バブルへGO！！ タイムマシンはドラム式 見てきました。

サラリーマン減税（定率減税）の廃止、ホワイトカラーエグセプション、消費税増税など、サラリーマンを始めとする一般市民の苦しめが厳しい今日この頃、ちょっと元気をもらいたくてバブルへGO！！ タイムマシンはドラム式を見てきました。

●ストーリー（ネタバレあり）

　2007年3月、田中真弓（広末涼子）の母親・田中真理子は崖から飛び降りて自殺（薬師丸ひろ子）する。しかもその遺体はまだ引き上げられていない。父親のいない真弓は一人になってしまう。そして、そのお通夜に現れたのは借金取りの田島（劇団ひとり）。真弓は彼氏の200万という借金の肩代わりをさせられ、田島に追われていた。田島は香典を奪ってしまう。

　数日後真弓の前に現れたのは、財務省大臣官房経済政策課に勤める下川路（阿部寛）が現れた。下川路は母の真理子は死んでおらず、自殺の目撃証言は部下の仕業であることを告げる。下川路は真弓を財務省に連れて行き、そこでことの真相を話す。
　日本は現在800兆円の借金があり、１日あたり900億円ずつ利子がふくらんでいる。その一方少子高齢化が進み、人口は減る一方、借金を返すめどは立たず２年で日本は破綻することを知らされる。そして秘密裏に動いているある計画を話す。それは真理子が偶然開発したタイムマシンに乗ってバブル崩壊のきっかけとなったある法案を止めに行くことだった。
　下川路と真弓はタイムマシンが置いてあるお台場の日立製作所家電研究所に向かう。そこには真理子が開発した強力すぎて自分自身が吹っ飛んでいってしまう扇風機、人をも吸い寄せるパワーを持った掃除機に混ざってドラム式の洗濯機が置いてあった。下川路はこの洗濯機こそがタイムマシンだという。
　このタイムマシンは制限があり身長160cm以下、最大胴回りが80cm以下のものしか送れない。そのような人間は財務省にはいないことから開発者である真理子を過去に送った。しかし真理子は戻らず計画は中止することになった。ところが娘の真弓が現れたことでその計画を引き継いで欲しいというのだ。

　真弓はここにいても借金取りに追われるだけだし、母の行方も気になることから引き受ける。しかし今でも古ぼけた洗濯機がタイムマシンとは信じられない真弓。半信半疑のまま洗濯機の中に入る。「冷たっ」真弓に洗剤が注がれる。「この洗剤は何のため？」「いや、念のため。」「それと、17年前の俺には絶対に会うな。危険だから。」こうして光に包まれついたのは17年前の1990年。真弓の前には建設途中のレインボーブリッジが。そう、まさにバブル絶頂期の東京だった。

　法案を廃止してもらうため、母を捜すために大蔵省に向かう。そこで会ったのは若かりし頃の下川路だった。17年前の下川路は、堅い風情とは180度違い、遊び人風情の女たらしのイケイケ男だった。17年後からやって来たという真弓に「話を聞くから」と連れて行かれたのは六本木のディスコ。しかも下川路は話を聞くつもりはなく、下心丸出しだった。

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以下、ネタバレ！
　真弓は下川路と別れ、六本木の待ちに繰り出す。そこで彼女が会ったのは若かりし頃の田島。彼は長銀に就職が決まったばかりの学生。「長銀は潰れるよ」と言う真弓のアドバイスに「銀行が潰れるわけないじゃん」と答える田島。田島に金をやるからつきあってと言われて船上パーティーに向かう。そこでは普通の学生がパーティーでドンペリをあける世界。そこでやったビンゴで１当になった真弓は賞金を受け取る。200万だ。さらにパーティーのおみやげではタクシー券を１冊もらった。200万の借金で苦しんでいた真弓にとって、何もしないであっという間に200万が手元に入ってしまう、そんな世界だった。

　次の日、再度下川路に会い、必死に説得する真弓。電話をかけるために渡した100円玉。そう、それは平成19年発行の貨幣だった。「こんなものどこで作った」という下川路はその成分を調べた。それは偽金でなく紛れもなく本物の100円玉だった。必死の説得にだんだんと下川路は信じ始める。真理子が持ってきた経済雑誌を読むうちに下川路はこの法案が成立し、土地を転売できなくなると、土地の価格は下がるが銀行や企業が持っている資産の価値も激減。そうすれば含み損、不良債権が出ることになり、当時では信じられないような銀行破綻もあり得ることに気がつく。

