ミッドナイトイーグル 観てきました
クリスマスイブのレイトショーだったのですが、映画館の外はカップルがいっぱい。でもレイトショーの映画館の中は、僕を入れて4人。しかも全員シングル。妙に連帯感を感じてしまいました。。。かな? |
●ストーリー(ネタバレもろあり)
戦場カメラマン西崎優二(大沢たかお)は、戦場の真っ直中一人の少年に出会う。彼はその少年にお菓子を手渡し去ろうとした。その瞬間爆撃が起きた。優二が振り向くと少年の姿はなく、崩れ去った建物の瓦礫とお菓子がそこにあった。
それがきっかけとなり、優二は戦場の写真を撮るのをやめ、山にこもるようになる。その日も冬のアルプスに一人入山し、星の写真を撮っていた。
テントの中で休んでいる優二はすさまじい轟音を耳にする。カメラを片手に外に出ると空を駆け抜ける赤い光を目撃し、思わずシャッターを切っていた。優二は直ちに下山し、東洋新聞社に勤める後輩・落合(玉木宏)に連絡をとる。落合は同様の連絡があったことからすでに自衛隊に確認をとっていた。練習機が南アルプス上空を飛び、直ちに基地に帰還したと言うことであった。しかしそれは謎の赤い光を追っていた方だった。
「総理、緊急事態です。」そう言って総理大臣・渡瀬(藤竜也)が呼ばれた。米軍の横田基地に東洋人の工作員が侵入。その後横田基地から飛び立った通称ミッドナイトイーグルと呼ばれるステルス戦闘機が北アルプス上空で消息を絶ったというのだ。しかもミッドナイトイーグルには恐ろしい積み荷が搭載されていた。
総理はすぐに国家安全保障会議を緊急招集し、自衛隊の特別部隊を編成し、機体回収へと向かわせた。しかし北アルプスは吹雪に見舞われ、ヘリコプターなどは使用できず麓から徒歩で向かうことになった。
一方、落合は夜中に優二のもとを訪ねる。謎の赤い光に魅せられていた彼は自衛隊が出動する情報を聞きつけ、北アルプスに向かうことを決意したのだ。落合は、優二の義理の妹で、雑誌WISEの記者である有澤慶子(竹内結子)に霊の写真の分析を依頼した。上司を殴って地方に異動させられた落合は、本社の調査部門には頼めなかったためだ。そしてその足で二人は入山禁止の北アルプスに向かった。
登り慣れた北アルプスは、今日は雰囲気が違っていた。登山口には自衛隊が張り付いており、とても入山できる状態ではなかった。しかし二人は自衛隊のいない裏口から入山することに成功する。
東京・週間WISE編集部もいつもとは違っていた。アメリカの様子がいつもと違うためだ。サミット参加中にも関わらず帰国し、日本との交渉も大幅に譲歩してきた。何かあるに違いないと編集長の宮田(石黒賢)はやきもきしている。
そんな中、慶子に送られてきた写真の分析結果が出た。ステルス戦闘機だった。アメリカの行動と横田基地との事件、そしてステルス戦闘機をくっつける証拠が欲しい。宮田は独自のコネを使って横田基地に潜入した工作員の居場所を突き止め、慶子たちに向かわせる。
しかし慶子が向かうと工作員の平田(波岡一喜)は瀕死の重体で話を聞くどころではなかった。一緒にいたチヘ(金子さやか)と共に安全なところに移動させかくまうことにする。北アルプスを登る優二と落合は、途中で武装した自衛隊を見かける。優二はこれはただごとではないと直感する。夜になり二人はテントで休むが、その時何者かの襲撃を受ける。無線で襲撃を受けている事実と東京の有澤への伝言を頼む。「写真を公表しろと。」
なんとか逃げ切った二人だが、優二は下山するという。しかし、落合は上司を殴った経緯を話し始めた。自分が追っていた事件を上司にやめるように言われたのだと。もう二度と逃げたくない。
二人はさらに上ることにするが、自衛隊が何者かにねらわれている場面に遭遇する。このままでは自衛隊は全滅してしまう。そう思った優二は「逃げろ」と叫ぶ。
