読書の秋「女の唇のひみつ」、「小さな悪魔の背中の窪み」
主な移動手段がバイクの僕は、仕事関係以外の本を読む事は滅多にないんです。たまの出張も新幹線の中は寝てますし。。。
そんな僕が久々に読んだ本を紹介します。
この本の副題は「私が、答えます(2)」です。つまり寄せられた質問に対して著者の竹内久美子さんが答えていくというものです。1つの質問に対して数ページ。どんな質問か。例えば「行きずりのSEXは子供ができやすい」といった性に関するもの(1章)、最近少子化と言われていますが「出生率2をきって大丈夫?」、「子供が3歳で反抗期を迎える理由」、「高齢出産では男の子が生まれやすいわけ」など、繁殖問題に関する事(2章)、「子供がほうれん草を嫌いなわけ」などの3章、「紅葉は何のため?」などの4章、「本屋で大を催すわけ」などの5章といったものです。
話は前後しますが、著者の竹内久美子さんは京都大学で動物行動学を専攻し、博士課程を修了した偉い方。
これら質問に対して、動物行動学的に、遺伝学的に解説しているのです。
例えば「出生率2をきって大丈夫か?」との質問では、あまり子供を作りたがらない人が多いから出生率2をきりますが、そのような考えを持つ遺伝子はだんだん淘汰されて来ます。そのような時代でも子供をたくさん作る人はいるもので、そう言う遺伝子が残ってきます。するとたくさん子供を作りたがる遺伝子が増えてきて、ゆくゆくは出生率2を超えるようになる。と言ったような回答です。
アオキマリコ現象で知られる、本屋に行くと大がしたくなる。アオキマリコ現象が有名になった時の青木さんはまだ独身。その後結婚しましたが、偶然(?)にも青木さんと結婚したため、結婚後もアオキマリコさんだそうです。この現象に関して独自の実験をされました。立って読むと催すのかという仮説を立てたが駅で立って本を読んでも催さない。その他の実験から本の匂いが原因ではないのか?本の原料は木。本来動物は木に自分の匂いを付けて縄張りを主張していました。その名残で木の匂いをかぐと催すのではないかという結論です。
この本を読むと、すべての現象は、遺伝子的、動物行動的に説明できるのではないかと思えるほど、全然関係ないことも説明されています。
もちろん難しい法則を持ち出したりせずにわかりやすく解説していますので、雑学的にも、動物行動学の基礎の基礎としてもおもしろい本でした。
2冊目は「小さな悪魔の背中の窪み」という本です。副題は「血液型・病気・恋愛の真実」です。小さな悪魔、背中のくぼみ?何それ?それが血液型や恋愛とどう結びつくの?タイトルだけではまったく何の本かわからない本です。
結論を先に言うと、「小さな悪魔」とは鳥のカッコウのことです。この鳥は宿主の巣にタマゴを産みます。カッコウの雛は宿主のタマゴを巣から落としてしまうのです。自分だけ育ての親(宿主)からエサをもらうために。このためカッコウは宿主の雛よりも早く卵からかえるように進化し、短時間で宿主のタマゴを巣から落とす事ができるように、背中に卵を載せるためのくぼみができるように進化していったのです。
本書はこのような、動物の進化の過程を解説した本です。もちろん難しい理論はあまり出てきません。
さて、副題の血液型の話もします。血液型に関してはブログではなく私のホームページに血液型でも書きましたように、血液型と性格は関係あるという人と、関係ないという人がいる事を書いています。著者は血液型と性格には関係があると述べています。もちろんその根拠も書いています。例えばO型は病気に強い血液型と言われている。(胃潰瘍やコレラなどO型が苦手とする病気もある)つまりO型は楽観的になり、さらに感染症に強ければ感染症が流行っている時期にも人と交わることも可能で、このことから社交的な人が多くなる。逆に病気に弱いとされる(もちろん強い病気もある)A型は何に対しても慎重になるのではないかと言う事である。
また女性は色白で唇は赤い女性が美人とされ、男性は足が長く背が高い人が格好いいとされる。口ではルックスよりも中身が大事と言っていてもやはり美男、美女が好きである。色白で唇が赤い、足が長いというのは生物学的に見て、寄生虫や感染症に対して免疫がある事を示していて、自分の遺伝子を残す相手として病気に強い遺伝子を外見から探しているという説を唱えている。
例えば美しい羽を持つクジャク。あの羽はどう考えても生活(エサをとったり、敵から身を守ったり)には不便である。しかし、美しい羽を持つクジャクは異性から持てる。人間が美人を好きなのと一緒である。自分の遺伝子を残すためには生活を犠牲にしても異性にアピールする能力が高いものが、結局自分の遺伝子を残す事ができる。
遺伝子が解く!女の唇のひみつに比べると、研究論文の参考文献が明示されていたり、統計学的な話も入ってきたりと、ちょっと難しめかもしれません。特に数字の議論をする場合も表やグラフを一切使わずに文章だけで書かれているので、読みにくいところもあります。
頭のいい人に限ってプレゼンが下手な場合が多いですが、この本ももう少しわかりやすくかけるだろうと思いますが、内容自体はおもしろい1冊です。学者の名前、統計学的な解説のところは斜め読みして、雑学として読んでも充分読み応えある1冊だと思います。
この2冊とも、生物行動学、遺伝学といった難しい学問としてではなく、雑学として生物の進化の過程を読んで見ようかなという感じで気軽に読んでみるとおもしろいと思います。文庫ですので高い本ではありませんし、おすすめです。
- 遺伝子が解く!女の唇のひみつ
- 小さな悪魔の背中の窪み
- 竹内久美子著書
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この記事へのコメント
只今、右膝靭帯損傷にて仕事にも行けず、潜りにも行けず、暇を持て余し、久しぶりに覗いてみました。
2冊とも面白そうね。雑学・自己啓発もの、大好きです・・・・時間がたつと忘れちゃうけど。。。
高校時代に読んだ雑学の本に書いてあったことで唯一覚えているものがあるのだけど、‘コンドームには12本のビール瓶が入る’というもの。本当に入るかどうか実験してみたいと思いつつ、お酒を飲まない私にはビール瓶をかき集めることの方が大変で実行していません。
2冊目の本より1冊目の方が簡単そうだから私にも読めるかしら???
あらあら、大丈夫ですか?どうしちゃったんですか?
気をつけなきゃ。
別にビール瓶でなくても、ペットボトルで代用してみても良いのでは???
ちなみに、女性用には「遺伝子が解く!男の指のひみつ」という本もありますよ。