歓喜の歌 観てきました。
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●ストーリー(ネタバレあり)
暮れの12月30日、みたま文化会館に1本の電話がかかってきた。明日12/31大晦日にコンサートを行う「みたま町コーラスガールズ」からだ。「はい、みたま文化会館です。ええ、明日午後7時からコンサートのご予約をいただいてる『みたま町コーラスガールズ』さんですね。はいはい……大丈夫ですよ。」電話をとった飯塚主任(小林薫)は、調子の良い声で返事をする。しかし横で聞いていた部下の加藤(伊藤淳史)はその電話に違和感を覚えた。
「今電話があったのは『みたま町コーラスガールズ』ですよね。昨日僕も予約の確認の電話を受けたんです。僕が話したのはたしか『みたまレディースコーラス』でした。」よく似た名前のママさんコーラス。二人はホワイトボードを確認する。「これって、ダブルブッキングっぽくないですか?」と加藤。それに対して、「っぽいじゃなくて、ダブルブッキングだよ~!」と答える飯塚。
あってはならないミスだが、飯塚は、「まぁ何とかなるだろ、ママさんコーラスなら。どうせオバサンたちが暇つぶしでやってんだから…。」と楽観的。二つのコーラスの代表者に連絡をして文化会館に来てもらった。
レディースコーラスは毎年大晦日の昼間にコンサートをやっているが、今年は20周年記念コンサートと言うことで夜に時間を変更していたのだ。セレブな奥様方で運営されるレディースコーラスの代表者・松尾(由紀さおり)は、スーパーの経営者。一方レディースコーラスはパートのママさんらで運営されており、今回は初めてのコンサートとなる。毎年レディースコーラスが昼にコンサートをやっているのを知っていてわざわざ夜に予約を入れたのだ。両者とも記念すべきコンサートで、時間変更も受け入れてくれず、話し合いは平行線。
飯塚と加藤は菓子折をもってレディースコーラスの練習場に向かう。そこには健気なリーダー・五十嵐(安田成美)がいた。3人でレディースコーラスの代表者に会いに行く。移動中加藤は見覚えのある五十嵐に話しかける。五十嵐は加藤が学生だった頃の音楽の先生だったのだ。今は結婚をして学校をやめ、訪問介護のパートをしている。旦那(光石研)は後先考えずにやりたいことをやる性格。今は噺家を目指してタクシードライバーをしている。
レディースコーラスの練習場に到着した3人だが、レディースコーラスには市長夫人がおり、説得どころか市長からのプレッシャーをかけられてしまう。
五十嵐は今年だけでも一緒にやりませんか?と提案するが、お客が入りきらないと却下する。心底疲れ果てた飯塚を待ち受けていたのは、借金取り。飯塚は外国人ホステスに入れあげ、増えた借金は200万円。それが原因で市役所に勤めていた飯塚は文化会館に左遷され、妻からも離婚を迫られていたのだ。明日までに200万円を準備するように言われた飯塚だが、借金取りがらんちゅうを好きなことを知り、急いで文化会館に戻ってきた。文化会館には市長が道楽で飼っているらんちゅうが飾られているのだ。ところがらんちゅうは、市長が持ち帰ってしまったという。
力が抜けた飯塚は事務所に戻り、とりあえず加藤と北京飯店にラーメンを注文する。しかし来たのはタンメン。「ちょっとお兄ちゃん、これタンメンじゃない。頼んだのはラーメンだよ。そりゃ同じ麺類だけど、ラーメンとタンメン、全然違うじゃん!」怒鳴り散らす飯塚に加藤は、「30分前のラーメンでこれだから、半年前のダブルブッキングはかなりのものですよね…。」とつぶやく。
