのコメント
「放送禁止」ってタイトルは面白いし、恐いもの見たさで思わず見てしまうと思いますが、ネタばれの反転部分を読んでもあまり自分は驚きませんでした。
DVDでレンタル店に並んでも、借りないかなあ?
テレビ版見てらしたんですね。全く初めてだったのでちょっとこういう映画の作り方もあるんだと、ちょっとセンセーショナルでした。
テレビドラマ化していて、何回か同じようなのがあったら飽きちゃうかも。