今年の1作目は マリと子犬の物語 でした。
で、チケット売り場でチケットを買う時、「マリ子と犬の物語」と言ってしまい、クスッとしながら「マリと子犬の物語ですね。」と言われた。実は主人公の女の子が「マリ子」で、マリ子と犬のお話なのだと勝手に思っていたのでした。いや~、お恥ずかしい。 |
●ストーリー(ネタバレあり)
新潟県山古志村、石川亮太(広田亮平)と彩佐々木麻緒はここに父親・優一(船越英一郎)と祖父・優造(宇津井健)と一緒に暮らしていた。母親の幸子はまだ彩がまだ物心つく前に亡くなっていた。
ある日、亮太と彩が遊び場である原っぱに向かってしりとりをしながら歩いていると一匹の犬が飛び出してきた。近くには「かわいがってください」と書かれた箱が置かれていた。しかし父親の優一は大の犬嫌い。亮太はうちじゃ飼えないよと彩を諭し帰ることにする。しかしその子犬はずっと彩のあとをついてきた。
彩は冷蔵庫から牛乳を引っ張り出した。それを見つけた優造は「彩、いつから牛乳飲めるようになったんだ?」返答に困る彩は「今から!」と答え、優造の隙を見て家を飛び出し、その牛乳を子犬にあげることにした。
もうすぐ彩の誕生日。彩は優造に欲しい物があるとおねだりする。「よ~し、何でも買ってやるぞ。」と言う優造に「本当に?」と念を押す彩。「70年嘘ついたことがない」と自信満々の優造だが、彩からことの次第を聞くと、「そりゃ、むりじゃろ~。父ちゃんは犬嫌いだからなぁ。」と困る優造。「70年嘘ついたことないんでしょ。」と言われ、優造はOKを出す。それを陰から見守っていた亮太はほくそ笑む。おじいちゃんを味方につける、これは亮太の発案だったのだ。
優一に見つからないようにお腹に犬を隠しながら帰ってきた優造。だが「何を隠しているんだ?また高い盆栽でも買ったんだろ。」と言う優一が、ジャンパーのジッパーを降ろす。「見ない方が良いと思うぞ。」と言う優造だが、優一は言うことを聞かなかった。
中から飛び出してきたのは犬。驚いて後ずさりする優一は、猛反対をする。「誰が面倒見るんだよ。だいたいじいちゃんだって子供の世話で手一杯だろ。幸子がいればまだしも。」と。
それを聞いた彩は「お母さんがいないから犬を飼っちゃいけないの?」そう言っては泣きながら飛び出してしまう。お母さんがいない寂しさを知っている彩は、お母さんもお父さんもいないその子犬の気持ちが痛いほどわかっていたのだ。
優一と亮太が彩を探すと、子犬がいた原っぱに彩は寝ていた。
優一も子犬を飼うことを承諾した。その犬はマリと名付けられた。2004年、マリも成長し3匹の子犬を出産した。マリの子ども達はグー・チョキ・パーと名付けられた。一方、優造は足を悪くし一緒に散歩に行けなくなっていた。彩と亮太はおじいちゃんのために杖になりそうな木を見つけに行った。なかなか良いのが見つからないでいるとマリが良い木を見つけてくれた。その木を「まほうのつえ」と名付けじいちゃんにプレゼントした。
10月23日、この日村役場に勤める優一は、長岡市との合併の仕事で長岡市に来ており、仕事を終えた優一は義理の妹の冴子(松本明子)のところに来ていた。冴子は時々亮太や彩の面倒を見るため山古志村の家にも来てくれるような存在だった。
亮太はこの日は学校の課外授業で学校にいた。彩と優造は家でお留守番だ。
夕方、マリはグー・チョキ・パーを犬小屋に入れ、急にほえ出す。彩と優造が何で急にほえだしたんだろう?不思議に思った矢先の17:56、急に家が揺れ出した。マグニチュード6.8の新潟県中越地震が山古志村を始めとする中越を襲った。とっさに優造は彩に覆い被さって守るが、倒れてきた家具に足をはさまれ身動きができない。その後も余震が襲い、家が全壊してしまう。
家族を心配する優一は急いで山古志村に戻ろうとした。しかし国道291号線、352号線、県道23号線、24号線、その他の道路すべてが土砂崩れで通行止めとなった。山古志村は文字通り陸の孤島と化していた。
学校にいた亮太は先生(小林麻央)の誘導で体育館に向かった。村の避難所である体育館には続々と村の人が集まってきた。しかしその中には彩と優造の姿はなかった。「じいちゃんは歩けないんだ。」そう言い家に戻ろうとする亮太だったが、先生に止められていた。
瓦礫の隙間から光が差し込んだ。夜が明けたのだ。しかし優造の体力はもう限界に近づいていた。もうダメだ。そう思った矢先、まほうのつえを咥えたマリが瓦礫の隙間から見えた。そうだ、頑張らなくては。
優一のところに村長(小野武彦)から電話があった。全村避難を決めたと。
