劇団四季ミュージカル 夢から醒めた夢
今回は平日だったのですが仕事を早めに切り上げ、劇団四季の夢から醒めた夢を見てきました。
この作品は開演前にロビーやステージでさまざまなパフォーマンスが行われるので、急いで会場に向かいました。その時の写真のデータ(メディア)を会社に忘れてきてしまったので、また後日書きます。(ロビーパフォーマンスについてはこちらの記事を見てみて。)
と言うわけで、ストーリーと感想を。。。
●ストーリー(ネタバレあり)
毎晩見る夢。その夢は「夢の配達人」(北澤裕輔)によって人々に配られるのです。ちょっと霊界に興味のあるピコ(真家瑠美子)は、夢の配達人に導かれるまま、霊界への入口のある閉園後の遊園地へと向かいます。そしてその扉をあけると・・・。そこには1人の少女が座っていました。彼女の名前はマコ(南めぐみ)。母親思いの彼女は交通事故で命を失ってしまった心優しい女の子。そう、幽霊なのです。えっ!本物?と驚くピコ。
娘の死から立ち直れない母親に一言お別れを言うために1日だけ入れ替わってくれる人を探すため夜の遊園地をさまよっていたマコは、ピコに入れ替わってくれるように頼む。好奇心旺盛なピコは、マコのその願いを聞き入れる。マコは大事なモノだからなくさないでと、白いパスポートをピコに手渡す。白いパスポートは「光の国」へ行くためのチケット。逆に黒いパスポートは極悪人に渡される地獄へのチケット。重くない罪を犯した者や人を悲しませた人に渡されるグレーのパスポートは、年に1度の審議会で認められればその罪が許され白いパスポートへと交換してくれる。みんなそのために他の人のために役立つことをして頑張っている。
マコと入れ替わったピコは霊界空港へと向かう。ここでは役人のデビル(道口瑞之)とエンジェル(石井雅登)が働いていた。そして光の国へと向かうロケットを待っている人々もいた。遅れてくる妻を12年待っている老人(維田修二)、災害や戦争、飢えで死んできた罪なき子ども達・・・。
そしてグレーのパスポートを持った人々は、他の人の役に立とうと荷物を持ったり、案内をしたり、掃除をしたりしている。いじめを苦にして自殺したメソ(有賀光一)、家族を顧みずに過労死した部長(田中廣臣)、ケンカで刺し殺されたヤクザ(野中万寿夫)、バイク事故で恋人もろとも死んでしまった暴走族(大塚俊)。一生懸命働きながら罪を洗い流そうとしていた。
明日は年に1度の光の国行きロケット707便が出発する日。707便に乗る者は白いきれいな衣装に着替えることになっている。子ども達も白い衣装に着替え、旅立ちを待っている。
そんな時、ある老婦人(佐和由梨)が空港にやってきた。12年待ちわびた老人と再会を喜ぶ。老夫婦はピコを誘ってロケットを見に行こうという。ピコは荷物をメソに預けてロケットを見に行く。
実は今日は、年に1度の審議会。部長、ヤクザ、暴走族は今年も白いパスポートをもらえなかったことを愚痴っていた。メソはその輪に入らず、ピコの荷物の中に入っていた白いパスポートを手に取り、今年も白いパスポートをもらえなかったことを残念がっていた。3人はメソに、おまえはどうだったんだ?と詰め寄る。あっ!こいつ白いパスポートを持ってやがる!3人はメソが審議会で認められたと勘違いし、自分のことのように喜ぶ。そして、あのむかつく役人・デビルに正々堂々とその白いパスポートを突き付けて、ロケットへと乗り込めよ!と背中を押される。
メソは迷ったあげく自分のグレーのパスポートをピコの荷物へと入れ、白いパスポートを見せ、ロケットへと向かう。
きれいだったね~。ロケットを見てきた老夫婦とピコが戻ってくる。ピコはメソに預けていたバッグを受け取る。老夫婦もそろそろロケットへと向かう時間。一緒に行きましょうとピコを誘う婦人だが、その申し出を断るピコ。ピコは、マコという少女と1日交代しているからマコが戻ってくるのを待ってなければ行けないのだ。
しかしデビルは、おまえは実は黒いパスコートで地獄に行くのを嫌がっているんじゃないか?そうけしかけてくる。起こったピコは、バッグからパスポートを取りだし、デビルに見せつける。
「真っ黒!」バッグから取りだしたパスポートは真っ黒だった。マコが地獄に行くことになってしまうかも知れない。そう考えたピコは、「助けて、夢の配達人さん!」と叫び、気絶してしまう。
意識を取り戻したピコ。老夫婦や部長さん達も、この元気な女の子が極悪人には見えない。何かの間違えだと言うが、デビルは「てめぇのことばっかり考えやがって。」と聞く耳を持たない。部長が叫ぶ。メソ!メソがピコのバッグを預かった時にすり替えたんだ。犯罪を犯したメソのパスポートはグレーから真っ黒へと変わったのだ。
ロケットの乗り場からメソを連れ戻すが、心優しいピコはこのままメソが地獄へと行くのも黙ってみていられなかった。その黒のパスポートは自分のです。そうつぶやくピコ。