空いた皿を取りに来たのは北京飯店の女将さん(藤田弓子)の娘だった。彼女は餃子をもってきた。「餃子なんて頼んでないよ。また間違えたのか?」と言う飯塚に、娘は「女将さんからのお詫びです。」と答えた。加藤が「北京飯店って女将さんじゃなくて大将じゃなかったっけ?」と聞くと、大将は倒れてしまい、今では母親が洋服のリフォーム大田と北京飯店を両方切り盛りしているのだという。しかもコーラスガールズのメンバーでもあるのだ。今度はお母さんが倒れちゃうからやめなよという娘に対して、お父さんが戻ってきた時にお客さんが一人もいなかったらお父さん悲しむじゃないのと答えたというのだ。コーラスに参加していると大変なのは自分だけじゃない。みんなから元気をもらえるというのだ。
飯塚はただのママさんコーラスではなく、一人ひとりが何かを背負って頑張ってやっていることを知る。なんとかなるだろうと思っていた飯塚だが、何とかしたいと思うようになる。そこで五十嵐の言うようになんとか合同でコンサートをする方法がないかを考え始めた。
運よく舞台の後ろにはスペースがある。舞台を後ろにずらして、パイプ椅子を用意すればなんとかお客さんが入りきる。しかしレディースコーラスは、一緒にやれるかコーラスガールズの歌を試験するというのだ。
松尾は舞台で歌うコーラスガールズを見て、舞台のソリストの前に立った。「あなたうちのスーパーで働いている?」鮮魚売り場で声を張り上げて働く彼女を松尾は何度も見ていたのだ。レディースコーラスは合同でコンサートをやることを承諾した。
一方、飯塚と加藤は年末でもやっている工務店を探した。ところがその工務店は今日からハワイに社員旅行に行くというのだ。説得するためにレディースコーラスは彼らの前で歌った。感動したと社長の大河原(塩見三省)だが、それとこれとは別とバスに乗り込もうとする。飯塚は土下座をして頼むが、断られる。そこに現れたのは五十嵐と彼女が介護しているおばあちゃん・フク(渡辺美佐子)。彼女は大河原のお母さん。いつもよくしてくれる五十嵐のために工事を引き受けるように言う。
かくして文化会館の舞台改造工事が始まった。
しかし飯塚にはもう1つ問題が残されていた。らんちゅうだ。明日までにらんちゅうか200万を手渡さなければ行けない。飯塚に礼を言いに来た五十嵐は、飯塚からそんな話を聞かされ、1つの提案をする。五十嵐は市役所の警備員と顔見知りだというのだ。警備員を引き留めておく間に、市長室の鍵をとって忍び込もうというのだ。
それは問題があるという飯塚に対して、飯塚さんがらんちゅうを手にすれば喜ぶし、それでこっちの問題に専念できるようになって合同コンサートができれば私たちも喜ぶ。みんなが喜ぶんです。そう説得され、飯塚は市長室に侵入し、らんちゅうを盗み出すことに成功する。
そのらんちゅうを借金取りに渡すが、借金取りの女(ホステス)が、こんな魚と私とどっちが大事なの!とらんちゅうを放り投げてしまう。別れ際にホステスは飯塚さん好きだったよと言い残し、去っていく。
いよいよコンサート当日。無事にコンサートは開催された。飯塚の妻・さえ子浅田美代子や娘の夏子も来ていた。レディースコーラスのメンバーの塚田の息子は、喫茶店で働きコーラスをやっている母親を恥ずかしいと思っているが、ニートである彼もまた聞きに来ていた。
コンサートが進む中で飯塚は北京飯店の大田がいないことに気がついた。彼女は洋服のリフォームにミスがあり、お客さん(筒井道隆)から呼び出されたのだ。飯塚と加藤はそんな彼女を向かいに行く。
大田は加藤に連れられて急いで文化会館に向かう。一方、飯塚は片方だけ長いという袖を切ろうとしていた。「大丈夫なんですか?」と心配するお客に対して、「任せなさい。主任なんですから。」と答える飯塚。「このお店の主任なんですか?」「いいえ、文化会館の主任です。」そう答える飯塚。
袖を切った飯塚にお客さんがまつり縫いとかしないとほどけるでしょと言うが、そんな賑やかな縫い方知りませんよと答える。そこにさえ子が入ってきて、まつり縫いをやってくれることになった。
