劇団四季:トロイ戦争は起こらないだろう 観てきました
今回は平日だったのですが仕事を早めに切り上げ、劇団四季の芝居、トロイ戦争は起こらないだろうを観劇してきました。
いろいろと(僕にとって)曰く付きのある自由劇場なので、ドキドキしましたが、今回は何もなく無事に帰ってこられました。
●ストーリー(ネタバレあり)
永年にわたる戦争に終わりを告げ、平和が訪れたトロイの国。アンドロマック(坂本里咲)はトロイの王子である夫・エクトール(阿久津陽一郎)の帰りを待っていた。しかし、妹のカッサンドル(都築香弥子)は再び戦争が始まるという不吉な予言をする。
「トロイ戦争は起こるでしょう」
エクトールの弟・パリス(田邊真也)は、ギリシャ王妃・絶世の美女エレーヌ(野村玲子)の虜となり、戦争の混乱に紛れてギリシャから彼女を誘拐してしまう。妻を奪われ、名誉を汚されたギリシャ国王・メネラスは激怒し、「エレーヌを返すか、われわれ、ギリシャ連合軍と戦うか」とトロイに迫る。
しかもトロイの国王プリアム(山口嘉三)、国王の取り巻きである幾何学者(池田英治)、デモコス(栗原英雄)、ビュジリス(神保幸由)だけでなくトロイ国中の男たちがエレーヌの虜となってしまったのだ。「エレーヌは君だけのものじゃない。この都市のもの、この国のものだ」
国中の老人達は再び戦争を起こしてでもエレーヌを返すまいとする。度重なる戦争で、友人を亡くし、戦争のむなしさを知っている兵士ら、特にエクトールとその妻・アンドロマックは、平和を維持するためにエレーヌを返そうと説得するが、誰も耳を貸す者はいなかった。「戦争はトロイの中にあるの、エクトール」
とうとう、エレーヌ引渡し交渉の最後の使者・ギリシャの知将ユリス(味方隆司)がやってくる。
たまたまトロイにやってきていた国際法の権威・トロイリュス(大空卓鵬)は、ギリシャは3つの国際法を犯している。その行為を無視すれば世界はトロイを腑抜けと評するでしょうと、元老院議員に意見した。しかしそのような国際法を犯したギリシャ連合に戦いを挑んだ国々はことごとくギリシャにやられている。本当にギリシャと戦えばトロイも無事では済まされない。
エクトールは、もしギリシャと戦争になったら誰もこの国から出すことはできない。トロイリュスおまえもだ。それとも戦争にならないようにし、大金を受け取ってこのトロイから無事に帰るのとどちらが良いか。そう問う。トロイリュスは新しい解釈をし、トロイがギリシャに対して攻撃をしなくとも腑抜けと呼ばれないための新しい解釈を考え出した。「トロイ戦争は起こらないだろう」
こうして武力行使せずにユリスらとの会談が実現した。もしパリスがエレーヌに指一本でも触れていたらエレーヌを返しただけでは許されない。エクトールは、パリスはエレーヌに指一本たりとも触れていないと言う。美しい女性を観てもトロイの男はそんなに軟弱なのかと罵声を浴びされながらも耐えるパリスとエクトール。しかしパリスの船の船乗り達はそれに耐えられず、本当のことを言おうとする。
このままではトロイ戦争が起きてしまう。そう考えたエクトールはユリスと2人で会談することとした。ユリスはエクトールと話すうちに譲歩し、エレーヌを返せば戦争はふっかけないことで合意した。しかしそれをおもしろく思わない男がいた。ギリシャ軍のオイアクス(青羽剛)や、トロイの取り巻きや市民らだ。
トロイ国王の取り巻きの1人がユリスを殺そうと企てる。もしそうなれば戦争は避けられない。エクトールは槍を持ち、その男を刺してしまう。「誰にやられたんだ。」「ギリシャ人に。。。」エクトールは自分が刺したと言うが、もう怒りに我を忘れたトロイの人たちを止めることはできない。「トロイ戦争は起こるだろう」
※括弧で記載のキャストは観劇した時のキャストで公演日によって異なります。
●感想、思ったこと(ネタバレあり)
以前、同じく劇団四季のオンディーヌを見に行ってきました(その時の記事はこちら)。そのオンディーヌと同じジロドゥ作品。
