ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ 観てきました。
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●ストーリー(ネタバレあり)
世界最大級の美ら海水族館。新任獣医としてやってきた植村一也(松山ケンイチ)の仕事は、イルカの餌となる冷凍魚のヒレを切り落とすこと。それが終わればプールの掃除に、バケツの清掃。俺は飼育員ではなく獣医なのにと不満を持っていた。ある日その不満を仲村課長(利重剛)にぶつけると、「イルカのことを知らなければ治療もできない。データを見るだけの獣医ならここに入らない。それが館長(山崎努)の方針だ。」と言われる。
イルカのことを第一に考える先輩飼育員の比嘉(池内博之)ともぶつかり合い、七海(永作博美)の店で昼食にソーキカレーを食べる毎日。
そんなある日事件は起こった。30年前にここに来てから3頭もの子供を産んだビッグマザーことフジの尾ヒレが感染症によって腐り始めたのだ。「腐敗臭がしますね。腐り始めてます。」と診断する植村に「そんなことはわかってる!獣医のくせに何でこうなる前にわからねぇんだよ!」と比嘉が罵声を浴びせ、喧嘩が始まる。ユリ(坂井真紀)らは「そんなことしている場合じゃないでしょ!」と止めに入る。
フジを他のイルカたちから隔離し、餌と一緒に抗生物質を投与する植村。しかしフジはどんどん弱っていき、餌も食べられなくなっていく。そして点滴に切り替える。
植村は課長に「フジの尾びれを切除するしかないと思います。フジと同じ症例のイルカはこのままではみんな死んでいます。」それを聞いた比嘉が大声を上げる。「それで元気にならなかったらどうするんだよ?!」と。植村は「切除しなければ確実に死にます。」と答える。
男を追って出ていった母親に取り残され、植村の家の近くでオジイ(上間宗男)と二人で暮らすミチル(高畑充希)は、学校にも行かずに毎日イルカプールに来ていた。ミチルは手術前日、植村を呼び止める。「フジを助けて。」そして手術当日。レーザーメスで丁寧に尾びれを切り取る。
フジは次第に元気になってきた。さらなる壊死は発生せず、他のイルカたちと同じラグーンプールに戻された。しかしフジはプールで浮かんでいるだけ。ほとんどの尾びれを切り取られたフジは泳ぐことができなくなってしまったのだ。運動量が減ったフジは太り始め、血中コレステロールも極端に増加してきた。人間で言う成人病だ。
そんなフジを見てミチルが植村に言う。「泳げないイルカはイルカじゃない!」と。
命は取り留めたものの、泳ぐこともできないフジ。フジにとってそれは幸せなことなのか?疑問を感じた植村は、ある計画を思いつく。イルカの人工尾びれを作ろうと。課長や館長の許可を得て植村は東京のタイヤメーカー・ブリヂストンにお願いに行った。「いや~、うちは生物は扱ったことないので。」と乗る気ではない社員達。「アメリカのタイヤメーカーがウミガメの手ヒレをゴムで作ったことがあるんです。もう一度フジを泳がせてあげたいんです。お願いします。」と懸命の植村に、「ちょっと社内で検討させてください。」と答える技術者の須藤。
沖縄に帰ってきた植村は毎日須藤からの連絡を待っていた。そして数日後、OKの返事が。
須藤が美ら海水族館にやって来て、フジの切り取られた尾ビレの型を取った。それを社内に持ち帰り、尾ビレを作る須藤。その間植村らは異物を取り付けられてもいやがらないようにするための訓練をフジにしていた。
そしてその結果が水族館に届いた。植村やユリ、比嘉らは早速ヒレを取り付けた。フジはとまどいながらも泳ぎ始めた!その日は須藤や植村、比嘉、課長、みんなで祝杯をあげた。「自分の仕事を始めて娘が褒めてくれました。」と語る須藤もフジが泳いだことは他人事ではない。
しかし事件が起こった。フジがジャンプをしようとした瞬間、ヒレが壊れ、フジも尾ヒレを怪我をしてしまった。
「もう、やめよう。怪我したところからまた感染したらどうするんだ!」と比嘉。「ヒレをつけたことで泳ぎを思い出したんです。」と食い下がらない植村。
数日後、植村は新しく作った人工尾ヒレを比嘉に突き出し、「人工尾ヒレをフジに見せてフジが寄ってきたらフジにもう一度つけてあげてください。」と頼んだ。断る比嘉に対して課長が「やってみろ」と言う。
比嘉はフジにヒレを見せながらつぶやく「来るなよ。来るなよ。」しかし、フジは見事にヒレに近寄ってきた。フジは泳ぎたがっているのだ。
