重い映画だった・・・「ブリッジ」



 予告を観たときにとても惹かれるものがあった。おそらく僕にはあわない映画、きっと見終わった後「観なきゃ良かった」と思うに違いないと予感はしたのですが、なんだか惹かれるものがあり、観ることにしました。と言うことで、ブリッジです。



●ストーリー(ネタバレちょっとあり)
 全長2,790m、海面からの高さ66m。年間900万人が訪れるサンフランシスコの観光名所、ゴールデンゲートブリッジ。アメリカを代表する観光名所である。
 1937年に完成したこの橋は完成から10週間後に初めての自殺者を出したのを皮切りに70年間で1,300人の自殺者を出した世界最大級の自殺の名所となった。本作品はそのゴールデンゲートブリッジに1年間カメラを設置して監視し、自殺をした人の家族や友人のインタビューを紹介した作品である。
 ジーン・スプラーグ(34歳)。シャツもパンツも黒ずくめでサングラスをかけた長髪の彼は、橋を行ったり来たりしている。彼は10代から鬱病に悩まされ、母を癌で亡くしてからは自殺願望も強くなっていた。仕事に就くために採用面接をしても落ちてばかりの彼はとうとう橋の上から飛び降りる。ちょうどその頃、家には先日受けた会社からの採用決定の電話があったのだ。
 ケヴィン・ハインズ(25歳)。彼もまた高校時代から鬱病に悩まされていた。ある日遺書を書き、そのまま学校へ。1時限目の授業が終わると彼は橋行きのバスに乗った。橋の上で40分間泣きながら立ちすくんでいた彼に話しかける者はいなかったという。そして欄干に立ち、海に向かって歩んだ。66m、(空気抵抗がなければ)わずか3.7秒の間に彼は生きたいという感情が湧いてきた。足から着水すれば命は助かるかも。。。体勢を変えて足から飛び込んだ彼は奇跡的に助かった。腰の骨はばらばらとなり、骨の破片は内臓に突き刺さったが。。。
 こうして数人の人生が刻まれた映画だ。





●感想、思ったこと(ネタバレなし)
 自殺を止めたり通報したりしないで撮影をしたということで上映を見送る映画館も多かったそうですが、撮影場所から橋までは遠く、見つけてから向かったり通報したりしても遅いという言い訳をしている。でもジーンの場合、橋を行ったり来たりするのをカメラは追っている。充分に防ぐ時間はあったのではないか。自殺を、命を考えて欲しいという意図があるそうだが、正直僕には後味の悪さだけが残る作品でした。そもそも映画なのか?NHKの深夜にやってそうなドキュメンタリーのような印象を受けました。
 自殺の名所と言えば、華厳の滝と青木ヶ原の樹海。前者は名前が先行していますが自殺者はほとんどいないそうです。後者は2003年には100遺体、2002年は78遺体が発見されており、これがすべて自殺者だとするとゴールデンゲートブリッジよりもすごい自殺の名所です。そう考えるとアメリカにももっと(人数的に)すごい自殺の名所があるのではないでしょうか?でも樹海のような場合映画にしたときのインパクトがありません。そう考えるとやっぱりこの作品も本当に自殺や命について考えて欲しいだけのために作った作品のような気がしません。
 ちなみにレインボーブリッジは歩道から海面までの高さが50m強、横浜ベイブリッジは車道から海面まで約60mですので、ゴールデンゲートブリッジよりはちょっと低め。

 キリスト教的にも一般的な話としても自殺は良くないこととしているけれど、正直僕にはわかりません。自殺する人にはその人にしかわからない辛いことがあるわけだし、それから逃げたいと思うのは当然。仕事がうまく行かなければ会社休みたいなぁ~って逃げたくなることがあるし、仕事などのような一過性のつらさではなく慢性的な辛さなら、その最終手段として自殺があったってしょうがないという風にも思います。一部の国で安楽死が認められていますが、病気の辛さならOKでそれ以外はNGっていう区別もつきにくいと思います。自殺したいと思う人に「そんなこと言わずにがんばれよ」っていうのは、追い打ちをかけているようなものかもしれないし、大げさに言えば自殺されると後味悪いとか、助けたんだぞという自己満足の気持ちが少なからずあるかもしれないし。。。
 そうは言っても自殺を思いとどまった人は「なんで自殺したいと思ったんだろう」なんて言う人も多いのも事実ですし。。。
 でもこれだけは言えるのは、ネットによる集団自殺のように、真剣に考えない安易な自殺だけはやめて欲しいですね。あと電車に突っ込むなど迷惑な方法もやめてもらいたいです。。。

 映画からドンドン遠ざかりますが、動物行動学が専門の竹内久美子さんは遺伝子が解く!男の指のひみつ(レビュー記事はこちら。)という本の中で自殺について述べています。
 もちろん借金取りに追われたりといった環境もあるけれど、自殺しやすい体質、しにくい体質というのがあるという説を唱えています。自殺しやすい体質とは神経伝達物質が少ない人。セロトニンのような神経伝達物質が少ない人は鬱になりやすいのだそうです。この映画でも鬱病で悩んでいる人が自殺したのが紹介されていますが、自殺の最大の原因は鬱だそうです。そしてそれは体内に神経伝達物質があるかないかの違い。どうして鬱になったのか?それを治すには?なんて考えたら余計に悪化すると言います。
 著者の経験によると物を書くとセロトニンなどが増えてくる。そう言えば特許や論文、報告書などを書いているときは良いんですが、そのために資料を集め、読んでいるとストレスを感じてくるのはそのためなのかな。
 ちなみにこの本では、では書くことが仕事の作家に自殺が多いのはなぜか?というところまで触れています。もし興味があればどうぞ・・・。





観て良かった度:●○○○○



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