ベクシル -2077 日本鎖国- 観てきました。
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●ストーリー(ネタバレあり)
21世紀初頭、日本は産業用、家庭用果ては戦闘用などすべてのロボット産業で世界を独占していた。ロボット技術が飽和に近づいた日本は、ナノテクとバイオ技術を駆使して、生態金属を作り、延命技術を開発していた。
この技術が確立されれば核に匹敵する恐ろしい平気への応用へも可能であることから、世界は国際協定を設け、厳密な監視をすることになった。
これを不服とした日本は国際連合を脱退。そして2067年には完全なる鎖国を行った。輸出のための日本の貿易船のみが国境を越えることができ、それ以外の船、飛行機は出入りができず、日本からの光を含むすべての電磁波は拡散してしまうため衛星写真すら日本を写すことができない。完璧な鎖国だ。ある晩、各国の高官が集まっていた。しかしそこには、事実上日本を掌握している企業・大和重綱のサイトウ(大塚明夫)が現れ、皆殺しにしてしまう。アメリカの特殊部隊SWORDはサイトウを捕まえるべく、建物に侵入。SWORDのメンバー・ベクシル(黒木メイサ)はサイトウを追い詰めるが、サイトウは自分の足を切断してまんまと逃げてしまう。
その足を分析するSWORDだが、その足からは生体反応は読み取れない。サイトウはサイボーグであることが示唆された。もしそうだとすると大和重綱の技術はすでにアメリカの予想を超えた物であり、世界の驚異である。しかし、アメリカ大統領は大和重綱からの圧力に屈し、SWORDに手を引くよう命令する。しかし、SWORDは単独で操作を続行することを決意する。そしてレオン(谷原章介)をリーダーとするメンバーが選出され、日本に潜入する計画を立てる。
レオン、ベクシルらは貿易船に身を隠し、まんまと日本への潜入を成功させる。そこで特殊な電磁波発生装置を作動させる。ここから出た電波を人工衛星で受信し、その拡散パターンを解析する計画だ。拡散パターンさえわかれば衛星写真も撮ることが可能となるはずだった。しかし、解析完了間際にサイトウらの手によって阻止されてしまう。「この10年間で君たちは初めての外国人旅行者だ。」
予備の発信器を持ったベクシルを逃がすため、レオンや他のSWORDメンバーが援護をし、ベクシルは何とかその場を切り抜けたが気を失ってしまう。
意識を取り戻したベクシルは、東京のマリア(松雪泰子)達にかくまわれていた。
そこで見た東京は、あたかも第二次世界大戦後間もない頃の東京そっくりだった。ベクシルはここにはアメリカにはない暖かさがある、そう感じた。
予備の送信機から出た電波を解析し、衛星画像を映し出すことに成功したSWORDだったが、ベクシルの回りに映っている人間からは生体反応が感知できない。映像に映っている人間は生きていない。つまりサイボーグであることを知る。次の作戦を立てようとしたその時、大和重綱は拡散パターンを変更し、再び映像が映らなくなってしまった。
一方、ベクシルやマリアらは追ってくるサイトウから逃げ、東京を囲む城壁についた。城壁の向こうには砂漠が広がる。砂漠の彼方からバギーが走ってくる。それを追いかけているのはジャグと呼ばれる金属の怪物。そして自分らは大和重綱の作った不完全なワクチンによって人間ではないものに変化していくのだと聞かされる。最初はサイボーグになり大和重綱の意のままに操られ、徐々に体は金属と化し、それが集まってジャグになると言うのだ。
マリア達は大和重綱に復讐するべく、計画を立てていた。それは東京湾の真ん中に人工的に作られた島、そこにある大和重綱にジャグを送り込むというのだ。
ベクシルはレオンがその島にとらわれていることを知り、マリア達の計画を手伝うことを決める。そしてマリアとベクシルはジャグを島への通路におびき寄せることに成功する。しかし、通路と島とは切り離されており、大和重綱にジャグを潜入させることはできなかった。
悔しがる2人の前に現れたのはサイトウと、大和重綱のトップ・キサラギだった。
とらわれたベクシルらだったが、ひょんなことからキサラギの頬を切ることができた。そこから出たのは赤い血。キサラギは日本人でただ一人、ワクチンを打っていない人間だった。それを見たサイトウは怒りキサラギを攻撃しようとするが、逆にキサラギに銃で撃たれてしまう。
逃げるキサラギを追うベクシル。戦いは最終戦を向かえる。
●感想、思ったこと(ネタバレあり)
