プロ用デジカメ eos 1D mark III を見てきました
というわけで、いつものようにショールームに見に行ってきました。 さすがにプロ用カメラと言うことだけあって品格が違います。eos kiss digitalがまるでおもちゃのように見えてしまいます。それでいて、eos 1Ds mark IIに比べて軽い。この差は持ったときにすぐにわかるほど。本体は70gしか軽くなっていないのですが、充電池が軽くなりました。これはニッケル水素からリチウムイオン電池に変わったからで、約150gも軽くなっているにもかかわらず、容量は1650mAhから2300mAhと大幅アップ!これはすごい進化です。 もともとプロ用カメラがeos 1Ds Mark II(1670万画素、35mmCMOS、DIGIC II)が2004年11月発売、eos 1D Mark II N(820万画素、APS-HサイズCMOS、DIGIC II)が2005年9月発売ですから、久しぶりのプロ用の発売なわけで、その間の技術進歩はすさまじく、2006年発売のeosやコンパクトデジカメにすら負けている部分もあるわけですから、進化したところもたくさんあって当然なわけですね。 eos 1D mark IIIは、名前の通り、eos 1D Mark II Nの後継機なわけで、一番機能の上なeos 1Dsシリーズではなく、そのちょっと下。プロ用なんだけど最高スペックではないシリーズeos 1Dシリーズです。前機種のeos 1D Mark II Nとの比較表はこちらを見てみてください。 まず思ったのは、連写が速い!なんと秒間10コマ。eos 1D Mark II Nが8.5枚/秒ですからさらに速くなっています。銀塩の一眼レフカメラeos 1Vと同じなんです。逆にeos 1Vは動体予測時は9枚/秒に落ちてしまうので、銀塩カメラより速いのです。デジカメの一眼レフカメラが出たときには、連写は銀塩カメラには追いつかないと言われていたのにもかかわらず、とうとうやってくれました。銀塩カメラで10枚/秒で撮影すれば約3.6秒でフイルムがなくなりますが、デジカメならばそうならないので、プロの方が特に報道の方が野球やテニスなどの打つ瞬間を撮るのにも失敗しないでしょう。JPEGのラージサイズなら100枚、RAWならば30枚この高速連写が可能です。 この連写が可能になった秘密は、メモリーカードへの保存は遅いので高速なDDR SDRAMを一時保管場所として設けていますが、これが従来機に比べて2倍になったんです。しかも画像処理エンジンDIGIC IIIが、なんと2個搭載。パソコンで言えばデュアルプロセッサーですよ。同時に画処理をするので速いんですね~。 これならばミルククラウンももう少し良い写真が撮れたかも。(笑) ちなみに高速連写では速すぎるシーンでは、10枚/秒~1枚/秒まで1枚単位で連写スピードを変えることもできます。 次に劇的な変化は、ライブビュー撮影に対応したこと。ライブビュー撮影とはコンパクトデジカメでは当たり前なのですが、ファインダーの代わりに液晶画面を見ながら撮影する機能。一眼レフカメラではまだ対応機種が少なく、キヤノンでは、受注生産だった天文専用のeos 20Daに次ぐ2機種目。他社は昨年初モデルに搭載していたので、1年遅れての本格導入という形です。 ライブビュー撮影だと、ファインダーよりも大きいにもかかわらず意外にフォーカスをあわせるのが難しいんですよ(ライブビュー撮影時はマニュアルフォーカス)。やっぱりデジタルよりもアナログの方が人間には見やすいのだなぁと思います。もちろんそれを補うために拡大ボタンを押すと5倍、10倍と拡大できるためピント合わせは問題ないのですが、そうすると全体像が見えない。(ライブビュー撮影時はファインダーは見えない。)スタジオ撮影や商品などを撮影する場合は、一度構図を決めてしまえば、あとは微妙なフォーカスだけ見ればいいので、ライブビュー撮影も便利だと思います。でも生き物など微妙に動くようなもや、全体の構図が変わってくる風景(人が入ってきていないかとか、余計な動物が入ってきていないかなど、フォーカスと構図を両方常に気にするような場合)や、電車など乗り物など常に動く物の場合はファインダーの方が使いやすそうです。やっぱりライブビュー撮影でオートフォーカス、しかもAIサーボなんかも使えるようにならないと、オールマイティには使えないですね。でも、そうするためには構造的に1から設計し直さないといけなそうなので、実現は難しいかも。 撮影時に進化したことと言えば、オートフォーカス精度。まず測距点が7点から大幅アップの19点。それに加えてアシスト測距点が26点も追加されています。測距点が増えただけではなく、低輝度限界性能が向上(-1~18EV、常温・ISO100)したので、暗いところでのオートフォーカスも可能になったのです。 順番が逆になりましたが、画像関係です。CMOSは1010万画素と従来の820万画素からのアップですが、今やコンシューマー向け一眼レフカメラのeos kiss digitalでも1000万画素を越えていますから、それほど驚くことではありません。しかし、従来と同様APS-Hサイズで、eos kiss digitalのAPS-CサイズのCMOSよりも1画素あたりの受光量が多く、ダイナミックレンジがいいはずです。しかもA/D変換が12bitから14bitに拡張されていますので、デジカメが弱いとされるグラデーションもきれいに出るんです。でも、どうせなら35mmCMOSを使って欲しかったなぁ~。ちょっと残念です。そしてグラデーションを美しく撮る機能として、拡張メニューですが高輝度部分の階調優先をするかしないかを選べます。これによって明るい側のグラデーションがきれいに出ると共に、白飛びがしにくくなります。 ちなみにISO感度は100~3200と暗い方に拡張されています。これはDIGIC IIIの進化したノイズキャンセルアルゴリズムによる物で、コンパクトデジカメでもDIGIC IIIを搭載した機種はそれ以前の機種よりもISO感度が上がっています。なお、拡張することでISO50~6400まで拡張できますが、写真を作品として残したい場合は、ISO800くらいが限度じゃないでしょうか。 他に、eos kiss digital Xから搭載されたセンサークリーニングなども搭載されたほか、プロには必要な暗号化などにも対応。至れり尽くせりの機種になっています。 ただ、やっぱり値段もプロ用。実売価格は50万前後と言われています。発売時期は5月下旬。 以前、ヨドバシカメラでeos 1Vを5台買っている人がいました。おそらくプロか報道関係なのかもしれませんが、その横で小さくなりながらeos 7を買っていた自分なんですが、その彼は今はどんな機種を使っているんだろう。またeos 1D mark IIIを5台とかかっているのだろうか・・・。
この記事へのトラックバック
|
この記事へのコメント
内容よりカタチから始めることがありますが、結構大事だと思います。
道具がプロでも腕前がアマチュアという人、多いですから。
限られた性能の中で最大限の能力を引き出せる事が、プロフェッショナルなんじゃないでしょうか?
そうはいっても、マークⅢ、手に入れたい一品であることに違いアリマセン。
> 限られた性能の中で最大限の能力を引き出せる事が、
> プロフェッショナルなんじゃないでしょうか?
弘法筆を選ばずと言いますし、まったくその通りだと思います。
でも、操作に時間がかかればシャッターチャンスを逃す場合が多くなりますし、そうは言ってもやはり良い機材の方が良い写真が撮れる可能性が高くなりますからね。