インビジブル2 見てきました。



 献血してきました。一応僕の血液は赤でした。しかしこの映画では透明です。血液だけじゃなく体全体透明です。そんな映画、インビジブル2見てきました。

 5年前、インビジブルを見た時は、人間が透明人間に徐々に変身するあのCGがすごいなぁと思いました。大ヒット!と言うわけではなかったと思いますが、そこそこのヒット作。でも、なぜかその続編の本作は、全国で東京の2館でしか上映していないという超単館系。さてさて、どうなんでしょうか。




●ストーリー(ネタバレもろアリ)
 ライズナー研究所の資金集めのパーティーのトイレで、ヴァリアーズ博士が頸動脈を切られ、血だらけになって倒れているのが発見された。凶器は携帯電話の基板。大量の血を浴びたはずなのに目撃者はなし。しかも残された足跡は裸足。通報を受けて駆けつけたシアトル警察のフランク・ターナー刑事とリサ・マルティネス刑事。現場検証をしているとそこに現れたのはライズナー博士とビショップ大佐。彼らは捜査は国防総省が行うと、二人の刑事を退去させた。
 フランクとリサが署に戻ると次のターゲットと思われるマギー・ダルトン博士(ローラ・リーガン)の護衛を命じられた。何の説明もなく任務に就かされた二人は不満に思いながらもマギーの自宅に向かう。
 マギーの自宅は自宅と言うよりも研究所に近い。冷蔵庫の中は培養のシャーレや試験管でいっぱい。フランクたちが研究内容を聞いても、研究所を解雇された後も秘密保持契約は有効になっているという理由で何もしゃべらない。
 夜になり、二人は外で張り込みを行う。すると1台のバイクが。それはマギーの妹・ヘザーだった。今日はマギーと出かける約束だったのだが、研究に没頭しマギーはすっぽかしてしまい、それを怒りに来たのだ。しかし帰り際、リサに事情を聞かされ、「姉をよろしく」と言い残し去っていく。
 マギーの飼い猫が外から帰ってくると、リサは玄関の扉を開けた。すると中から不審な足音が聞こえた。リサが2階にあがる。そこでリサは何者かに襲われてしまう。無線で襲われたことを知ったフランクも張り込みの車から、マギーのいる2階に向かう。フランクが駆けつけた時にはすでにリサの息はなかった。そしてマギーの部屋からは何者かとマギーが話している声が聞こえる。しかしフランクが部屋に入ると、マギーの姿しか見えない。
 するとヘリの音が鳴り響き、特殊部隊が入ってきた。誰もいないマギーの部屋に向かって銃撃する特殊部隊。その隙にマギーとフランクは外に脱出する。目に見えない敵を恐れたフランクはマギーを連れて署に戻る。
 フランクの上司はマギーを国防総省に引き渡すと言うが、真相をつかみたいフランクはマギーを連れて町に逃げ出してしまう。真相を話すことを拒んでいたマギーも、話さないなら国防総省に引き渡すという言葉に観念し、真相を話し出した。それは5年前に中止されたはずだった透明人間にする薬の開発を、ライズナー研究所が国防総省の援助で開発を再開し、ヴァリアーズ博士やマギーはその薬の改良を図っていたのだ。そして彼らはその薬の副作用である徐々に細胞が損傷してしまうのを防ぐ緩和剤をも開発したのだ。それらの薬は、姿なき戦士を作ることに応用され、その実験台として特殊部隊のマイケル・グリフィン(クリスチャン・スレーター)に投与したのだ。その後、マギーはグリフィンは死亡したと聞かされた。そしてその直後解雇されたのだ。
 しかしグリフィンは死んではおらず、なぜか国防総省はグリフィンに緩和剤を投与していなかった。グリフィンは緩和剤の開発者に新しく緩和剤を作らせるためにヴァリアーズ博士とマギーを襲ったのだ。
 逃げるマギーの携帯に1通のメールが届く。二人は指定された住所に向かうことにした。
 一方、マギーの行方を見失ったグリフィンはライズナー研究所のビショップ大佐のところに向かう。大佐は国防総省に戻るなら緩和剤を与えると言ってグリフィンを安心させ、隙を見て万年筆でグリフィンを刺すが、逆に殺されてしまう。そして大佐のパソコンからマギー宛のメールを見つけ、その住所に向かう。
 その住所は廃墟だった。フランクとマギーはそこで全身ただれた男・ティモシー・ローレンスと会う。彼はグリフィンよりも前に透明人間になる薬を投与された被験者で、この研究の本当の目的を探っていた。彼によると本当の目的は政敵を暗殺させるための刺客を作ることだったのだ。実際にグリフィンは最高裁判事などを殺害し、不審な死を目立たなくするために一般人も殺していた。
 そこにグリフィンが現れ、二人はまたも逃亡する。二人を見失ったグリフィンはマギーの妹のヘザーの家に向かう。マギーの家が特殊部隊によって爆破されたニュースを見て姉を心配していたヘザーは、グリフィンに誘拐されてしまう。妹を帰して欲しければ一人でターミナルに来いと呼び寄せられるマギー。
 フランクは遠くから見守ることにした。しかしまんまとグリフィンに誘拐されたマギーはブティックの試着室に連れて行かれ服を脱ぐように言われる。そして彼がとりだしたものは、そう、透明人間になる薬だった。しかし、フランクのおかげでそれは免れるが、警備員の邪魔によってマギーは連れ去られてしまう。警備員と警察、そして軍に追いつめられたフランクは、ある決断をする。そう、その薬を自分に打ち、透明人間になって脱出する。
 マギーはグリフィンによって緩和剤を作らせるために大学に侵入。それを透明人間になったフランクが追う。しかしその頃緩和剤は完成し、グリフィンに渡していた。しかしマギーを信用していないグリフィンは、まず自分で半分注射してみろとマギーに渡す。言うとおりにマギーは自分の腕に注射し、そしてグリフィンにも注射する。
 しかしこの緩和剤は偽物で、実は殺鼠剤であった。毒を注射してしまった二人をフランクが追う。





