ヒット作 恋空 観てきました。
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●ストーリー(ネタバレあり)
高校1年生の美嘉(新垣結衣)は夏休み前に携帯電話を落としてしまう。友人の亜矢(波瑠)に自分の携帯に電話をしてもらうが見つからない。「図書室かなぁ?」美嘉が図書室につくと、携帯の着信音が鳴った。携帯を見つけた美嘉は電話に出る「亜矢、あったよ。」しかし電話の主は亜矢ではなく、見知らぬ男性だった。電話を切ってチェックすると、留守電も履歴もすべて消されていた。
夏休みに入り、その誰だかわからない電話の相手からメールや電話が毎日のように来るようになった。最初はとまどいながらも、次第にどんな人なのか、誰なのか興味がわくようになる美嘉。
いよいよ明日は始業式。そんな時また電話があった。始業式が始まる前にプールに来て。1日遅れの誕生日を祝ってあげるよ。
美嘉は慣れない化粧をして、期待と希望を胸にプールサイドに向かう。しかしそこに現れたのは想像とは違った金髪の男子だった。彼は花を差し出すが、花がかわいそうだよと言い、美嘉は逃げるように立ち去る。
彼の名前は桜井弘樹(三浦春馬)。通称ヒロ。一見怖そうだったが、かわいそうだと言った花を花壇に埋める姿を見て、美嘉も次第に彼に惹かれていく。
つきあうようになり、二人は結ばれる。しかし想像越える出来事が起こった。デートの待ち合わせをしたいた時、美嘉は見ず知らずの男に拉致されて強姦されてしまう。ヒロの元カノが腹いせにやらせたことだった。傷ついた美嘉だが、ヒロの深い愛に支えられ、次第に立ち直っていく。
そして、美嘉はヒロの子供を妊娠した。不安を抱えながらヒロに告白する。するとヒロは急に立ち上がり去って行ってしまう。しばらくして美嘉が帰ろうとする時ヒロは戻ってきた。「俺らの子供を産んでくれ。」ヒロは自分の親に報告した。「高校やめて働く。」そういうヒロに対して父親・博一(山本龍二)は「幸せにする自信はあるのか?」そう問うと、「自信じゃねえ、幸せにしてやるんだよ。」と答えるヒロ。両親からの了承を得た。次は美嘉の親だ。美嘉の親もいい顔はしなかったものの了承を得ることができた。
そんなある日、ヒロの元カノの咲(臼田あさ美)が美嘉の前に現れた。「隠れて嫌がらせをするんじゃなく、正々堂々とすれば。ヒロを愛する気持ちは負けないんだから。」こわがりながらもそう言う美嘉だが、咲に突き飛ばされてしまう。
クリスマスイブ。ヒロは赤ちゃんのために手袋を買ってきた。また男の子かも女の子かもわからないのに。幸せな美嘉だが急に腹痛を起こし病院に運ばれる。赤ちゃんがお腹の中で死んでしまっていたのだ。そうとは知らないヒロはお百度参りをして、安産のお守りを買ってくる。「もう美嘉の中に赤ちゃんはいないの。」泣きながらヒロに報告する美嘉だった。
手袋を例の花壇に供えた。ここが赤ちゃんのお墓。毎年来ようと誓い合う二人。
しかし2年になった頃から急にヒロは冷たくなった。別れ話を持ち出されたが、美嘉は納得いかなかった。そうは言っても復縁できるわけでもなかった。
亜矢が元気のない美嘉を心配して「男を忘れるには男」と、クリスマスイブに合コンをセッティングした。合コンの気分に慣れない美嘉は途中で抜け出して、お墓にお参りに行く。それをなにも聞かずに見守ってくれた優(小出恵介)とつきあい始める。回りを巻き込む激しい「川」のようなヒロとは違い、優は大きな優しさで何でも受け止めてくれる「海」のような存在だった。
翌年のクリスマスイブ、美嘉は赤ちゃんのお参りに向かうと、そこでヒロに出会った。今まで帽子なんかかぶらなかったヒロは帽子をかぶっていた。「マイブームなんだ。」そう言って立ち去るヒロを美嘉は追いかけようとしたが、結局優のもとにもどっていく。
さらに翌年のクリスマスイブ。例によって赤ちゃんのお参りに行くと、ヒロの親友で亜矢の彼氏のノゾム(中村蒼)がヒロのかわりにお供えをしていた。「ヒロに頼まれて。あいつ、自分で来られないからって俺に手袋を100個も渡すんだぜ。俺だってそんなに生きられないって。」続いてノゾムの口から出た言葉は信じられない言葉だった。ヒロは高2の頃から癌に冒されていた。だから美嘉と別れたのだった。
すべてを聞いた優は「泣き出す前に早く行けよ。」と美嘉をヒロのもとへと向かわす。
美嘉は大学を休学し、ヒロの看病をすることを決意する。
●感想、思ったこと(ネタバレあり)
今さら言う必要はないけれども、原作は携帯小説。2005年12月に登場して「切ない」「泣ける」と口コミで広がって書籍化。発売1ヶ月で100万冊以上売れたという文字通りメガヒット。嘘かホントかは知りませんが、著者の実体験をもとに書かれたそうです。映画も予想を大幅に上回り、公開からもうじき2ヶ月たちますが、未だに上位にランクイン。11/3~11/9までの興行収入は、ALWAYS 続・三丁目の夕日には若干負けますが、32億円(ALWAYS 続・三丁目の夕日は36億円)。そのすごさがわかると思います。
評判もとても良かったことから「観に行かなきゃ~」と思っていたのですが、今の時期になっちゃいました。