もう一度チャンスをくれないかという飯塚に、さえ子は首を縦に振った。喜びに泣き崩れる飯塚の携帯が鳴る。娘の夏子からだ。みんなが飯塚さんにお礼の曲を贈りたいと待っているというのだった。
●感想、思ったこと(ネタバレあり)
冒頭にも書いたように、どんな映画か全然知らずに行きました。平日レイトショーにしては結構人が入っていました。しかも女性ばっかり。男性はほとんどいません。そう言えばこの日はレディースデイか。レイトショーでこれだけ人が入っていると言うことは、結構おもしろいのかなぁ。と思いながら上映時間になるのを楽しみにしていました。
いよいよ始まり、あの独特な音楽がワクワクさせてくれますが、それとは裏腹にかなりゆる~い感じで始まります。ダメ主任と部下のやり取りに笑い、以後随所にちりばめられた笑い。原作(?)の志の輔とタクシードライバーとのやり取りも笑えました。
めいっぱいご都合主義ですが、笑いあり、温かみがあり、そして笑いで終わるそんなこの作品、とてもおもしろかったです。
歌は・・・。正直言うとコーラスガールズの練習場での「翼をください」を聞いた時はかなり心配になりました。ホントにママさんコーラスだなぁと。でも、それ以降はなかなか聞き応えがあったかも。最後のコンサート、もっときちんと聞かせてもらいたかったなぁ~。
そう言えば第九の時、安田成美って上手から入ってこなかったっけ?普通指揮者は下手からでは?
合唱をテーマにした(?)映画、うた魂も楽しみです。
ちなみに、日本の合唱だと、「おかあさんのばか」(病気で母親を亡くした子供の詩を合唱にした曲)っていうのが好きなんですけど、CDも売ってないし・・・。あとは黒人霊歌とか。。。5月にはウィーン少年合唱団のチケットも買った(チケットのお求めはこちら)し、楽しみです。
観て良かった度:●●●●● |
※1:当記事掲載時です。実際の送料は注文時にご確認ください。
この記事へのコメント
でも面白かったようで何より(^^)
私、この映画11月の中旬に観てもう終っているかと思っていたのに、まだ上映していたのですね(これってチッタで観たんですよね?)。
シネカノン系かと思うと、どうしても『フラガール』とか『パッチギ』的なローカルな人に焦点を当てて万人の気持ちを引き入れる映画を期待していたのですが、この映画は場所よりも人間の心にあるローカル性(「合唱」という)に的が絞られていて、合唱が苦手な私は溶け込めませんでした。
でも合唱モノでも、『うた魂』は夏帆ちゃんが出ているのですっごい期待しています(私の2007年度No.1は『天然コケッコー』なので)。
またまた関係無いけど、今日は『プライスレス 素敵な恋の見つけ方』を観て来ました。最近洋画をまったく受け付けなくなりつつありますが、この映画は結構良かったです。フランスのラブコメの王道って感じで。でも男の人に受けるかビミョーですが。
実はパッチギ観ていません。フラガールもまだ半分くらいで止まっています。(汗)
最近は「やばい、終わってしまうぅ~!」とあわてて見に行くパターンが多いです。映画を観ても、ブログに核時間がなかったり・・・。う~ん、今月乗り切れば少しは時間ができるかな。
お返ししようとしますも、どうにも受け付けていただけないようです。その代わりと云うわけではないですけれども、コメントを残させていただきます。
私も昨日観た映画が面白かったので挙げさせていただきます。
「ガチ☆ボーイ」は面白いですよ。もしポコッと時間が空いて劇場に足を運ばれましたならば、観賞作品の選択肢のひとつに「ガチ☆ボーイ」を加えてくださいませ。
TBできないと言うことでごめんなさい。NGキーワードを厳しめに設定しているのでその所為かもしれません。ごめんなさい。
ガチ☆ボーイですね。見たい物リストに付け加えておきますね~。