ブックレビュー:ロケット★ボーイ
今回紹介するのは、宮藤官九郎のロケット★ボーイ。 以前、織田裕二、ユースケ・サンタマリア、市川染五郎主演の連ドラのオリジナル脚本。 |
●ストーリー(ネタバレ少しあり)
銀河ツーリストに勤める小林、彼の夢は宇宙旅行に行くこと。彼は彼女・橘と同棲していたが、数日前から彼女は帰ってこなくなる。そんな小林は今日から主任に昇進。しかし、同期の中でも一番遅く、後輩はもうすでに主任になっている人もいるくらいで、素直に喜べない。「皆既月食とジンギスカンの旅」そんな企画ばかりで、実際にツアーが催行されたことはほとんどない。
ある日、小林は父親の薦めでお見合いをすることになる。相手は幼なじみの君江。お見合い会場に向かうがちょっと時間が空いていたため時間つぶしに入った野球場で事故が起こる。ビールの売り子のタンクにファールボールが当たりタンクが破裂。小林のスーツはビールでびしょびしょ。ビールをかぶったのは小林だけではなかった。近くにいた大日本広告に勤める田中、食品会社でメンマのセールスをしている鈴木もだ。彼らは責任者に部屋に通され、封筒を渡され、怒りながらも野球場を後にした。
3人が封筒を開けると、中はお金ではなくジャガークラブというビアホールの無料券が数枚入っているだけだった。納得のいかない3人だが、ジャガークラブに向かう。一方、なかなかお見合いの会場に姿を現さないことに苛立ちを隠せない父親・学ら。母親早苗にバリカンを買ってきなさいと言う始末。小林は田中と鈴木に説得されホテルに向かい、土下座をする小林。
そんなこんなで奇妙な関係になった3人。
「ヘイヘイ」が口癖で威勢の良い田中。彼はある仕事でミスを犯し、クライアントは激怒。どう責任をとって良いのかわからず、無断欠勤を続けた後ビルから飛び降りてしまう。彼の父親はある財閥のお偉いさん。母親もテレビに出演するくらい有名なお花の先生。兄もエリート。しかし田中は普通のサラリーマン。家では父親から白い目で見られている。
鈴木は取引先のラーメン屋チョロ松の娘・光子とつきあっていたが、野球場には別の女性といた。その事が光子にばれるも、結婚話も出るくらいに。しかし、鈴木は食品会社をやめ、光子と結婚して、ラーメン屋を継ぐ、そんな生活が想像できず迷っている。婚約してから逃げ出してしまう始末。
小林は社員旅行をまかされていた会社から取引を断られ、落ち込んでいる。しかし、ライバルの旅行会社JTTから天体観測とワカサギ釣り体験ツアーが発売され、一番人気だという。時代が小林に追いついたのだ。本社の中山本部長が直々に小林を引き抜きに来た。大出世だ。ところが小林にも悩みがあった。このままでいいのか?小林は会社を辞め、NASDAの宇宙飛行士募集に応募することを決意する。
30歳にして自分の人生に疑問を持ち始めた3人のドラマ。
●感想、思ったこと(ネタバレちょっとだけあり)
脚本形式なのでちょっと読みにくかった。
銀河ツーリストデスク
小林「・・・・・」
桜木「・・・」
なんて言うスタイルなので、こういうスタイルの本は初めてなので。最初は読みにくくて数ページで断念しようとしたのですが、なんかはまってしまって。。。
実はこの本間違えて買ったんです。(^^ゞロケットボーイズという本と。こちらはNASAの職員が少年時代に自分たちでロケットを作ろうとした実話。NASAの職員が少年時代にタイムマシンを作ろうとした話を綴ったタイムマシン(当ブログの記事はこちら)が面白かったので、ロケットの話を読んでみようかと思ったのですが・・・。(汗)
間違って買ってしまったこのロケット★ボーイはフィクションで、完全なヒューマンドラマですが、ちょうど同じ主人公が同じくらいの年齢と言うことでちょっとはまってしまいました。
ちょっとご都合主義っぽい展開の部分もありますが、内容自体は読みやすいので、オススメです。
読んで良かった度:●●●●○ |
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