しかし時すでに遅し。自衛隊は1人を除いて全滅。しかし工作員たちも全滅する。自衛隊の佐伯三等陸佐(吉田栄作)に接触した二人は、佐伯からステルスのこと、特殊な爆弾が積まれていたことを聞かされる。そして工作員はその爆弾を爆発させようとしていることも。もしそうなれば北アルプスから東側は壊滅状態になってしまう。東京にいる慶子も、慶子に預かってもらっている自分の息子・優も、命はないだろう。二人は佐伯と共にステルスまで行くことを決意する。
敵の襲撃に遭いながらも3人はなんとかステルスにたどり着いた。しかしすでに起爆装置は作動しており、その解除にはパスワードが必要だった。
その頃東京では平田とチヘが慶子たちの目を盗んでホテルから逃げ出した。チヘに渡したGPS携帯を頼りに後を追うと何者かに捕まり殺されそうとしているところだった。慶子らは助けようとするが怪我を負った平田は慶子にマイクロチップを手渡し、敵を食い止めるため手榴弾を爆発させた。
チヘを連れて社に戻る最中家に寄る慶子だが、家には編集長と公安がおり、優と慶子は官邸に呼ばれた。事の真相を聞かされた慶子は、平田から受け取ったマイクロチップを渡した。それは直ちにパスワードの分析に回された。2時間が経過し、パスワードが解読された。そのパスワードは直ちに佐伯に伝えられ起爆装置の解除に成功した。しかし佐伯が外を見ると、敵が戻ってきていた。再度起爆装置を作動させるためだ。3人は応援が来るまでこの場所を死守しなくてはならない。敵の数は無数。しかもロケット砲まで用意していた。しかも依然として吹雪は収まらない。ヘリで応援を送るが、ロケット砲と吹雪に阻まれ着陸できずに退却してしまった。
残された道は1つ。優二は首相にナパーム弾を投下して欲しいと言う。渡瀬は優に「悪いのはすべて私だ。この顔を覚えておくんやで。」そう言って日本海にいるアメリカ軍空母にトマホーク発射の依頼をする。
「パパ。今度いつ帰ってくるの?」
10分後、ステルスから送られてくる映像は砂嵐に変わった。
●感想、思ったこと(ネタバレもろあり)
友達から「あの映画観た?えっと、名前が出てこない。あの織田裕二が出ている・・・」普通なら椿三十郎って答えるんだろうけど、その人はそう言う趣味じゃないので、「もしかしてミッドナイトイーグル?」と答えると、どうやら正解だったらしい。「(織田裕二が出ている)ホワイトアウトに似てる奴」って言いたかったらしい。椿三十郎と答えずにミッドナイトイーグルと一発で当てた僕もすごいなぁと思いつつ。
ホワイトアウトを観た時は、どうも迫力が足りず、やっぱハリウッドに比べて予算の少ない邦画でこういう映画は作っちゃダメだなぁと思いました。ヒューマンドラマの要素も入っておらず、全くもって見所不足でした。
まあ、本作もそれほど迫力があったわけではないけれど、ヒューマンドラマの要素が入っていてホワイトアウトよりは楽しめました。
ストーリーはベタすぎ。ベタなのも好きなので個人的には楽しめましたが、他の人の評価はわかれるでしょうね。特に起爆装置を解除して敵が出てきた時にはアルマゲドンにはならないでね~!っと心の中で祈ったのですが、結局なっちゃいましたね。「あ~あっ、やっちゃったぁ」っていう感じです。
これが日米同時公開ってちょっと恥ずかしいな。
突っ込みどころは。。。
陸上自衛隊のお出まし遅くない?あんな爆弾を搭載しているのだから、ステルスが墜落した直後に陸上部隊の手配が行われるわけですよね。習志野から数時間後には自衛隊の陸上配置はとっくに終わっていなくてはいけないわけです。一方、西崎勇二がステルスの写真を撮って、下山して、現像して、落合に見せる。1日で下山できたとしても1.5日は経過しています。西崎と落合がアルプスに向かう時、今まさに陸上配備をしている最中でした。自衛隊の行動の遅さが目立ちます。
そして落合のコート。赤色って敵にねらわれているのに目立ちすぎでしょ。死んでしまった陸上自衛隊の装備をもらいなさい。ついでにためらいもなく撃ってくる人たちですから緊急事態です。銃ももらっちゃいなさい。ねらわれているって自覚あるんですかね?