●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 まあ、何ですかね。可もなく不可もなくと言ったところでしょうか。一応、終始息つく暇もないくらい、逃げる者と追う者の逃亡劇、捕り物劇が繰り返されていて、少なからず透明人間に必ず出てくるセクシーシーンもあるわけですが、何となくアップダウンがないというか、迫力がないというか、淡々とストーリーが進むだけで、おーっ!とか、うわぁー!とか感動がないんですよね。
 最初のヴァリアーズ博士の殺害シーンから、マギーの家くらいまではおもしろかったんですが、その後は。。。透明人間って、どこにいるのかわからない恐怖ってのが大事だと思うんですよ。ヴァリアーズ博士の殺害シーンやマギーの家での襲撃シーンは、それが描かれているので見ている人にとってもスリリングなんですよね。でも、フランクが敵は透明人間だと知ってからは、なんかそれがないんですよね。足音でだいたいの場所がわかってしまうとか、ナイトショットのビデオで姿を見たりとか、雨でわかってしまうとか。透明人間を題材に使った意味がない。その点残念でした。

 それと、透明人間になったフランクもただの殺人鬼になってしまうのも僕的には受け入れられませんでした。ライズナー博士を殺す暇があったらさっさとマギーのもとに向かえよ。ライズナー博士なんて相手にしていなければ、もしかしたらマギーが自分に殺鼠剤を投与する前に救出できたかもしれないのに。

 それにみんなバカばっか。ヴァリアーズ博士、グリフィンが「誰にも連絡するなよ」と言ってトイレの扉がいったん開き、立ち去ったと思って携帯電話を取り出しますが、そんなのカモフラージュだって誰でもわかるでしょ。次に特殊部隊。目に見えない者が相手なら、突入前に家の回りを出られないように囲めばいいのに。例えばまきびしみたいなのを蒔くとか、カラーボールに入っている蛍光塗料みたいなのを蒔いておいて、あとで追跡しやすくするとか。そしてマギー。相手は国防総省なんだから携帯入れたらすぐに追っ手が来るって、誰だって知っているでしょう。