　下川路は芹沢長官（伊武雅刀）にこの法案の発表を見合わせるよう進言するが耳を貸さない。そこに現れたのは真理子。彼女は大蔵省が耳を貸さないならと総理大臣に直訴しようとして警察に逮捕されていた。長官は彼女に話を聞くから料亭に来いと言う。それを聞きつけた下川路と真弓も料亭に潜入。そこで長官の口から出た言葉は、バブルが崩壊するのは承知の上。それによって何兆円もの利益が我々のところに入ってくるというのだ。

　真弓は携帯でその一部始終を録画していた。ところがその後の混乱で池に携帯を落としてしまう。しかし、下川路の遊び相手のニュースキャスターが一部始終を生放送していた！にも関わらず長官は余裕の表情を浮かべていた。

　なんと、長官は裏で手を回して、当時の真理子を消そうとしていたのだ。それを察知した下川路と真弓は真理子の勤める研究所に向かう。案の定長官の手下が銃を持って真理子を拉致しようとしていた。しかも助けようとした下川路もピンチに。そこで真弓は超扇風機と超掃除機を武器に戦う。

　翌日逮捕された長官の代わりに記者会見を行った下川路。「法案の発表はとりやめます。」安心して現代に戻ってきた真弓の前に現れたのは、田島だった。借金取りから逃げようとする真弓に対して田島は「お嬢様」と呼び止める。田島は真理子たちの家の使用人になっていたのだ。そして「お父様も直にお向かいに参ります。」の言葉。そこに現れたのは総理大臣になった下川路だった。

●感想、思ったこと（ネタバレあり）

　公式ホームページを見るとこの映画のジャンルって、「ラブコメディ」ってなっているんですけど・・・。コメディはわかるけど、「ラブ？？」う～ん、家族愛？それとも若かりし頃の下川路の女遊び？それとも下川路と真理子の愛？う～ん、どう考えてもラブコメディには思えないんですけど・・・。

　まあ、細かいことは置いておいて、まず思ったのが「田中真弓」という名前。ドラゴンボールのクリリンや天空の城ラピュタのパズーなど、幅広い作品で活躍している田中真弓さんを思い出してしまいます。

　まあ、そんなことはいいとして、さすがにバブル時に私をスキーに連れてってや彼女が水着にきがえたら、波の数だけ抱きしめての３部作を作った馬場康夫監督だけあって、本作もバブルにこだわってますね。って、17年前と言えばボクはまだ学生。ということであまりバブルについてあまり実感していませんが。学校がジュリアナの近くだったので、学校帰りにボディコン姿のお姉様とすれ違うそんな毎日でした。六本木交差点のマイアミ、地上波デジタルのアンテナのない東京タワーなどCGやセットを駆使して再現した1990年はこだわっていると評判です。

　逆にクライマックスの料亭のセットは安っぽい感じがしますが、それはそれでコメディっぽくて良かった。007シリーズの音楽を思わせるBGMもそそります。

　他にもクスクス笑わせるようなネタ、飯島直子など売れない頃の人たちがちょい役でいろいろ出ていたのも面白かったです。作品中でポケベルが出てきますが、思えば広末涼子ってポケベルのCM出てましたね～。懐かしい。
　上でも書いたけど、バブルの時代の記憶はあまりないのですが、それでも太眉毛とかは記憶ありますね。おニャン子クラブとか、今見ると、やっぱ一昔前の女性って感じしますものね。

　ただ、ストーリーはやはりコメディだけあって、先が見えちゃいます。「娘がいたのか」という下川路の一言で、「あ～、親子なんだな」とわかってしまうし、そうすると過去の世界で親子だと言うことがわかって、ハッピーなエンディングで現在に戻ってきたら下川路は大物に出世しているんだろうなと想像できちゃいます。（ただ、ボクは財務省のトップになっているのかと思っていたので、総理とは思わなかった。でもよく考えれば財務省のトップと言っても中途半端だよな。そう考えれば首相になっていると予想しても良かったのに。。。残念）それにまさか、レインボーブリッジが３本も架かっているとは。。。
　日立が偶然作ってしまったタイムマシンを他の誰にも知られずに財務省だけが知るってのはどうしてなんでしょうね？タイムマシンなんてすごいものを作ってしまったことを外部の人間にばらしたらやばいだろうし、特許や学会発表、プレスリリースをだしたのだとしたら誰でも知っているだろうし。そもそもタイムマシンがあったらきっと800兆円なんて借金すぐに返せそう。過去をあんなにおおっぴらに変えたらとんでもない未来になりそうってのもあるし、タイムパラドックスを題材とした映画としては、ストーリー的には下の下ですが、これはパロディ。バブルの頃を何も考えずに楽しむという軽い気持ちで見に行くと、結構面白いです。

