ブックレビュー:続弾!問題な日本語
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第1弾を読んだ時は、その日本語が正しいか、間違っているのか、どうして間違っているのかという解説のみならず、どうしてそういう問題な日本語が使われるようになったのかと言うところに主眼をおいて解説しているところが気に入って読んでいました。テレビのバラエティ番組でやっているような日本語のクイズの解説みたいなものではなく、もっと突っ込んだ内容がこのシリーズの特長です。
第2弾である本書も同じです。第1弾は「こちら和風セットになります」のような気になる日本語35個、「充分VS十分」のようなどっちを使うのが正しいのか?という108個について解説していました。
第2弾である本書は気になる日本語が31個、90どっち?を解説しています。解説している日本語の数は減っていますが、ページ数は増え、より詳細な解説になっています。
もちろん第1弾でもあったマンガもあって、読みやすい構成です。
僕も「おかしいよなぁ~」と思う日本語の解説として「千円からお預かりします。」「~~してもらっていいですか。」などがありました。逆に「えっ?これのどこがおかしいの?」と思う日本語もいくつかありました。例えば「違和感を感じる」「故障中」「コーヒーの味にこだわる」「お申し出ください」などなど。その他にも、おかしいのは間違えないが、どういう意味なのか、どうしてそう言う言葉が使われるようになったかなどを解説した言葉として「ら抜き言葉」「やばいよ、この味」「普通においしい」「まじ」「間違ってるっぽい」などがあります。
1つだけ簡単に解説すると、「千円から」の部分と「預かる」部分の2カ所がおかしいと感じる人がいます。預かるのは、誰からであって、千円札が何かを出してくれるわけではないからです。これは1つの解釈は、店にとって客の人格は関係ない。店にとってはお金が一番大事で、お金はお客と対等であるから「千円から」と言うことができるというもの。2つめは、まずは千円を預かってそこから代金を差し引かせてもらうという意味合い。でも「千円ちょうどからお預かりします。」と言われる場合もあるので、それはおかしい。著者の北原 保雄さんの意見は、小銭を出す場合もあるが、まずはお札から出す人もいるため、「とりあえず千円から」「まずは千円から」という意味ではないかというものです。
後者の「預かる」に関しては、あとで返してくれるのか?と解釈もできます。スーパーなどで買い物をすると、お札はレジにマグネットで止めて、小銭はお皿などに一旦置きます。これは千円出したのに、あとになってお客から1万円だったと言われるようなことのないようにするためです。おつりを渡してからお客からもらったお金をレジにしまいます。つまりまだ料金をもらったわけではなく、一旦預かっている状態です。しかしそう言ったシチュエーションではないお店でも使われているので、変だと思う人が多い、もしくはお客からするとレジにマグネットでとめておいても、店員にお金を渡した時点で料金を取られたという感じがするので、すんなり頭に入る日本語ではないのかも知れません。
その解説を食堂で読んでいたのですが、料理を食べ終わってお会計の時、「650円です」と言われ、650円ちょうどを出しました。すると「650円ちょうどをお預かりいたします。」そう言ってレジに入れました。あまりにもタイミングが良かったので、思わず笑ってしまいました。この食堂は東京大学の中にある食堂。まだ若かったので大学生かな?と、するときっと東大生。なぜ笑われたのかわかっていないだろうな~。(笑)
僕個人的な意見ですが、スーパーやコンビニであっても、高校生のアルバイトやパートのおばちゃんは、口では丁寧な言葉(変な日本語?)を使っていたとしても、客を客として見ておらず、金を置いていってくれているだけの人、あるいはもう人とも思っていないのかもしれません。自分の使命はレジを打つだけと思っており、それが応対態度に出ているからこそ、店員にお金を渡した時点で、その店員が預かっているのではなく、もうすでに料金を取られたと感じてしまうのかも知れません。
その他の丁寧(そうに思える)言葉も、言葉の丁寧さと態度が違っているため、よけいにおかしな日本語に聞こえるのではないでしょうか。
ちなみに解説している執筆者は5人。北原保雄さんの解説はとてもわかりやすいのだが、小林さんは僕と相性が悪いらしく読んでいてよくわからなかったり、つまらなかったりするんですよね~。白黒つけるのが嫌いなのか、中途半端な解説で終わっているんですよ。だから答えがきちんと出るのが好きな理系の僕にはあわないのかもしれません。
突然ですが、とればとるほど増えていくものは何でしょうか?
答えは写真。
えっ?トシ?
そんなのは取るに足りない問題ですね~。
続弾!問題な日本語のマンガより。。。
この本とは関係ありませんが。。。
客「天ぷらうどんください」
店員「うどんとそばがありますが・・・。」
客「天ぷらうどんください」
店員「では、うどんの方でよろしいんですね?」
客「ですから、天ぷらうどんください」
店員「確認いたします・・・」
客「しなくていいから、天ぷらうどんください」
店員「天ぷらをうどんのほうで。おひとつでよろしいですね」
客「天ぷらうどんを、うどんのほうで。私は一人ですから、ひとつください」
うどん屋で、「天ぷらうどん」とひとこと言えば、うどんが出てくる時代は終わった。。。
続きはは日経BPの記事(日本人はバカになったのか?)で。
読んで良かった度:●●●●○ |
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