自衛隊の救援が山古志村に到着した。自衛官の安田(高嶋政伸)らが生存者を捜していると、マリが走ってきた。「おまえと遊んでいる暇はないんだよ。」そう言う自衛官に対して安田は「飼い主がいるのか?」そうマリに訪ねる。するとマリは全速で走っていった。安田らはマリの後を追う。間もなく全壊した家に到着。安田らは生存者を発見した。なんとか助けられた二人はマリとの再会を喜んだ。しかし優造は出血多量で急いで輸血しないと危ない状況になる。
学校に避難したみんなは自衛隊のヘリで長岡の避難所に向かうところだった。「石川亮太君、亮太君いますか?」自衛官に呼ばれた亮太は、彩と優造が無事に助けられたことを知って喜ぶ。そして一番近いこのヘリが二人を収容することになった。
風が安定せず難儀したが優造は無事にヘリに収容された。次はマリの番だ。「マリたちも一緒だよね?」「ごめん。マリたちは連れて行けないだ。」
二人を収容したヘリはマリたちを残して飛び去っていった。亮太の彩が窓から下を覗くと、見えなくなるまでマリはヘリを追っていた。「マリー!」彩の声はむなしく消えていった。
誰もいない山古志村に取り残されたマリ。しばらくしていつも彩たちと遊んでいる広場に向かった。しかしそこにも彩たちはいなかった。マリは様々な危険から子ども達を守り、瓦礫の下から食べ物を探したりしていた。
避難所では、「自分ではどうしようもないこともある。生きていくというのはそう言うことを1つ1つ乗り越えていくことなんだ。」と亮太に言い聞かせる優一。「もうお母さんみたいに死んじゃうのはイヤだよ。」泣く彩に冴子は「お母さんって言うのは強いんだ。マリも強いんだよ。だからきっと大丈夫。」と言われていた。
11月8日、新聞に無人になった村で吠える犬の写真が載っていた。それはマリだった。マリはまだ生きている!喜ぶ二人だったが、天候不順が続く山古志村は、次に嵐が来れば洪水に巻き込まれてしまうことを知る。二人は山古志村に向かうことを決意する。
二人は土砂降りの中、道のない山を歩いていく。しかし彩の足からは血が出、熱も出てきた。二人は小屋に避難するが、身動きができないでいた。
二人の姿が見えないことに気がついた冴子と優一は二人を捜すがどこにも見つからない。そこに亮太の友達が泣きながら現れた。その子から二人が山古志村に戻ったことを聞いた優一は一人二人を捜しに向かう。忙しい時にみんなに迷惑はかけられないと。
山小屋にいるところを優一に発見された。「僕はまだ歩ける!」という亮太を説得した優一は彩をおぶって帰路についた。
一方避難所では村長が彩、亮太そして優一がいないことに気がつき冴子に質問した。わけを聞いた村長はみんなを集め、3人を助けに向かうことにした。それ以来二人はマリのことを話さなくなった。でも心では心配していた。
地震発生から16日後。2時間だけ一時帰宅が認められた。しかし戻れるのは一家につき代表者1名だけ。自衛官の安田は優一に「石川さんのところは代表者は決まりましたか?」と訪ねる。「もちろん私が行きます。」と答える優一。「石川さんには村役場の代表として同行していただくようにお願いしたはずですが・・・。彩ちゃん行くか?」「そんなこと・・・。」他に帰りたい人を探す優一だったが、逆に「俺は良いから亮太一緒に行け。」と権利を譲ってもらった。礼を言ってヘリに乗り込む3人。
16日ぶりに見る山古志村はひどいことになっていた。全壊する家も多く、中には水没する家もあった。山古志村に着地し、山古志村の人々は思い思いに家に向かう。
2時間たって長岡に帰ってきた一行。ヘリから降りてきたのはマリを抱く彩の姿があった。グー・チョキ・パーも一緒だ。再開を村人みんなが自分のことのように喜んでくれた。
●感想、思ったこと(ネタバレあり)
この前2007年のベスト10を選びましたが(記事はこちら。)2007年中に観ていたらベスト10に入れていたでしょう。
自分でも犬を飼っているのでもしかしたら過大評価なのかも知れませんが、別れの時は涙してしまいました。一人で観に来ていた隣の男性(ブロガーかな?)も涙していました。反対隣に座っていた男の子は興味なかったのか2,3回外に出たり、うるさいと親に怒られたり、イスの上で飛び跳ねたりしていましたが(興味ないのではなく照れ隠し?)、別の子供は「どうして(ヘリに)乗っちゃダメなの?かわいそうだよ。」と泣いていました。
この映画はもうコメントいらないでしょ。ストーリーはわかっていて観に行きましたが、それでも涙しちゃう。別れの時は悲しい、再開した時は生きていた良かった、会えて良かった、素直にそう思える作品だと思います。