　突っ込みどころと言えば、最大胴回り80cmだと、ぎりぎり広末涼子アウトです。作品の中では「見た目で判断しないで」と胸を隠しますが、どうやら彼女ヒップが81cmなんだそうです。
　それと、最後の下川路の記者会見。「何もしなくてもこのままではバブルは崩壊します」なんて、大蔵省の公式発表なんてした日には、株価暴落するんじゃないの？根拠もなくそんな発表したら総理大臣になるどころか、処分ものでしょ～。
　そもそもあの法案、内容聞いたら経済に疎い人でもすぐに銀行が破綻するくらいの不良債権に変わることくらいわかりそうなものだが。。。いくらバブルの頃とはいえ。ねぇ。


　さて、現在の日本の借金は542兆円と言われ、国民の人口で割ると一人あたり424万円の借金があると言われています。GDPの1.6倍。アメリカの65%に比べると相当高い。そもそも100%を越えるのは日本とイタリアくらい。それだけ日本の経済はやばい。この数字、大丈夫という経済学者もいます。
　でも、日本の貿易黒字は6.5兆円(2001年)。貿易だけで帰そうとしたら単純に542÷6.5＝83年。しかしこれに利子は付くし、借金は増えるし、貿易黒字は減る傾向にあるし、まともに返そうと思っても優に100年以上はかかる。そんな中、海外企業が日本企業を買収（いわゆる三角合併）しやすくしようとしているし、年次改革要望書によって日本はアメリカの言いなり。バブルがはじけた早十数年、未だにバブル神話を信じて税金を私利私欲のために使おうとする政治家や官僚たち。
　そしてそのツケは？冒頭でも書いたようにサラリーマン減税（定率減税）の廃止、ホワイトカラーエグセプション、消費税増税など、サラリーマンを始めとする一般市民にしわ寄せが。
　はっきり言って、今の日本を一度壊さないと立て直しできないんじゃないかと、思います。そのためには自民党は一度与党を離れてもらいたい。今の日本を背負っていると言ってもいい30代、40代、次の日本を背負う20代の自民党支持率は低いんです。そして特に20代から30代の投票率が低い。そしてまだ選挙権がないけどもうすぐ選挙権を得ることができる１０代後半は自民党支持率が高い。この理由は自民党以外の政治家を知らないからだそうです。これらを考えると自民党が与党であるのは支持されているからでなく、不支持の人が多いにもかかわらず、その人たちは政治に期待をしていない（期待をしていないから興味を持てない）人たちです。今の日本を作ったのも、こんな政治にしたのもすべて自民党。
　そもそもボクは政党制に反対です。政治家は国民1億2千万の代表です。十人十色、国民が1億2千万人いたら1億2千万の考え方があります。その代表である政治家だってそれぞれの考え方があるはずです。それをさらに政党でまとめてしまって、しかも政党で強い党、弱い党作ったら、何のためにあんなに多くの政治家がいるの？現在、ミニ政党を除く政治資金規正法で言う政党（所属する国会議員が５人以上、直近の選挙で全国で2%以上の得票を得たもの）は７党(2006年12月現在)ですので、大げさな話、国会議員７人にしてもいいと思います。
　ちなみにボクは学生の頃社会はいつも赤点ぎりぎりで政治は疎いので、僕の意見は甘いかもしれません。ボク個人の意見であり、本記事は政治活動を目的としたものではありません。あくまでも映画を見ての感想です。

p.s.
エンドロールの後におまけ映像があるので、席を立たないでね。


●2007/02/25追記
　せっかく17年前に戻るんだから、5年後に神戸に大震災が来るって警告してくれば良かったのに。薬師丸ひろ子は阪神大震災を描いたありがとうにも出演しているんだから。

見て良かった度：●●●●○

• バブルへGO！！ タイムマシンはドラム式公式サイト
  
• バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スタンダード・エディション
  
• <バブルへGO!!―タイムマシンはドラム式 (文庫)
  
• 「バブルへGO!!タイムマシンはドラム式」オリジナル・サウンドトラック
  
• バブルへGO!! オムニバス（CD)
  
