ミルコのひかり を観てきました。



 2005年制作のイタリア映画、ミルコのひかりを観てきました。


●ストーリー(ネタバレあり)
 1971年イタリア、トスカーナ。ここに住む10歳の少年、ミルコ(ルカ・カプリオッティ)は友達と遊んだりするのも好きだが、父親に連れて行ってもらう映画が大好き。この前、観た映画に感化されて、家にある銃をとろうとする。ところが銃を落としてしまい暴発。弾は直接ミルコには当たらなかったものの、割れたお皿の破片などが目に入り、ミルコの視力は明るさがわかる程度になってしまう。
 1971年当時のイタリアでは、目の不自由なものは法律で一般の学校に通うことができずに、盲学校で職業訓練を受けなくてはならない。ミルコも親元を離れ、全寮制のキリスト教学校で、訓練を受けることになった。寮までミルコを送り届け、その帰りに寮の外からミルコに手を振る父親、投げキッスをする母親。ミルコはそれを見ることもできない。
 今までのように友達と遊ぶことができない。好きな映画を観ることもできない。目が見えないことを受け入れられないミルコは心を閉ざしてしまう。
 ある日、学校で四季についての作文を書くように言われる。ミルコはその課題に自分なりの感性で挑んだ。偶然見つけた1台のテープレコーダーに、音を吹き込んだのだ。シャワーを使って雨の音を再現し、鉄のお盆で雷を再現し、鳥のさえずりも。ところが先生であるジュリオ神父(パオロ・サッサネッリ)や校長先生は作文の課題を出したのに、無断でテープレコーダーを使ったことに怒り、没収されてしまう。
 ふさぎ込んだミルコは寮母の娘・フランチェスカと知り合う。ミルコは壊れた自転車をなおし、ふたりで出かける。外の世界はとても賑やか。何かのデモをやっていたのだ。ミルコ達は盲人の男性・エットレ(マルコ・コッチ)と知り合う。ミルコ達はエットレと友達になり、彼に案内されて寮に戻った。
 ミルコはテープレコーダーを没収されてから授業をさぼるようになった。心配したジュリオ神父はテープレコーダーをミルコに渡した。ミルコには他の人にない感性を持っていると感じ、それに期待していたからだ。
 ミルコはある計画を思いつく。フランチェスカが考えた物語を音で再現しようというのだ。早速ふたりで録音を開始する。ところがどうしても足りないものがあった。役者の数だ。ミルコは親友フェリーチェ(シモーネ・グッリー)を始めとする友達を誘い、録音再開。森を歩く音、森の奥から聞こえる不思議な音、ドラゴンの叫び声、ミルコの案でいろいろな効果音が付け加えられながら物語は進んでいく。
 一方、学校では年に一度の学芸会の練習が行われた。ところがその練習中にミルコ達がいないことが発覚し、ミルコ達の計画がばれてしまう。フランチェスカは母親に怒られ、ミルコは校長から退学を言い渡される。ジュリオ神父もテープレコーダーをミルコに渡したことがばれてしまう。
 学芸会の練習が再開されたが、ジュリオ神父は学芸会の後半に発表される作文の朗読にミルコ達が作った劇を発表しようとするが、校長の猛反発にあう。盲人に可能性はない。あるのは生きるために必要な職業訓練だと。彼もまた盲人なのだ。
 ジュリオ神父は迷う。盲人には可能性や希望は不要なのか?神父は寮母に話すが寮母は難しいことはわからないが、自分の意見はもっと主張しなくちゃと言われ決心する。
 学校の回りが騒がしい。デモ隊が訪れたのだ。デモの中にはエットレ達もいた。盲人学校を卒業した電話交換手もストをするという。彼らを雇っている会社からも抗議の電話が鳴り響く。ミルコの退学を取りやめ、盲人学校に改革をと言うのだ。
 かくして校長は退陣、ジュリオ神父が学芸会を取り仕切ることになった。学芸会当日、お客には目隠しが配られた。そしてフランチェスカとミルコ、そしてみんなの音の劇が上映され、観客からは大きな拍手が巻き起こった。その中には涙を流して喜ぶミルコの両親の姿もあった。





●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 盲目になってしまうお話という前知識だけで観に行ってきました。実在の音楽技師ミルコ・メンカッチの子供の頃のノンフィクション映画なんですね。子役も本物の盲人と目の見える子を起用。目に見えない子達が見える子にいろいろレクチャーをしたりしていたらしいです。正直言うとミルコの話よりも、あまり交流がない(と思われる)視力の弱い子と目の見える子とが交流し、こういった映画を作れたと言うことの方が、いい話だなぁと思いました。
 素朴な感じの映画ですが、どことなく懐かしく素朴な音楽はよくあっているし、効果音もとても興味深く観られた(聞けた)作品です。素朴な感じなのですが、視力のほとんどないミルコが自転車を運転する姿は、最新のCGで脚色されたカーチェイスよりもスリリング。そんな一面もあります。
 僕も3歳くらいからメガネをかけていますが、そこまで視力を失ったらと考えると怖いです。僕の趣味は、写真に映画、ダイビングです。仕事は今まではバイオの研究をやっていましたが、今はプログラマー。視力を失ったらすべてできなくなることばかりです。映画の中では職業として電話交換となんだか忘れてしまいましたがもう一つありましたが、今ではどうなんでしょう?やっぱり電話交換やあんま、マッサージ、鍼などなんですね。目の見える世界を知ってしまうとやはりそれを失うのは怖いなぁ。完全に失明したら生きていく自信すらない僕です。盲人でも力強く生きているみんなは、僕らよりもよっぽど強いなぁと思います。

 話は変わりますが、この作品が僕的にはかなり感動したので、日本盲導犬協会に、当ブログのアフィリエイト収入から3,000円寄付させていただきました。当ブログの広告サイトをご覧くださっている方、当ブログをいつも応援してくださっている方のおかげです。ありがとうございます。今後とも当ブログをよろしくお願いします。






観て良かった度:●●●●●





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この記事へのコメント

K
2007年09月28日 22:35
「ミルコのひかり」みたいな身体障害者と健常者が混じった映画は、日本ではなかなか撮れない映画だと思います。
懐かしさを感じるのは、やっぱりあの年代特有の貧しさが、日本と似ているからじゃないかなあ。
よしなしごとさんは、知らないと思うけど、いくら戦争(第二次世界大戦)が終わったと言っても、日本でも1970年代くらいは戦争の影を思いっきり引きずっていたと思います。昔のヨーロッパが舞台になった映画を見ると、その影が日本と似ていて、妙に郷愁を覚えたりします。

あのー、
ところでー、
フィリピンのレポートはここであるんでしょうか?
2007年09月29日 09:50
Kさん、こんにちは。
フィリピンの写真はすべてRAW画像で撮ったんですね。なので1枚1枚自分で現像(もちろんパソコンでですよ)するので、ちょっと時間がかかっています。もうちょっと待ってくださいね。
2007年10月15日 02:03
こんばんは。
目が見えなくなったら・・・と考えるとやはり怖いですね。ミルコの事故のシーンは見ていられませんでした。でも、「五感のひとつを失っただけ」と言う言葉に、逆説的な前向きさを感じました。
そうそう、自転車のシーンは私もハラハラでした。
にしてもイタリアってなんだか自転車の似合う町ですよね。
2007年10月15日 22:17
カオリさん、コメントありがとうございます。
確かに5感の1つですが、人間の情報のうち視覚から得る情報は87%も占めています。それを「五感のひとつを失っただけ」と言い切れるのは本当に強い人しか言えない言葉だと思います。

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