子役の子は少々大げさな演技なような気もしましたが、でも、とてもうまくて、映画が始まってすぐに何の違和感もなく感情移入できてしまいました。今年1作目から良い作品に出会えて良かったです。子役と言えば、広田亮平君と佐々木麻緒ちゃんって、涙そうそうの幼少期の洋太郎とカオルを演じていた子なんだ。子供の頃の1年半って成長が早いねぇ~。
一つ欠点を言うと「マリと子犬の物語」と言う割には、グー・チョキ・パーのことはあまり出てきませんでした。実は正直言うと南極物語のようにもっと長い期間だと思っていたのですが、16日かぁと思ってしまいました。南極物語は南極でひと冬ですから!でも実際には子犬は前日に生まれたばっかり。そんな子犬と言うより赤ちゃん犬を守ったってのはすごいよなぁ。
そう言えば、アイ・アム・レジェンドではエンドロールに犬であるサムのキャストもでていましたが、この映画は犬のキャストはでていませんでしたね。ちなみにマリを演じたのはイチというわんちゃんだそうです。うちの犬はピンチになったら助けてくれるかなぁ?トリビアの泉って番組で飼い主がピンチになった時にどのくらいの犬が助けてくれるかを調査していましたが、その番組もやらせでしたね~。
ちなみに私の運営しているサイトのアフィリエイト収入から地震発生の6日後に日本赤十字社を通じて義援金を贈らせていただきました。2007年7月16日に発生した中越沖地震の被災者の方へも2日後に同じく日本赤十字社を通じて義援金を贈らせていただきました。被災にあわれた方にはお見舞い申し上げます。またアフィリエイトから義援金を送ることができるのは、私の運営するサイトや当ブログにお越しくださっている皆さんのおかげです。ありがとうございます。今年は災害のない年でありますように。
観て良かった度:●●●●● |
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この記事へのコメント
今年もよろしくお願いします♪
犬、大好きなんです。柴犬を飼っていたので、この映画は気になっていました。ハッピーエンドなら見たいなぁ。死んじゃうのは、泣けて泣けて…見ていられないんですよ~。
大丈夫ですよ~。泣ける映画ですが、ハッピーエンドですから。ハッピーというと被災者の方には申し訳ないですが。
犬好きなら、「犬と私の10の約束」も・・・。でもこちらは、死んじゃう映画ですけど。
http://www.inu10.jp/
犬の十戒を読んだだけで涙腺がゆるみそうです。
いつもTBいただきありがとうございます。
お返しばかりで申し訳ないと思いながら甘えております。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
泣かされるとわかっていて泣かされちゃうんですよね。
犬!しっかり演技するんですね、すごいなあ。
なんて別の感動もさせてもらいました。
犬の演技はすごいですよね。瓦礫を咥えてどかそうとするシーンがありましたが、あのシーンは犬の調教(?)をやっている方も意図しなかった仕草だったそうですよ。
と言うわけで、今年もよろしくお願いいたします。
こどもと、動物を使ったちょっと涙を誘うお話です。
印象は2時間のTVドラマと大差なく、劇場で観た優越感はあまりなかったです。
実話を題材にした作品の限界が感じられ、フィクションでもっとクオリティーの高いエンターテイメントが作れそうな気がしました。
しかし、記録的要素の強い、実話の足かせがありながらも丁寧に作られており、悲劇ではありますが、希望も持たせてくれる、演出は好感が持てました。
でも、映画の状況からは「犬、連れてけよー、連れていけないかなー?」って感じでした。
最近の「涙映画」の中では好きな作品です。
日本映画には、子供と動物の絡みがある映画はヒットするというジンクスがあるそうです。
「犬と私の10の約束」という映画がもうすぐ公開ですが、こちらもちょっと観てみたいです。
う~ん、災害映画と言うほど災害のことは出ていなかったからなぁ~。被災者の方はあの映画から伝わってくる雰囲気の何百倍も苦労をされていると思いますので。
「連れて行ってあげなよ~」とは僕も思いました。でもあの状況で4匹は無理だろうなぁ。避難後数日はおそらく忙しいだろうから犬を連れて帰ったところで知り合いに預けに行くことも避難所で飼うこともできなかったかも知れませんし。16日後というちょっと余裕が出てきた時に連れて帰れたからこそ知り合いに預けに行く時間もとれたのかも知れません。(映画ではわかりませんでしたが、実話では知り合いに預けたらしいです。)
「犬と私の10の約束」は犬の十戒を読んだだけで涙腺がゆるみそうでした。