まず始まって「お~おっ!」っていう感じ。映像が面白い。3Dライブアニメという映像表現らしいのですが、いわゆるモーションキャプチャーとトゥーンシェーディングという手法を組み合わせた技術だそうです。要するに実写のような背景の中に、いわゆるアニメ調の絵の登場人物が、リアルな動きで動くわけです。
これは好きな人と嫌いな人がいそうな感じですね~。僕としては、まだ珍しいからかもしれませんが、新鮮で面白い表現手法だと思いました。でも人によってはアニメがリアルに動くのは逆に不自然という人もいるようです。昔ながらのアニメって例えば動いている人しか動いていないですから。例えばのび太君が話している時は聞いているしずかちゃんとかは止まっているわけですよ。でも3Dライブアニメという方法では主体以外も常にいろいろ動いている。実写なら当然ですが、アニメではそう言う文化じゃないので妙に動き回っていると思うらしいです。まあ、そんな新鮮さもあって、とても楽しんで観ることができました。
が。後半はどうもストーリーに矛盾があって、なんかどうでも良くなってきてしまいました。
まず、ジャグを潜入させるところ。地震予知が作動すると大和重綱本社と通路が遮断され、バッテリー駆動になるから遮断壁が閉まるのが遅くなるので、かろうじて侵入できる時間がある・・・。って、地震予知が出る前にどうして地震予知が出る時間を正確に知っているの?それに防御壁が閉まるのって大和重綱本社から切り離されてから○分後に閉まるんでしょ?だとしたら通路に予定通りに侵入できなかったマリア達はもう時間的余裕がないじゃん。本社と通路が切り離されているからジャグが侵入できなかったって、切り離されるのは前々から知っていたんでしょ~。計画が穴だらけ。ジャグは金属に反応するって言うけど、通路の金属には全然反応していないし。
クライマックスも盛り上がりがないし、見所は3Dライブアニメだけという感じ。
声優は、さすがに大塚明夫のような一流声優や、俳優を使っているだけあります。呪怨 パンデミックのように声優にまちゃまちゃや森三中なんて使っちゃダメですよね。黒木メイサは若干違和感はあったものの、谷原章介や松雪泰子はかなり自然で良かった。
まあ、正直アニメ作品の中で期待していたので、ちょっと残念な作品でした。
観て良かった度:●●●○○ |
- ベクシル -2077 日本鎖国-公式サイト
- 「ベクシル-2077日本鎖国-」通常版DVD。特別版はこちら。HD-DVD&DVDツインパック版はこちら。(2008/1/25発売予定)
- ベクシル コンプリート・ガイド
- ベクシル オリジナル・サウンドトラック
- 曽利文彦監督の作品
- 松雪泰子出演の作品等
- 黒木メイサ出演の作品等
- 谷原章介出演の作品等
- 大塚明夫出演の作品等
- 桜井孝宏出演作品
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この記事へのコメント
そうですねぇ。昔ながらのアニメこそがアニメって思っている方には、邪道…かも。(^^;) 自分は、こういうの好きです。後半のストーリーが「?」だらけになっていくのには、少しがっかりしましたけど、根底に流れるテーマは、良かったんじゃないかなって思います。「アップルシード」よりモーションキャプチャの具合も自然になっていたし、「エクスマキナ」(アップルシードの続編)も楽しみなんですわ~。
アップルシードは観てないんですよ。だから特に今回新鮮でした。もう少し原作や脚本が良ければ、ホントによい作品になると思うのに、もったいない作品でした。
CGのアクション部分はなかなか迫力があって好きです。
キャラは逆にアニメっぽくて違和感があったかなぁ、まぁこれは単に好みの問題かな。
リアルな部分とアニメっぽい部分とが融合されて斬新でした。違和感ととるか、面白いととるか、別れるところですよね。
この作品も『呪怨パンデミック』のように声優最悪だったらどうしようかと思いました・・(--;)最近本当に安易なタレント起用などが多いので、声優選びももう少し慎重になって欲しいものですが、幸い黒木メイサや松雪泰子らは個人的に上手いと感じたたの、不満はそれほどありませんでしたね。
もちろん、俳優さんや芸人さんでもうまい人はいると思います。でもメビウスさんのおっしゃるとおり、理由で作品が良くなる悪くなる関係無しに人気があるという理由で安易に起用する場合も多いですよね。今回の作品は声優的にはほとんど違和感なく観ることができて、そう言う意味では良かったです。
映像がきれいだっただけにストーリーの組み立てがもひとつでした。
でも、声は脇を声優さんで固めていたのと主演の3人が割とはまっていたのとで観やすかったです。
スタートが面白そうだっただけに、ラストが残念です。