しゃべれども しゃべれども 観てきました。
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●ストーリー(ネタバレほとんどなし)
うだつの上がらない二つ目(真打ち、二つ目、前座、見習いという落語家の序列の1つ)の落語家・今昔亭三つ葉(国分太一)は、なかなか観客を笑わすことができずに悩んでいた。
そんな彼の祖母・外山春子(八千草薫)のお茶の教え子の郁子(占部房子)から、知り合いの子供・村林優(森永悠希)に話し方を教えて欲しいと頼まれる。彼は関西から転校してきたが、関西弁が原因で学校でいじめられていると言う。落語で人を笑わすことができればいじめられなくなると言うのだ。郁子に密かに思いを寄せる三つ葉は断り切れず引き受けることにした。
ある日三つ葉の師匠である今昔亭小三文(伊東四朗)が文化センターの話し方教室にゲストとして出演することになり、三つ葉もお供した。小三文の話に受講者は笑いの渦となったが、1人だけ笑わない美人がいた。あろう事か彼女は小三文の話の途中に退出してしまう。
三つ葉も寄席ではお客が退出してしまうことがあったが、日頃から話している最中に出ていくなんて失礼だと思っていた。そんなこともあり、三つ葉は彼女を追い説教を始める。「話の途中に出ていく何で失礼だろ。」「真剣に話していない。効く人に失礼だ。」と反撃する彼女。三つ葉は師匠はこれが本業じゃない。本業の落語を聞きに来い。自分も話す。と彼女に伝え、別れる。
その当日、舞台に座る三つ葉の目の前に彼女がいた。彼女の名前は十河五月(香里奈)。まさか来ると思っていない三つ葉は、あんな大口をたたいた手前失敗はできない。そう思えば思うほど緊張し、うまくしゃべれなくなってしまう。
自分の出番が終わった三つ葉は帰ろうとする十河を追いかける。「どうすればしゃべれるようになるの?会話を教えて欲しい。」と言う十河に、落語教室をやるから良ければ参加してみないかと誘う。
村林と十河に落語を教えるその日、外にはマスクにサングラスという怪しい長身の男が現れた。「何のようですか?!」とほうきを持って出てきた春子に「自分も話し方教室に参加したい」と言う。しかし、参加者が子供と女性なのを見た山田と名乗るその男は、「お遊びじゃねぇか。」と言う。そんな山田を見て村林が「湯河原や!」と興奮する。湯河原というのはもと野球選手で今は解説をやっているが、話すのが苦手で、解説の仕事もほとんど来ずに悩んでいたのだ。
そんなこんなで、三つ葉の落語教室がはじまった。しかし、集まれば言い争いばかりしてなかなか落語を覚えない3人。落語の兄弟子からも「人の面倒を見ている暇あるのか」と言われ、さらに思いを寄せていた郁子も近々結婚することを知る。何もかもうまく行かない三つ葉。郁子の手作り弁当にあたった三つ葉は意識朦朧(もうろう)としている中、尊敬する師匠・小三文の十八番「火焔太鼓」という噺(はなし)を聞く。師匠の噺が好きだ。落語が好きだとあらためて実感した三つ葉は師匠に感謝の言葉を継げるとそのまま倒れてしまった。
病院で点滴を受ける三つ葉に小三文は、「今度一門会で30分やる。」という一門会とは、師匠と弟子一門で行う落語会のこと。前座ではなく主演の1人として話ができる。チャンスである。三つ葉は「火焔太鼓」をやりたいと言う。兄弟子からは「一門会で師匠の十八番をやってどうするんだ!」と言われ、師匠からも「おまえ、そんなんでどうするんだよ~」と呆れられる。しかし必死に覚える三つ葉だった。
一方、村林はいじめっ子と野球勝負をすることになった。村林には強い味方がいた。そう落語教室の湯河原だ。村林もまた必死だった。しかし結果は三振。村林は置き手紙を残してどこかに消えてしまう。村林の母親、三つ葉、春子、湯河原そして十河、全員で村林を捜すが見つからない。ところが村林は三つ葉の家の押し入れでゲームをやっていた。「見つかってもぉたぁ~」と言う村林を三つ葉は殴ってしまう。
落語教室も自分の落語もうまく行かない三つ葉は深酒をしてしまい、肝心の一門会に寝坊してしまう。しかも二日酔い。師匠からは迎え酒を出され、飲み干し舞台に上がる三つ葉。その会場には十河もいた。
終わってから「おまえ、酒が入った方が良いじゃねぇか」とほめられた。
村林に謝りに行く三つ葉だったが、いじめっ子を笑わせてやれ!と覚えた落語の発表会を企画する。十河と村林の「まんじゅうこわい」対決だ。
発表会当日、いじめっ子やクラスの友達も来た。一生懸命しゃべる村林。とうとういじめっ子も笑みをこぼした。村林も1つの殻を破ることができた。村林の噺も無事終わったが、十河が来ない。ようやく来た十河がお囃子(おはやし:落語家が登場するときの音楽)に乗って舞台に出てくる。「まんじゅうこわいはやりません。その代わり火焔太鼓をやります。」そう言って三つ葉にとって特別な火焔太鼓がはじまった。