そこにエンジェルが機転を利かした。マコのパスポートを再発行すれば良いんだ!過去にも例がある。子供が白いパスポートにいたずら書きをして真っ黒にしてしまった時に再発行した。よし、早速手続きにかかろう!で、マコの本名は?いつ死んだの?そう言うエンジェルに、ピコは答える。マコとしか聞いてないわ。それじゃ再発行はできない。
じゃあみんなで調べよう!老人の呼びかけで調べることに。しかし今まで死んだ人、今も生きている人すべてのデータが入っているこのコンピュータからマコという手がかりだけで調べるのは時間がかかる。しかもロケットの発射までの時間は限られている。
エンジェル、デビル、ピコ、メソ、部長、暴走族、ヤクザ、老夫婦、みんなでデーターベースから探す。。。「タナカマキコ、政治家」違う!「ハセガワマチコ、生前漫画家」違う!「アサダマオコ、2012年オリンピック出場」これも違う!時間は刻一刻と迫っていく。「赤川マコ、母思いの優しい少女」これだ!ようやく本名がわかり、再発行手続きが完了する。
メソは・・・。メソは白いパスポートを拾ったことにすればいい。デビルは言う。「てめぇのことばっかり考えてるわけじゃないのね。」
メソはピコを連れて現世に向かう。マコを向かいに行くためだ。マコが旅立とうとするが、母(織笠里佳子)は悲しみに暮れている。そして707便はマコを、子ども達を、老夫婦を、そしてメソを乗せて旅立っていく。
※括弧で記載のキャストは観劇した時のキャストで公演日によって異なります。
●感想、思ったこと
昨今のピコ役は吉沢梨絵さんがやっているので期待していたのですが、僕が行く予定の9/3の3日後から京都で赤毛のアンも予定されているのです。赤毛のアンのアン役も吉沢梨絵さん。吉沢梨絵さんはどっちを演じるんだろう~?ってずっと思っていて、ピコを演じて欲しいなぁって願っていたのですが、その夢は叶わぬ夢だったようで、今回のピコ役は真家瑠美子さん。まぁ、しょうがないかぁと思っていたら、少なくとも8/14の初日と赤川次郎さんが来演された8/19は、吉沢梨絵さんがピコを演じたそうでショックです。9月公演ではなく8月公演のチケットをとっていれば吉沢梨絵ピコを見られてしかも、おまけ(サマーHASHIGOキャンペーン)ももらえたというのに、残念です。
吉沢梨絵さんに会えると思っていたのに会えなかったので、僕の中では完全に気持ちが萎えている状態での鑑賞です。
正直言うと、真家瑠美子さんは演技は良いと思うのですが、歌が・・・。微妙にうまくない。音程がバシッとあうのではなく、音をのばしていると次第にあってくるという感じ。ファルセットに移る時も引っかかるんですよね。まぁ、もともとミュージカルって踊りながら歌うわけで、きちんと歌える方がすごすぎなんだと思いますけどね。
エンジェル役の石井雅登さんは、先日観てきたむかしむかしゾウがきた(記事はこちら)で主役・太郎坊を演じた方。吉沢梨絵さんもそうですが、ほとんど同じ時期に複数の役をこなすってすごいですよね。さすがプロ。
ロビーパフォーマンスは別の機会に記事にしますが、開演するとそのうちの1人が客席に座るんです。僕の2つ前の席に。そして仮装をとるとなんと夢の配達人に。ロビーパフォーマンスから自然な形で夢の世界へと誘(いざな)われます。楽しい雰囲気で始まります。そう言う雰囲気でずーっと行くのかと思ったら、シーンの多くはロケットの空港でのやり取りなんですね。
おもしろい作品だと思うのですが、魔がさしたとは言え、人のパスポートをとったメソが天国に行っちゃうの?人(ピコやマコ)のために大いに手伝ってくれたヤクザ、部長、暴走族はグレーのまま。しかも仲間から犯罪者を出したので3人は罰が下されちゃうと言うのに。。。終わった後、「心が洗われる感じだね~」と感想を言っていた女性がいましたが、なんかひっかかります。メソはともかく3人も白いパスポートになってほしかったなぁ。奇しくも今日は審議会の日だったんだから。。。
ピコの優しさには心洗われる感じだけど、やっぱりちょっと腑に落ちないストーリーなので4点ですね。
音楽も良かったですよ~。でも劇場は「秋」だったのに、生オーケストラじゃなかったのが残念。公式サイトから「二人の世界」と「愛をありがとう」の2曲だけですが、試聴できますよ~。夢から醒めた夢 サントラCDもよろしく。
観て良かった度:●●●●○ 4点 |
- 劇団四季公式サイト
- 夢から醒めた夢サイト
- チケットぴあ劇団四季特集
- 夢から醒めた夢 サントラCD
- 夢から醒めた夢―冒険配達ノート(文庫)
- ふまじめな天使(文庫)
- 赤川次郎
- 劇団四季サントラCDほか
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