「ぼくを葬る」見てきました。



 見ようか見まいか迷ったあげく、見るのはやめにしようと決めていたぼくを葬る(おくる)ですが、やっぱり見に行くことにしました。



●ストーリー(ネタバレなし)
 パリでファッション・フォトグラファーとして忙しい日々を送っていたロマン(メルヴィル・プポーは、ある日、撮影中に倒れてしまう。医者からは転移性のガンで手術もできない。余命3ヶ月と宣告される。ロマンは化学療法による治療を拒否し、同棲中の恋人に別れを告げ、家族にも秘密にしたまま、自分の死と向かい合うことを決めたロマンだが、唯一の理解者である祖母ローラにだけは真実を話した。刻々と迫る命の期限。
 残された時間をどう生きるのか。残された時間で何ができるのか。





●感想、思ったこと(ネタバレあり)
 フランソワ・オゾン監督「命についての3部作」の第2作目。第一作目は「まぼろし」では、愛する者の死。第二作目の本作は自分自身の死。そして次回の第三作目は子供の死を予定しているらしい。

 自分がまもなく死ぬと宣告され、余命をどう生きていくかという作品は数多くあります。「死ぬまでにしたい10のこと」、マイケル・キートンの「マイ・ライフ」(DVD未発売)など。。。
 本作は境遇の似ている祖母以外には決して打ち明けず、宗教や他の人にすがる出もなく、一人だけで、フラッシュバックする子供時代の自分に導かれるようにその運命を受け入れていくという、ちょっと切ないストーリー。

 ストーリーを聞くと感動作なのだが、やっぱり主人公がゲイだったり、旦那が不妊症のため子供を作るため性交してほしいという女性など、日本ではなかなかないストーリーなので、感情移入できず正直つまらなかった。最後が海水浴をして浜にあがってきて砂浜で寝ていたらそのまま逝ってしまう。癌で逝ってしまうくらいの人が海水浴なんてできるのか。

 上映時間81分と短め。アップダウンのない81分で、短いんだけど結構長く感じた。マイ・ライフはかなり泣けたんだけど。。。




オススメ度:●○○○○ 僕にはおもしろさが・・・。m(_ _)m




2006/06/26追記
子供が欲しいという女性に「ただの癌だから」というシーンがあります。たぶん遺伝性の癌じゃないか子供を心配したのだと思いますが、若年性の癌は、遺伝性の確率が非常に高いはずです。今の時代お金さえ払えば、遺伝性かどうか調べることができますので、もし必要性のある人は医者に相談してみてください。






この記事へのコメント

2006年06月05日 21:01
よしなしごとさん、こんばんは~♪
チョッと、ドキっとする画像ですネ(*ノ▽ノ)w
ゲイとか旦那が不妊症の為に子供を作る為性交して欲しいという女性とかとか‥確かに、感情移入出来ない内容ですネ‥ぅぅ~ん(/□≦、)最後も一体‥
2006年06月05日 23:32
稟さん、こんばんは。
絶賛している人はたくさんいるので、きっと僕の許容量を超えてしまっている映画なんですね。フランス映画ってこういうちょっと芸術っぽい映画も多いし。
2006年06月06日 23:00
TB恐縮です!
確かに考えれば考えるほどきれいに作られた映画ですよね♪
2006年06月06日 23:20
別冊編集人さん、コメントありがとうございます。
さすがフランス映画。きれいだと思います。
でも残念ながらフランス流のきれいな映画ってちょっと苦手かも。(^^ゞ
2006年06月06日 23:36
トラバどもです。
私も長かったです。死についての映画かと思ったら、ゲイを描きたかっただけじゃないかと思えたんですよね。
2006年06月07日 01:29
カヌさん、コメントありがとうございます。
ゲイの方を否定するわけじゃないけど、ちょっと感情移入できないですよね。
2006年06月07日 10:35
TBありがとうございます。
この映画、私は大好きですが、観客をかなり選ぶ映画ですよね~。好きな人は好きだけど、ぜんぜんだめな人もいるでしょうねえ。
監督のとっても個人的な映画なのでけっして万人向けではないですものね。
そう思って、いつも映画をいっしょに観る夫はこの映画には誘いませんでした。
でもとっても良かったから「もう一回観にいくからいっしょに行く?」と2回目のときは誘ってあげたんですけど、「ゲイのは行かない」と言われてしまいました(笑)
そのちょっと前に観た「ブロークバックマウンテン」でもゲイで辟易したらしいので。
でも、DVDを買ったらやっぱり見せてあげなきゃと思ってます(笑)
2006年06月07日 22:04
bettyさん、コメントありがとうございます。
やっぱり、女性向けなんでしょうか。僕の場合はゲイだからダメというのではないです。だってずーっとそういうシーンなわけじゃないし。。。ただ単純に感情移入ができなかっただけです。
DVD買ったらめいいっぱい見せつけてあげてください(笑)
256
2006年11月25日 23:18
日本人には、心情描写が深くて光景が印象的で美しいだけの作品は食い足りない。生死観では、日本には死を美意識にまで高める武士・切腹文化がありますし、美的・印象的な表現は源氏物語から川端、谷崎に至るまで日本人のお家芸で、それが特別なものとは感じられない。
むしろ日本人は教訓的なものを好み、だからハリウッドの分かりきった映画に、分かりきってるとは思いつつ涙するんでしょう。
川端康成の千羽鶴とかみづうみとかを読んでみたら日本人のポテンシャルと特性を実感できるように思います。
2006年11月26日 00:08
256さん、コメントありがとうございます。
死って国によって(と言うか、宗教によって)全然受け止め方が違うから、万人受けする映画を作るのは、難しいですよね~。
uko
2012年12月16日 12:12
旦那が不妊症のため子供を作るため性交してほしいという女性や、正しいかは別としてゲイだと自認している男性がそれに応えるというのは誰でも意味が分からないでしょう

主人公がゲイだったり
を「日本ではなかなかないストーリー」というのは逆に意味が分かりません。
どんな人間も同性愛者と何かしらの関わりを持っているんですよ。
2012年12月16日 16:51
ukoさん、コメントありがとうございます。
せっかくコメントを頂いたのですが、さすがに6年前の映画でどんな内容だったのか全く思い出せません。ですから気の利いたお返事が返せないのですが、最近はゲイや性同一性障害の認知度も上がってきていますので、今見たらもっと違う感想だったかも知れませんね。

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