• 馬場康夫監督
  
• 君塚良一脚本
  
• 阿部寛出演作品
  
• 広末涼子出演作品
  
• 薬師丸ひろ子出演作品
  
• 吹石一恵出演作品
  
• 劇団ひとり出演作品
  
• 伊武雅刀出演作品
  
• バブルアゲイン (単行本)
  
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Comments

[masya]

劇中、劇団ひとりが奪い合うタクシー。「トヨタクラウンコンフォート」という車種なのですが１９９０年３月現在、発売されてません。
フジテレビの旧社屋らしいロビーや六本木スクエアーやデジタルアンテナのない東京タワーなど、こだわりは「馬場氏」というか「ホイチョイ」らしいです。
何度も見返す作品です。
最後の薬師丸によるお願い広告の朗読は彼女のオールドファンへのサービスでしょうか？

[たいむ]

こんばんは。
政治、政党とか、そういうシステムよくわかりません。
そういう国民の無関心さが一番問題な気もするのですけど（^^;)
せめて、日本も大統領制になったらいいなぁーと思います。
自分で選ぶ、砂粒くらいでも関わっているという自覚と意識がまず必要ではないかと思う次第です。
・・映画ではない部分のコメントになってしまいました。失礼を。

[りら]

こんばんは、よしなしごとさん♪
ちょっとシリアス、大部分コメディって感じ（笑）で、ストーリーも完全に先が読めちゃいますけど、それがまた楽しいって思いました～。
でも、下川路と真弓の髪の毛をかく仕草……バレバレでしたね(^_^;)

[かんりにん]

●masyaさん、こんばんは。
お～！さすがmasyaさん、細かいところまでチェックされてますね。車に関しては疎いので、全然わからなかったですよ。

●たいむさん、コメントありがとうございます。
総理大臣と大統領の権限の違いがよくわかりませんが、少なくとも総理大臣は国民総選挙にすべきだと思います。お金かかっちゃうけどね。あとは、選挙も投票しやすいように、ネットや携帯なんかでもできると若い人も投票しやすいのに。でも今の自民党は若い人に投票されると困る政党なので、実現は難しいだろうな。

●りらさん、コメントありがとうございます。
そうですよね。最初「娘がいたんだ」で、「あっ、親子なのかも」と思い、頭をかく仕草で確信に変わりました。
まあ、この映画はそういう読めるストーリーの方が、疲れずに見られて良かったと思います。

[jamsession123go]

こんにちは、jamsession123goです。
ブログにコメント＆TBありがとうございました。
疲れてるときは、この気楽さは最高です。
中味なんかあまりなくても、バブルものなので、ぴったりですね。

[ｍｉｃｈｉ]

こんにちわ。　ＴＢありがとうございます。

そういえば、広末って、ポケベルのＣＭやってましたね！
彼女自身が中学生くらいだったかな？　（小学生？）
いまや一時の母ですもんね。
ホント、月日が経つのは早いです。。。笑

飯島×２や八木アナなど、出演するだけで笑ってしまうような演出も楽しくかったです♪

[かんりにん]

●jamsession123goさん、コメントありがとうございます。
そうそう。気軽に見られて良かったです。疲れているときに見に行ったので。

●michiさん、コメントありがとうございます。
確か中学生だったと思います。ねぇ～。もう母親ですよ。早いですね。でも、当時も今もボクは一人身です(T_T)

[ケント]

こんにちはケントです
ＴＢお邪魔します
洗濯機がタイムマシンなんて面白いですよね。
バブル時代に青春を謳歌していた４０代の方は、ことに懐かしいでしょうね。
確かに神戸大震災のことが出てこなかったですね。

[かんりにん]

ケントさん、コメントありがとうございます。
確かにタイムマシンが洗濯機ってところは奇抜な発想ですよね～。

[berabo]

おじゃまします。
ケータイが２つの時代のギャップを如実に表す見事な小道具でしたね。
とにもかくにも、ヒロスエが自然体で可愛いかったです。
あと、個人的には1990年も2007年もイカしてる伊藤裕子さんと
ハニカミながらチークを踊る八木亜希子さんにノックダウンだったかな。
TBさせていただきました。
また、寄らせてください。

[かんりにん]

beraboさん、コメントありがとうございます。
この映画は登場人物がなかなかポイントですよね。
個人的には洗剤をかけて、その理由を「念のため」と答えていたのがツボに入りました。バブルだけに洗剤が必要だったんですね。