みんながフジに生きることを教えられた。そうミチルも。今まで許せなかった母親を受け入れ、東京にいる母親に会いに行くことを決めた。
●感想、思ったこと(ネタバレなし)
映画と全然関係ないところで、映画を観ながら気になって気になってしょうがないことが。。。それはミチルが男の子なのか、女の子なのか・・・?と言うこと。風体は男の子のように見える。短パンにマウンテンバイクですから。台詞もほとんどないし。少ない台詞の声は高いから女の子?でも変声期前?ミチルという名前は女の子っぽいしなぁ。そんなことを考えながら観てました。結局終盤にお母さんからの贈り物の服を着るまで確信が持てなかったです。。。
2点目は飼育員がCROCSのサンダルを履いていたこと。以前からCROCSのサンダルに興味あるんですよね。海に行くとき、ボートとか滑るので滑らないサンダルが欲しいなと思っていたんです。で、買ったのが魚サン(ギョサン)。漁港で使われているからこういう名前がついたそうです。確かに滑らないんですが、親指の股が痛いんですよね。CROCSなら痛くなさそうだし、しかも滑りやすいプールサイドなどで飼育員が使っているなら間違えなさそうだし。と言うことで欲しいなぁと思っているんです。
でもCROCSは2004年にできたもの。フジの手術がされたのは2002年。だから忠実に再現するならば飼育員はCROCSを履いているわけがないんです。まあ、そんな細かいところ突っ込むところじゃないというのはわかっているのですが。
最後は、美ら海水族館自体。何度か行ったことがありますが、裏方を少しでも見られたのは嬉しかったです。あぁ~、世界最大の7,500m3の大水槽に潜りたいなぁ~。映画としては、メインのストーリーは面白いのですが、サブのストーリーがちょっと物足りない感じ。ミチルの心の変化というか成長はもう少し丁寧に描いて欲しかったのですが。後は個人的にはもう少し人工ヒレを作る難しさってのも表現して欲しかった。なんか簡単に作れてしまってちょっと拍子抜け。でも総評として、とてもすばらしい映画だったと思います。
いろいろ考えさせるところも。それは人間のエゴ。植村も比嘉もフジのことを考えているけど、意見は対立している。ホントはフジにとってみればどっちも迷惑な話なのかもしれない。大海原に帰せよ!って思っているかもしれない。うちも犬を飼っているけど、うちに来て幸せなのかなぁ?って考えちゃいます。
違和感があった台詞も。館長の「イルカを見たいというお客さんがいる以上、イルカたちに快適に暮らしてもらうように努力しなくてはいけない。」というような内容の台詞。水族館にもよると思いますが、僕の中では水族館はお客さんに魚などを見せるのが目的ではなく、第一の目的は魚などの生物(水生生物)の生態等を研究することだと思っています。だから水生生物に快適な(自然に近い)環境を提供するのは当然のことだと思っています。そんなことを書いたら、水生生物に「僕らを飼っているのは人間のエゴだろ」って怒られちゃうかもしれませんが。。。
観て良かった度:●●●●● |
![]() 水族館ではなく、御蔵島のイルカ。一昨年行ってきたときの写真です。 | ![]() こんなに近くまで寄ってきてくれるんです。 |
![]() また行きたいなぁ~。 | ![]() こちらは美ら海水族館の巨大水槽のジンベイザメ。 |
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- ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ 《通常版》。限定版はこちら
- 美ら海水族館
- 美ら海 イルカ日記
- 小説 ドルフィンブルー ~フジ、もういちど宙へ~ (単行本)
- ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ (コミック)
- もういちど宙(そら)へ―沖縄美ら海水族館人工尾びれをつけたイルカフジの物語 (単行本)
- 奇跡のイルカ フジ ビジュアルBook
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- 前田哲監督の作品
- 松山ケンイチ出演作品
- 西山茉希出演作品
- 永作博美出演作品
- 山崎努出演作品
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この記事へのコメント
TBありがとうございます、こちらからも返させていただきました(^^)
色鮮やかに目立っていたあのサンダル、当時はまだなかったんですか??