僕は純愛ものも好きなんですが、単刀直入に言うとこの映画、だいぶ退屈でした。goo映画によるみんなの評価の平均点は46点(この記事執筆時)。メガヒットと言われる割には低めです。
なんで退屈だったか。まず感情移入できなかったからでしょうね。携帯拾ってくれた人が、メールやアドレス帳全部消して、毎日のように電話やメールくれたら、うざくない?ウザイ奴だなぁと思っていたら、あれ?好きになっちゃうの?って感じでした。僕ならまず間違えなく3日目にはアドレスと番号変えていますね。
そして・・・。学校のしかも図書室で・・・?!?!今時の高校生ってそうなんですか?おじさんには理解できない展開。そしてそこからいろいろな悲劇が降りかかってきます。レイプ、流産、親の離婚の危機・・・。1つ1つの事件が悲劇なのに、これが全部襲いかかってくるなんてホントに実話なら相当につらい人生でしょうね。でもこの映画からはそんな悲劇に思えないんですよね。主人公の美嘉が強いからと言われればそれまでかも知れませんが、1つ1つの事件が薄いんですよね。これじゃ全然感情移入できないよ。
監督は今井夏木さん。今まで演出などをやっていましたが、監督は初めて。演出家時代はタイヨウのうたなど泣かせる作品も手がけてきたんだから、もうちょっとマシな作品をつくって欲しいです。
退屈な映画に耐えられたのは、新垣結衣ちゃんのかわいらしさのおかげでした。
ところで、ヒロの姉、結構ひどいこと言ってますよね。流産のあとヒロが学校に来なくなって、美嘉が家まで行くと「まだ流産のことから立ち直れないみたいでさあ。」って。流産が原因じゃないのに、流産の所為にするなんて結構ひどい奴だなぁ。もちろん「癌で落ち込んでいる」とは言えないだろうけど、それを美嘉が気にしている流産の所為にするなんて。。。話は変わりますが、癌についてです。高校2年生で発病するってことはおそらく遺伝性。
高校の生物で習いますが、遺伝子は父方、母方から一本ずつ遺伝子をもらい、1対になっています。癌はこの遺伝子が傷つくことで起こりますが、同じ遺伝子を2つもっているので一方が傷ついても癌は発症しません。これが2本とも傷つくと癌になります。2本とも正常な遺伝子なら2本とも傷つく可能性は低いので癌になるとしても年をとってから。一方、遺伝性(家族性)の癌はすでに1本が傷ついている状態の場合で、もう1本が傷つくとすぐに癌になってしまうので比較的若い時に発症しやすいのです。
しかし、ヒロの父親も母親も、姉も元気そうなので、両親に遺伝子変異があったのではなく、精子あるいは卵子に突然変異が起こった新鮮突然変異と考えられます。未成年でタバコを吸っているなど本人が悪い部分もありますが、確率的にはかなり低い現象なので、本当にかわいそうです。
観て良かった度:●○○○○ |
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この記事へのコメント
会社の女の子(20代新妻)が観に行って号泣したと言うので、思わず「若いねえ。」と...
わたしが見たときもまわり中の若者がすすり泣くので引いてしましました。(笑)
本当にひどかったですね。この作品が若い世代を中心に支持されているというのは何とも恐ろしい話で・・・。
そういった危機感を想起させるという意味では、非常に有用だったのかもしれません。他の弊害はその数倍あるでしょうけど。
多分多くの方が酷評されている中で唯一最高評価をしたであろう当Blogですが、私もおじさん世代なので2人の世代じゃないのですが、そこまで評価した一因というのは私は心理的な部分と私の経験というのが理由です。
人は9割は外見で判断するものですが、おそらく外見だけで判断したら何故10代20代がこの映画で涙するか理解できないでしょう。しかし心理面から見たらこれだけの経験をしても生きている、そしてこれだけの経験をしても愛し合った2人がいたということじゃないでしょうか?外見しか判断できなかった大人の酷評と内面を観て感動した若い世代というのがこの映画の評価が2分化した原因だと思います。
まあ、良かった良くなかったは人それぞれだと思いますが、この程度でそんなに感動する人が若い世代に多いと言うことは、映画離れ、本離れが多いと言うことでしょうか。それだったら深刻化も知れませんが、若い世代はみんな幸せだからと考えれば良いことかも知れません。
日本の映画の質が下がらないことを祈ります。あと、この新人監督さんのレベルアップも!
●PGM21さん、コメントありがとうございます。
なるほど。
女性と男性で感動するポイントが違うのは前々から言われています。男性は客観的に見る。女性は主人公を自分に当てはめながら見る。だから女性の場合は自分が美嘉になったように思うらしいんですって。だから物語に含まれていないこともトータルで考えてしまう。男性はそこに含まれていることがすべてで他を含めないらしい。
若い世代と僕らおじさん世代でもそう言ったことが言えるのかも知れません。
そう言うことを理解して監督などスタッフがターゲットを若い世代に絞ったというのなら、すごい監督なのかも知れません。