ブックレビュー:スナップ写真のルールとマナー



 今回の本はスナップ写真のルールとマナーを読みました。

 最近は本を買ってから読み始めるまでに時間がかかるので、一昔(と言うほど昔ではないが)の本の紹介がこの本は今年の夏に出たばかり。

 僕も趣味で写真を撮りますが、ブログ用としてではなく、「写真」という作品としてとるのは風景や海の写真ばかり。お祭りに行ったりブログ用としては人が入る写真も撮るけれど、基本的に人が入る写真は撮らない。(当ブログの写真関連の記事はこちら
 ブログでの発表の場合は顔をぼかすことで肖像権の侵害は免れるだろうけど、コンテストに応募したり、きちんとした作品として発表したりする場合はそうもいかない。僕は人をとるのは苦手だからそういうシチュエーションは少ないけれど、人の表情をとるのが好きだという人はきっと困ってしまうのでしょう。
 この本は、肖像権と著作権について、Q&A形式で答えていく本。例えば「明治神宮の花菖蒲田で写生をしている人たちが目にとまり、都会の中のオアシスを感じさせる情景を撮影したが、これをフォトコンなどに出しても問題ないか?」「家族で行ったテーマパークでキャラクターと撮った写真をブログでアップしたいが」「子ども達を誰だか特定できないように(興味でなく作品として)後ろから撮ったが学校側からクレームをつけられた」というような質問に、日本写真家協会の理事らが答えるといった感じです。

 ただ、同じようなことが何度も書いてあるので、219ページの本ですが、半分くらい読んでくるとだんだん飽きてくる内容でした。1章を読んでいると「次の章で解説しますが」と言うようなのが何ヶ所も出てくるし。そんなに後を参照する必要があるなら、構成考えろよと言いたくなります。

 本書をまとめると、写真を撮る前に許可を得ましょう。許可は会釈程度でもOK。事前に許可を得ると自然な表情じゃなくなるなどの場合は事後でも良いから許可を取りましょう。一般には開かれた空間(行動や公園などで一般の人が普通に見ることができる屋外のような場所)での撮影は撮っても良い。発表する時は、自分が逆の立場ならいやがるようなシチュエーションじゃなければOK。有名人の場合は写真自体に商品価値があるので肖像権とは別にパブリシティー権があるので、私的利用以外は気をつけよう。マナーを守らない人が多いから、肖像権などが社会問題になってきた。きちんとマナーを守ろうね。「撮らせてもらってありがとう」という気持ちで撮影しよう。というくらいの内容が、219ページにわたって書かれています。

 しかも、日本写真家協会の人たちが書いているだけあって、解釈が写真家よりにも感じます。
 例えば「海外で撮影した初老の夫婦がとても良い写真なのでパンフレットに使いたいが大丈夫か?」という質問に「撮影時に会釈して撮らせてもらったこと。その会釈を暗黙の了解と拡大解釈して使う以外に方法はありません。」と答えています。もちろん原則はその場で許可を取っておくことだが、すべてがそうできるものではないと断った上ですが。
 写真について知らない人がカメラを持っている人に会釈をされたからといって、それがフォトコンに出される、ウェブで公開されるなどと考えないと思います。これを写真家が勝手に拡大解釈してポスターにするのは大丈夫だろうとか、勝手な解釈するのは写真家のエゴ何では?と思ってしまうような回答もあります。
 また、「公園で保育園児を撮影したら、保育士から撮らないでと言われた。それ以降は撮っていないが、注意される前に撮った写真を公表しても良いか?」という質問に「今まで撮った写真も公表するなと言われたわけではなく、保育士の注意を聞いてすぐに撮影をやめたので、撮影行為のモラルは守られ、すでに撮影した写真まで言及されていないと考えられます。」という回答があります。でも、自分の子供が知らない人から写真を撮られていて「撮らないで」と注意し、それが聞き入れられたら、まさか今まで撮影していた写真が公表されるとは思わないと思います。
 この2つは同じ人が回答していますが、人によって回答のポリシーが若干違い、特にこの2つを回答した人は、だいぶ自分勝手な解釈をしているように思えます。

 正直、半分も読めば飽きてくる内容で、回答も新鮮味がないような内容でしたが、1つだけ、へぇ~と思ったのが回答者3人の対談で、神事に関すること。これ、この本を読まなかったら、知らず知らずにマナー違反してたなぁ。知らないって恐ろしい。。。
 えっ?どんな内容か?それはこの本を読んでみてください。



読んで良かった度:●●○○○






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