 透明人間ネタは今までにも映像化されているので今更突っ込むことでもないでしょうが、網膜まで透明になったら、光が網膜に写らないから物を見ることができなくなるでしょう。。。それに透明なのに光に弱いって・・・。光エネルギーは透過してしまうから細胞を損傷するはずがないのに。それと、万年筆で刺されたり傷を負うと、そこだけしばらく透明じゃなくなると言うのも不自然ですよね。まあ、そこを突っ込んだら透明人間ネタの物語が作れなくなってしまいますけど(笑)

 ちなみに、透明人間になる薬はまだありませんが、透明マントのようなものは開発されつつあるそうです。光を透過させるのではなく、光を物体の回りを迂回させるようにするものです。光ではまだですが、光と似た性質を持っている電磁波では実験にある程度成功しているそうです。実用化されたら透明人間は無理でも、高層ビルの裏側にある民家にも太陽の光が届くようになったりできますね。



オススメ度:●●●○○





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この記事へのコメント

masya
2006年12月30日 16:24
今更ながら原作の発想に舌を巻きます。
5年前の1作目では透明人間のジレンマとか凶暴化する過程が丁寧に描かれていたように思いますが今作ではどうでしょうか?
「2」となってはいるものの「別作品」として予備知識なしに観賞したほうがよさそうです。
でも、セルフコントロールの効かない「透明人間」になりたい人、居ますかね?昔のアニメで(シャザーンとか言う魔法使いの出てくる漫画です)透明になるマントがありましたが、あれは欲しいなっていうか使ってみたい気もします。まあ、ちょっとした、いたずらにですよ。変なことは考えてません。本当ですっ!
2006年12月30日 16:59
masyaさん、いつもコメントありがとうございます。
2では1の研究のことがちょっとだけ触れていますが、まったく別の作品と思っても、何の不都合もありません。1を見ていなくても、全然支障ありません。
透明マントも結構いろいろなところで登場しますが、ドラえもんの石ころ帽子は、透明になるのではなく、見えるけど気にならなくなると言うのは子供心に新しい発想だなと感心したことがあります。
「ちょっとしたいたずら」のちょっとはかなり主観的ですからね。どこまでのレベルを言うのか・・・。(笑)
2006年12月30日 22:32
こんばんは、よしなしごとさん♪
これって前作の透明人間は誰でしたっけ?ケヴィン・ベーコン?クリスチャン・スレイター? 何だか記憶が曖昧です。 ちょっと、観たいと思ってたんですけど、こちらでは上映されてないんですよね~。残念。
2006年12月30日 23:11
りらさん、こんばんは。
前作はケビン・ベーコンです。自分の体で実験して、そのまま透明人間から戻れず、だんだん狂気に逸する主任研究員を演じています。
インビジブル2では、クリスチャン・スレイターは政敵を殺すために実験台にされた特殊部隊です。悪役のように描かれていますが、彼もまた被害者なんです。
見える姿ではほとんど出てこないのに、クリスチャン・スレイターが主役なんだそうです。

この映画、今のところ東京でしかやってないんですよね~。各地でも上映されると良いですね。
2007年01月11日 01:31
こんにちは。TBありがとうございます。
期待もせずに観に行ったので、まぁこんなもんですかねぇ。
クリスチャン・スレイター主演にもかかわらず、
あまりの出番の少なさにちょっとビックリでしたw

TBの方、エラーで返ってきます、よろしくお願いします。
2007年01月11日 21:43
もじゃさん、こんばんは。
僕は逆でした。あの刑事が主役だと思って後から見たらクリスチャンスレイターが主役だったのでびっくりでした。

TB公開しました。何のキーワードがNGになっているんだろう。。。ご迷惑をおかけしてすみません。

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