正直言うとミュージカルは好きだけれど、劇はあまり僕にはあわないようで、オンディーヌの時もだいぶ眠かったので、このトロイ戦争は起こらないだろうはパスしようかと思っていたのですが、23年ぶりの再演であること、ミュージカルですが戦争物の李香蘭、異国の丘、南十字星(その時の記事はそれぞれ、こちら、こちら、こちら)がおもしろかったので、この作品を見に行くことに。。。
でも、やっぱり劇は僕にはあわないようで・・・。
もともとストーリーを楽しむのが好きなので、難しい駆け引きとか、詩的なというか抽象的な台詞は苦手。この作品のジロドゥは抽象的な台詞を多用しているんですね。
カッサンドルがアンドロマックに抽象的でよくわからないと突っ込みを入れられていましたが、エレーヌの台詞なんか何言っているんだか僕にはさっぱり・・・。
せっかく良い席、手を伸ばせばキャストの方に触れるんじゃないか、台詞を言った時につばが飛んでくるんじゃないかという3列目のど真ん中だったのに、楽しめなくてごめんなさい。
で、(僕にとって)肝心のストーリーは、上で書いているように結構単純。難しいわりに単純というのは僕にとっては。。。う~ん、もっと価値のわかる人だったらよかったのに・・・。
そうそう、最後にキャスト全員が出てきてくれますよね。で、幕が下がった後に、信じられないお客様がステージに上がっていました。黒いマントを羽織った、ゴキブリ!。自由劇場の客席は飲食厳禁なのに、もちろんステージに食べ物はないだろうに、なぜステージにゴキブリが?前の方の人たちは気づいていた人も何人かいらっしゃって、帰り際にわざわざ見に来ている人もいました。(笑)
やっぱり、僕が自由劇場に行くと何かしらハプニングがあるようです。
観て良かった度:●●○○○ 2点 |
- 劇団四季公式サイト
- トロイ戦争は起こらないだろうサイト
- 劇団四季 「トロイ戦争は起こらないだろう」DVD
- チケットぴあ劇団四季特集
- ジロドゥ戯曲全集〈3〉テッサ、トロイ戦争は起こらない
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この記事へのコメント
この作品ちょっと小難しかったですよね?
私は「オンディーヌ」とかはかなり好きなんですが、この作品は頭というか感情がついていくのが大変でした…。
割と年配の方が多く劇場に来ていたように思いましたが、人生の年輪を積み重ねないと…というところでしょうか?(^^;)
どうも僕はジロドゥがあわないようですが、トロイ戦争は起こらないだろうよりもオンディーヌの方が良かったかな。
大まかなストーリーは単純なのですが、すべてを理解しようとすると台詞が抽象的で難しい作品でした。
理系の僕にはこういう詩的な劇は一升理解できないかも知れません・・・(汗)
ちぃと申します。
先日はTBありがとうございました(*^^*)
以前にも『思い出を売る男』の記事でTBしてくださいましたよね?
私もよしなさんの記事をTBしようと試みたんですが、やり方がわからず断念してしまいました(汗)
なので、今回はお礼とお詫びを申し上げたく、お邪魔させていただきました。
私もストプレは少々苦手で、この作品も観るかどうか迷いましたが、よしなさん同様の考えのもと、戦争物のストプレさえ初日なら盛り上がるだろう!ということで観劇を決めました。
しかし、ジロドゥは理解に時間がかかりますね;
表現が曖昧すぎてストレートに伝わってきませんでした。
でもこれに懲りずに、またジロドゥ作品に挑戦しようと思います(^^)笑
次は是非『オンディーヌ』が観たいです。
会社に、みんなから「ちぃちゃん」と呼ばれている後輩がいて、彼女もミュージカル好き(というか彼氏が好きでよく一緒に行く)なので、彼女かと思っちゃいました。
ストレートプレイなのにストレートに伝わってこない。どうストレートなんだか。。。ってオヤジギャグを行っている場合じゃないですが。(汗)
ぜひぜひTBのやり方を覚えて、こちらにもTB貼ってくださいね。m(_ _)m