ねえ、西崎さん、カメラマンなんだからもっと写真撮ろうよ。自衛隊が上っているシーンとか、双眼鏡代わりに除いているだけでなく写真撮らなきゃ。そのために入山したんじゃないの?写真撮ったのが墜落したステルスのみ。落合にフイルム渡して、これ持って逃げろって、大した写真撮れてないじゃん。
佐伯陸佐も仲間が死んでいるのを見つけますが、せめてうつぶせにしてあげようよ。雪山で遭難などして死ぬ場合はうつぶせになるのが基本です。(そんな余裕があるのかは遭難したことないので知りませんが。)仰向けになって死んでしまうと、春になって捜索隊が遺体を見つける頃には日光に晒されて見るも無惨な姿になってしまうのだそうです。
まだまだあります。西崎たちが襲撃された時に無線連絡したのはアマチュア無線。佐伯は無線連絡しているのを聞いたから西崎の名前を知っていると言っていましたが、なんで陸上自衛隊がアマチュア無線を傍受しているんだろう?
さらにステルスについて無線を使う時、バッテリー見つけたと言っていたけど、ちょうど良いコネクタの電源があるのが都合良すぎだが、バッテリーにつないだ瞬間受信感度が上がったことが不思議。通常無線機は外部電源につなぐと送信出力はあがるけど、受信感度はかわりません。そもそも自衛隊が持っている無線を使わずに、なぜアマチュア無線を使うのか?
起爆装置を解除して、敵に襲われるシーン。まず起爆装置のコンソールを破壊しようよ。そうすれば敵の手に渡っても少なくともすぐには起爆装置を作動させることはできず、時間稼ぎができるでしょう。
そしてトマホーク。日本の首相が「トマホーク発射!」ってなに米軍に命令出しているんだよ。おまえができるのは命令ではなくて依頼だろ。アメリカ大統領に依頼して、大統領が命令を出すんでしょ。シーケンスが違うでしょうが。
アメリカ軍もいくら自分がまいた種だとしても、いくら日本から依頼があったとしても、日本の領土にトマホークなんて撃ったら、隠蔽したかったステルスの墜落どころじゃないんじゃないの?
最後に、吹雪で応援が来られないはずだったのに、トマホークが来る時はとてもきれいな朝日でしたよね。トマホークじゃなくてヘリを飛ばせよ。
観て良かった度:●●●●○ |
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この記事へのコメント
落合の赤、私も非常に気になりました…ああ、雪山に映えるなぁ…って(笑)
ベタながらも、けっこう楽しく鑑賞できたのですが、ツッコミどころはたくさんある映画でしたね^^;
ベタだからこそ安心して観られる作品であり、不満を口にしながらもある程度満足できた作品でしたね。
ほんとにつっこみどころ満載の映画でしたが、無線とかバッテリーとか、機器のことには気づきませんでした。そんなとこもへんだったんですね。
そしてあけましておめでとうございます。
一応技術者なので、そう言ったところに気が行ってしまいます。だって自分が同じ境遇になった時に、無線使えなかったらショックじゃないですか。(笑)
大変興味深くこちらの記事を拝見させていただきました。
突っ込みどころは満載、けれどもそこはさらりとかわしながらも何気に楽しんで映画を観ていました。
今年もよろしくお願いします。
そうですね。この映画はあら探しするのではなく、単純に楽しめればいいと思う作品でした。
それでは今年もよろしくお願いいたします。
う~ん、皆さんのコメントが総てです。
同じ、雪山映画なら「銀色のシーズン」の方が「らしい」映画ですね。
「アルマゲドン」を観てしまっているアメリカ人に何処を観ろというのだろう。「今、日本で活躍している映画俳優の一部の人を
紹介します~。」みたいな映画でしたなあ。
> 今、日本で活躍している映画俳優
と言うには微妙な俳優のような気がします。
似た映画はありますが、お正月映画としてはまあ、楽しめる作品ではないでしょうか。