●感想、思ったこと(ネタバレちょっとあり)
なまで落語を見たことがありますか?中学の時に名前は忘れてしまいましたが落語家を呼んで学校の体育館で落語を聞いたことがあります。「学校寄席」と題してラジオでも放送されました。それが最初で最後の僕のナマ落語でした。あとはテレビで時々見たことがある程度。なんとなくそれが懐かしくて本作品を観に行くことにしました。
ところがです!映像は流れているのに音が出ない!予告編が流れているのに劇場はシーン。ぽりぽり(←誰かが何かを食べている音)。あきらかにおかしい!どうしよう?どうしよう?そうこうしているうちに2つめの予告編くらいからようやく音が出ました。ホッ!きちんとセンター、リア、ウーファーすべてのスピーカーから音が出ていたので一安心です。
上映後はスタッフ数名が謝りに来ていました。そう言えば昨年もこの映画館でスピーカーシステムが上映中におかしくなったことがあったっけ。その時は本編上映中にリアレフトがならなくなったんですが、スタッフは謝りに来なかったどころか、スタッフも気がついていなくて、僕が指摘してシステムチェックをやってもらって気がついたくらいでした。まったく、しっかりして欲しいです。
実はこの作品の前に(同じ日に)眉山を観たのですが、原作のさだまさしは、学生時代は落語研究会だったんですよ。そのつながりもあって同じ日に本作品を見たんです。落語研究会で面白い話ができれば、もてるかもしれない!と考えて、落語研究会に入ったそうです。その甲斐あって、さだまさしのコンサートの話は面白く、最後には感動できる話で締めくくられます。
本作品も、笑いあり、感動あり、どことなく懐かしい感じで、とても良い映画でした。最初、郁子に言われて三つ葉のところに行く村林を見たときはかなり不安になりました。と言うのは「いやや~」と言いながらも顔は喜んでいるんですよね。これでOK出す監督、それでいいのか?!って思ったんですが、それ以降は村林を含め、出演者みんな言い表情出しているし、演出もすごく良かったです。
それと十河の無表情もすごいです。話しているときの表情が無表情と言うだけでなく、「足がしびれた」と言っているにもかかわらず無表情で立って歩いていく。僕だったらしびれていたらあんなに歩けない。そこまでのかたくなな無表情さはどこから来たのか不思議です。
話しているんだから聞け!という態度の三つ葉から、相手に気持ちを伝えたくて話す三つ葉に成長するこの映画、特に「俺のプレゼン聞け!」という自画自賛のプレゼンを行うあの人に見てもらいたいです。(笑) しゃべれども、しゃべれども気持ちが伝わらない、そんな不器用な人にも、そうではない人にも、ろんな人に見てもらいたい映画です。
ただ、ちょっと物足りなさもあるんですよね。湯河原の存在の薄さとか、五月の心の変化とか、三つ葉の急成長とか。もうちょっと丁寧に脚本を作ってくれていれば、観て良かった度が満点になったのに・・・。ちょっと残念。
観て良かった度:●●●●○ |
- しゃべれども しゃべれども公式サイト
- しゃべれども しゃべれども 特別版
- 「しゃべれども しゃべれども」オリジナルサウンドトラック(マキシシングルCD:800円)
- しゃべれどもしゃべれども (文庫)
- 国分太一のしゃべれどもしゃべれども (単行本)
- 佐藤多佳子著作の本
- 平山秀幸監督の作品
- 国分太一出演作品
- 香里奈出演作品
- 八千草薫出演作品
- 伊東四朗出演作品
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この記事へのコメント
どうやら、同じ時間、同じ映画館で同じ作品を見ていましたね。
劇場スタッフ、「どうせ予告編さ。」ののりで謝罪にこないのではと思っていたので、4人も現れて少し驚きました。
おー!バラサ☆バラサさんがあそこの劇場を使われることは知っていましたが、同じ時間、同じ場所で鑑賞していたとは!びっくりです。
あの映画館はスタンプが他の劇場よりもお得感があるし、映画半券でコンビニが100円引きになるのも嬉しいですよね!
ちょっと座席が狭いけど。。。
生で落語って見たこと無いんですが、見てみたくなりましたね。「眉山」も観ましたよ。
さだまさしは一時期よくコンサートにも行きましたが、歌ってる時間より、MCのほうが長いような…
TBお返ししますね!
落語僕も寄席に行ってみたくなりました。
TBは反映されるまでちょっと時間がかかるようです。ごめんなさい。
これに懲りずに、またよろしくです♪
こちらからもTBさせていただきました。(^_^ゞ
今後ともよろしくお願いします。