監督、みづきちゃんのビーチサンダルにはこだわって、足下が運動靴だったから取り直した場面があったそうですが、飼育員のサンダルには目が届かなかった?
彼女の性別は……胸の膨らみがはっきりありましたよー(><)せっかく中性的な娘なので、さらしでも巻いて、もっと曖昧にしてくれてもいいのに、と思ってみてました。
ちゅら海水族館、行ってみたいです!
最後のワンピースを引き立てるためなのかな?でもあんまりあのワンピかわいくない・・・。
美ら海水族館のあの大水槽は圧巻ですよ!那覇からちょっと遠いけど、機会があればぜひ観てみてください!と言いつつ、僕もイルカショーは見たことないんですけど。
動物と子供が出てくる映画はヒットすると言いますが、この作品には華がない。
重鎮、山崎努は相変わらず「伊丹映画」だし、松山君に至ってはデスノートに名前が書かれたんじゃないかというくらい平凡で「おじけづいたような」演技でした。
幾つかのエピソードが絡み合っているんだけれど、何か、チグハグで面白くなかったです。逆に、安心して観賞しましたけどね。
こういう題材は劇場公開ではなく、連続テレビドラマのように細かく制作した方がいいんじゃないでしょうか?
そんな中でも、お勧めのシーンはありました。冒頭、山崎努が水族館の巨大な水槽の前にあぐらをかいて魚たちを眺めているシーンはとても美しく感嘆しました。
確かに人間のエゴ的な部分があるかもしれないけど、最後にブルーの矯正おびれをつけて、宙に舞った姿は感動的でしたね!
masyaさん芸術派ですね~。冒頭の山崎努のシーンはいろんな意味で美しかったです。あのシーンは僕も感動しました。これからどんな映画がはじまるんだろう!って期待もふくらみました。
僕がダイビングをしていなかったら、イルカと泳いだことがなければ観て良かった度は3か4だったでしょう。
短めの時間設定なんだから、もう少し長くしてでもエピソードを丁寧に描いて欲しかったです。
●etsushisさん、コメントありがとうございます。
ホント、最後フジが元気に宙を舞う姿は安堵感でいっぱいですよね~。観てさわやかになった映画でした。
彼が出ていることと関係無く、ダイバーなら見てて癒される風景がいっぱいある映画ですよね。何の音も無くスクリーンに水槽がずっと映っているシーンが好きです。
私が一番疑問に思ったのは、館長がおジイと一緒に縁側でお酒を飲むシーンで壺入り泡盛を飲んでいるところ。普通晩酌で壺入り泡盛飲まないでしょう。それとも入れ物だけリサイクルして使っているってこと?
それから私はミチルの存在意義がよくわからなかった。多分現実ではあの子は存在しなかったと思うし、ホリプロ制作の映画らしいので、単純に宣伝の一環として松ケンにくっつけて出したとしか思えません。
それにしても公開3週目なのに、川崎ではもう今週で終わっちゃうんですよね。寂しいかぎり。
僕らが自分へのご褒美として壺入りの泡盛を飲むことはあるけど、現地の人が壺入りって無いかもしれませんね。でも僕も壺を再利用していますよ。別の焼酎入れて炭入れたり・・・。
便から注ぐよりおいしそうじゃないですか。(炭入れて変わるかまで僕は味わかりませんが)
おそらくミチルの話ももっと脚本をしっかりしてくれれば効果的な話になったと思うのですが、ちょっと中途半端でしたね。
昨日、営業中に発見しました。
へぇ~、ショーウインドウにね~。おそらくブリヂストンにとってそれ自体はお金にならないでしょうが、おそらく開発費用以上の宣伝効果は得てますよね。
ちなみに、海洋研究開発機構 横須賀本部には、「日本沈没」の出演者のサイン入りパネルが飾ってありましたよ。